YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

熊本市立高校・専門学校改革 一歩ずつ前進!

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

昨日(6月24日)、熊本市の6月定例「教育委員会会議」が行われました。

教育委員会議」とは、「教育行政の政治的な中立性や継続性・安定性を確保するとともに、保護者や地域住民の多様な意向を的確に反映した教育行政を推進することを目的として、教育長と教育委員の合議によって基本方針の決定等を行う会議(熊本市ホームページより)」です。

昨日の会議で、「議第48号 市立高校・専門学校改革基本計画(案)」が承認されました。今、熊本市では、令和5年のスタートを目指して大胆な市立高校・専門学校改革を推し進めています。

熊本市には2校の市立高校と1校の専門学校があります。そのうちの1校が、私が校長を勤める千原台高校です。

現在の千原台高校は、普通科が2クラス、情報科(商業科)が3クラスの学年5クラスで、普通科には健康スポーツコースと国際経済コースがあり、情報科にはOA会計コース(2クラス)と経営情報コースがあります。本校は、部活動が大変盛んで、ハンドボール、自転車、駅伝、野球などは強化指定部として全国の舞台で活躍しています。その中心を担っているのが、健康スポーツコースの生徒たちです。また、全国的にも珍しいeスポーツ部も活躍しており、その影響もあって、経営情報コースも人気があります。しかし、少子化の波に押されて、倍率は年々低下。3年前には、大きな定員割れを起こしてしまいました。

昨年、校長として赴任し、何とか倍率を上げようと最大限の努力をしてきましたが、現実はそう甘くはなくて、本校にとっては、この高校改革は、まさに「待ったなし」のタイミングでした。

本校の改革の内容は、まず、普通科がなくなり、スポーツ探求科(体育科)1クラスと情報ビジネス探求科(商業科)4クラスという構成にすること。また、情報ビジネス探求科については、1クラス30人という少人数学級とすること。令和6年以降に通信制過程を新設することなどが主なものです。

「改革は、待ったなし」という状況とは言え、何かを変えていく時には、必ず、痛みも伴います。

今回の改革に伴う痛みは、二つあります。

一つは、少人数学級の実施による生徒数の減少です。情報ビジネス探求科が現在の40名から30名の定員になることで、1学年40名、3学年では120名の定員減となります。現在600名いる生徒がが480名となります。これは、部活動の活力の衰退や保護者会費の収入減による財政の悪化につながる恐れがあります。

もう一つは、大幅な教育課程の変更による教師への負担の増大です。今回の新設学科名がいずれも「探求科」という名前になっていることからもわかるように、改革後の教育課程では、「総合的な探求の時間」「課題解決探求」「教科探求」(名称はいずれも仮称)などの「探求の時間」を大幅に増やす予定にしています。これらには、教科書がありません。国語、数学、英語などの各教科や商業科の教師として教師生活を送ってきた先生方にとっても大きな挑戦となるわけです。

とはいえ、社会は大きく変化しています。「成長型社会」に求められた「ジグソーパズル型思考」から、「成熟型社会」で求められる「レゴ型思考」への転換が必須となっています。(このことについては、6月16日ブログ:読書のすすめ 「レゴ型思考」人間を目指して 後編 に詳述)そんな中での「探求科」への改革の方向性は正しい方向だと思っています。

また、熊本県内でも熊本商業、熊本工業など県内有数の伝統校として、高倍率を誇ってきた学校でも昨年度は、一部のコースで定員割れが起こるという現象もみられました。令和5年スタートというスケジュールには、厳しい部分もあるのですが、この状況の中でいち早く改革を行うことによって、必ず「先行者利益」が生まれるはずです。

これから、令和5年の改革元年に向けて、本校の先生たちにはたいへんなご苦労をおかけするとは思いますが、その苦労も「生徒の生き生きした表情をみられそうでワクワクします!」という雰囲気の中でともに過ごしていけるよう私に出来ることをしていきたいと決意をあらたにしています。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。いよいよ間近の金曜日。素敵な1日をお過ごしください。