YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

「学校がきれいになりましたね!」 数多き掃除の効能

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

昨日、うれしいことがありました。それは、学校の階段を歩いている時に一人の先生から声をかけられ、

「校長先生、いつも朝から掃除していただいて、ありがとうございます。そのおかげで学校がとてもきれいになったと思います。以前は、パンの袋とかお菓子の袋とか結構落ちてたんですよ。今、全然ありませんもんね。私は20年以上ここに勤めていますが、今の学校が一番きれいですよ。先生のおかげです。」

と言っていただきました。

この先生は、大ベテランの先生で本校で20年以上勤務されています。

毎朝、私が掃除をしている時に自転車で学校に来られ、

「校長先生、いつもありがとうございます。」

と声をかけていただいています。

私は、毎朝、15分ほどですが校門から生徒の自転車置き場までの100mくらいの通路の掃き掃除をしています。

その掃除だけで学校中をきれいにすることは、物理的には無理なお話です。しかし、たしかに、私が赴任した1年3か月前よりも確実に「学校中がきれいになっている」という実感はあります。

ここには、いくつかの心理学的・脳科学的な作用が働いています。

一つ目は、「割れ窓理論」です。

前述の先生の言葉によると、以前は、私が毎朝掃除をしている場所にパンの袋やお菓子の袋がよく落ちていたそうですが、今は全く見当たりません。人は、ごみがある場所にはごみを捨てがちです。これが「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓も壊される」という「割れ窓理論」です。ごみのないところにごみを捨てるのはちょっと気が引けるものです。なので、常にきれいにしておくと、そこはいつもきれいなままなのです。

二つ目は、「ミラーニューロン機能」です。

脳には、「いつも目にしていることを自然と自分も行ってしまう」という機能が備わっています。これが「ミラーニューロン機能」です。最初は、私一人ではじめた「朝掃除」でしたが、昨年から一人の若手の先生が毎朝掃除をしてくれています。そして、今年度は、野球部の1年生部員とマネージャーが、毎朝、校庭の草取りや生徒昇降口の掃き掃除、拭き掃除をしてくれています。全校の生徒たちが、その姿を毎朝目にするわけです。ここに「ミラーニューロン機能」が働き、全校生徒の掃除に対する意識が高まったと考えられます。

三つめが「シロクマ効果」の排除です。

これは、「皮肉過程理論」とも呼ばれていて、「何かを考えないように努力すればするほど、考えてしまうという現象を説明する理論」です。

本校の校舎は2014年に新築されており、築7年でとてもきれいです。しかし、赴任した当時は、生徒昇降口や階段付近にほこりが目立っていました。そう感じたときに、ちょっと気になったはり紙がありました。それは、

「ガムを捨てないでください。」

という生徒昇降口のはり紙です。生徒指導部の先生に話を聞いてみると、以前に生徒昇降口でガムを捨てる生徒がいたので、そこの掃除担当の先生がはり紙をされて、そのままになっているということでした。なので、現在の担当の先生の承諾を得て、そのはり紙をはがしました。もちろん、その後も生徒昇降口でガムが捨てられているのを目にすることは一度もありません。

このようにほんのちょっとしたことが、次々と「正の連鎖」を引き起こして、千原台高校がますますきれいな学校になり、生徒たちの明るさも増していきます。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。素敵な土曜日をお過ごしください。