YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

日本サッカー界最高の紅白戦が実現! その立役者 田嶋会長のリーダー力

どうも南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。今日は、そちらの視点からのお話です。

昨日(2021年6月3日)、サッカー界では史上初めての試合が行われました。ワールドカップを目指す日本代表(以下フル代表)対東京オリンピックでの金メダルを目指すU-24日本代表(以下U-24)の一戦です。試合の結果は3-0でフル代表の貫禄勝ち。東京オリンピックを約50日後に控えるU-24にとっては、課題が浮き彫りとなる試合になりました。試合内容の詳細については、今日の19時に公開するYouTube南弘一チャンネルでお話ししますので、そちらも見ていただけると嬉しいです。

ここで、お話ししたいのは、この試合が実現した意義と、なぜ実現させることが出来たのか?についての私の考えです。

本来、組まれていた試合は、フル代表の日本対ジャマイカ戦でした。しかし、対戦相手のジャマイカ代表チームに新型コロナウイルス防疫対策上の不備があり、来日できなくなりました。そこで、急遽、5日に行われるガーナとの国際親善試合に向けて合宿中だったU-24との試合が組まれたわけです。

この試合が実現して、良かったことが二つあります。一つは、無観客試合とは言え、地元での開催を心待ちにし、ここまで尽力されてきた北海道、札幌の皆さんをはじめとした全国のサッカーファンを喜ばせることが出来たこと。もう一つは、U-24のメンバーにとって貴重な実戦経験を積むことが出来たことです。

では、なぜこの対戦を実現させることが出来たのか?

えっ?そんなの当たり前じゃん。どっちも日本代表なんだから。

と思われる方が多いと思いますが、ことはそんなに単純ではありません。

その答えは、両チームの監督を森保一監督が兼任し、「1チーム2カテゴリー」という理念のもとに日本代表の強化を進めていたからです。

同じ代表とは言え、それぞれの目指す大会の日程は違うわけです。それぞれのチームがそこへ向けて、綿密にスケジュールを組んで活動しています。それをずらすことは容易なことではありません。もし、両チームの監督が別々で、しかもいずれかが外国人監督だったりすると「契約に反する」という理由で拒まれる可能性も十分にあるのです。

というわけで、実現の表の立役者は、もちろん森保監督です。

そして、裏の立役者と言えるのが、その森保監督にフル代表とU-24代表という重責を任せた日本サッカー協会田嶋幸三会長です。

田嶋会長は、熊本県のご出身で現役時代に日本代表として活躍された後に、サッカー指導者の道を歩まれました。ドイツにコーチ留学をされた後に「サッカー指導者のレベルを上げることが日本サッカーの発展には欠かせない」という熱い思いのもと、現在の「指導者養成制度」の礎を築かれました。

私が、サッカー指導者としてトレセンコーチをしていた今から15年ほど前に大変お世話になり、技術委員長としてトレセン合宿の視察に来られた際には、運転手役としてお供し、たくさんのお話を聞かせていただきました。

その当時、日本サッカー協会トレセンコーチをされていて幸三さん(いつもこう呼ばせていただいているので、失礼ながら…)の先輩になられる方がこのような話をされました。

「南、リーダーには、2つのタイプがいるんだよ。『人を集めるタイプ』と『人が集まるタイプ』。幸三のところには、間違いなく『人が集まる』。これは、すごいことだぞ。覚えとけ。」

そして、十数年を経て、理想のリーダーとして日本サッカー界をけん引される幸三さん。私のあこがれの人物です。

最後に驚きのエピソードを一つ。

2018年のロシアワールドカップ。幸三さんは日本協会会長として、ロシアに滞在されていました。初戦でコロンビア代表に2-1の見事な勝利。日本中のサッカーファンの喜びが爆発しました。そして、私も舞い上がってしまい、幸三さんに「日本代表の勝利、おめでとうございます。感動しました。」とショートメールを送ってしまったのです。送ったあとに大後悔。「ロシアまで届くはずはないし、たくさんの方々からメール等のお祝いが来てるはずで、ご迷惑をおかけしてしまったなあ。」と思っていたその時、何と返信メールが届いたのです。

「ありがとう。次も頑張るよ。」

その時の感動は、今も忘れられません。調子にのった私は、その後も毎試合後にメールを送ったのですが、そのすべてに返信してくださいました。

幸三さんへの感謝のエピソードはまだまだたくさんありますので、またの機会にお話ししますね。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。週の終わりの金曜日、素敵な1日をお過ごしください