どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
昨日、学校でこんなことがありました。
放課後、校長室を出てトイレをすませて出てきたところに、二人の女子生徒がいました。いつものように
「こんにちは。」
とあいさつをすると、
「こんにちは。校長先生、毎日、学校楽しいです!」
と笑顔で応えてくれました。
「そう。それは良かった。二人とも1年生みたいだけど、1年何組ですか?」
「〇組です。」
「△組です。」
「そうですか。じゃあ、ますます学校生活を楽しんでくださいね。」
と言って立ち去ろうとしたのですが、二人とも何かを言いたげな雰囲気です。
「ん?何か、先生にお話があるの?」
と聞いてみると、
「はい。校長先生、テニス部を作ってください!」
とニコニコ笑顔です。
「ほー。テニス部ねー。確かに、うちの学校には、テニス部がないもんね。二人とも中学時代は、テニス部だったの?」
「はい!」
二人そろって、元気に笑顔で応えます。
「そうですかー。高校に来て『これをやりたい!』と思えることがあるのは、素晴らしいことですね。ただ、ここで私が『いいですよ』と言えることではないんですよねー」
「校長先生、『テニスをしたい』って子、結構たくさんいるんです!」
「そうですか。だったら、まずは、一緒にやりたいという生徒たちに声をかけてみること。そして、あなたたちの思いに手を貸してくれる先生を見つけること。そうすれば、まずは、『愛好会』として、活動が出来るかもしれませんね。ただ、うちにはテニスコートがないので、活動場所の問題もありあますが…」
「はい。わかりました。ありがとうございました。」
最後に二人の名前を聞いて、別れました。
この要求は、校長という立場からするとなかなかの難題です。すでに、本校には数多くの運動系、文科系の部活動があり、「部」以外にもいくつかの「同好会」「愛好会」があります。そして、すべての教職員がいずれかの顧問を勤めています。教職員が部活動に関わる時間は「働き方改革」の最大の難問であり、立場的にはそれを減らしていかなければならないのです。
しかし、皮肉なことに彼女らからの申し出に、私の心には爽やかな風が吹いていました。その理由は、次の3つです。
一つは、彼女らの校長がトイレを済ませるのを待っていていて、直接話しかけてくれた勇気です。彼女たちとこれまでに会話をしたことは、一度もありませんでした。
二つ目は、はじめに「学校、楽しいです。」そして、「お願いがあります。」と言ってくれた時の笑顔の爽やかさです。
もう一つは、「今はないものを作りたい!」という彼女たちの情熱です。その陰には、中学時代に彼女たちを指導されたテニス部の顧問の先生の素晴らしい指導があることを感じました。
これから、本校に「テニス愛好会」が立ち上がるのかどうかはわかりませんが、今後の彼女らの行動に心の中でエールを送りつつ、見守っていきたいと思います。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。素敵な1日をお過ごしください。