どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
さて、毎日「メダルラッシュ」が続き、様々な感動のドラマが繰り広げられている東京五輪ですが、私の「イチオシ」男子サッカーも昨日、準々決勝でニュージーランドにPK勝ち。見事にベスト4進出を決めました!
というわけで、今日は、サッカーのPK戦に関する「私のPK論」をお話しします。
これは、サッカーの試合だけではなく、皆さんのお仕事の成功にも通じると思いますので、ぜひ、最後までお付き合いください。
私は、これまで選手、監督として数多くの「PK戦」を経験してきました。
選手時代の私のポジションはGK。PK戦では大きなカギを握るポジションです。現役時代、トーナメントの大会で試合が同点のまま進み、試合時間が少なくなってくるとともに私は、いつもワクワクしていました。その理由は、
「俺がヒーローになるときが近づいてきた!」
と考えていたからです。
GKというポジションは、どんなに試合中に好セーブを連発し、チームの勝利に貢献しても試合後の「ヒーローインタビュー」に呼ばれることはありません。Gkが「ヒーロー」になれるチャンスがあるのは、PK戦で勝利したときのみです。
昨日のサッカー中継でも、相手のPKをセーブしたGK谷選手が「ヒーローインタビュー」を受けていましたよね。
というわけで、現役時代の私のPK戦の勝率はかなり高かったと記憶しています。その理由は、私がPK戦に臨むときのメンタリティーが「メンタルヴィゴラス状態」だったからなんだと最近気づきました。「メンタルヴィゴラス状態」とは、脳内で大量の「ドーパミン」が分泌し、心がワクワクする最高のポジティブ思考の状態のことを言います。当時は、そんな知識は持ってなっかたのですが、今思えば、間違いなくPK戦に臨むときの私はこの状態でした。
また、監督としても多くのPK戦を経験しました。そこから導かれたポイントが二つあります。
一つ目は、
「PKの勝敗を左右するのは『余力』と『技術』である。」
というものです。
サッカーの監督や解説者の中には、
「PK戦になったら、あとは運しだい。監督に出来ることはない。」
という考えの人も多くいます。元日本代表のイビチャ・オシムさんは、PK戦になるとその様子をみることはなく、ロッカールームに下がっていたというのは有名な話です。
しかし、私の考えは違います。
まず、「余力」。これは、「フィジカル面」と「メンタル面」の余力があります。
「フィジカル面」から解説します。大人の試合でPK戦になるのは、フルタイムの90分、プラス延長戦の30分、計120分を戦い終えてからの勝負となります。この時点で足がつっていたり、足に疲労が蓄積していたりするとかなり不利になります。チームのエースと言われる選手がPK戦で外してしまうことが多い理由はここだと考えています。
次に「メンタル面」。これは、PK戦になったときにどれだけ「心の余裕」があるかです。また、「PK戦に持ち込んだ」という結果に満足してしまうとPK戦で勝利することは出来ません。昨日のニュージーランドは、そういう要素があったように思います。
「フィジカル面」でも「メンタル面」でも優位に立てるかどうかは、結局はそれまでの「積み重ね」の差であるということです。
あと一つのポイント。これを私はいつも小噺で表現します。
「野球とサッカー、その違いは数々あれど、サッカーのPK戦だけは野球に通ず。その心は『どちらも四番がポイントです』。」
これは、解説しないと???ですよね。(笑)
PK戦は、まず決められた5人が交互に蹴り、勝負がつかないときは、6人目以降が交互に蹴るサドンデス方式となります。最初に蹴る5人の中で最も重要なのは、何番に蹴る選手だと思いますか?
この質問をいろんな人たちにしてみると、「1番」「5番」という答えが多く聞かれます。
私の答えは違います。「4番」です。
PK戦にも様々な「流れ」があります。その「流れ」を左右するのが「4番」なのです。両チームの「4番」が、片方がゴールを決め、片方が外した場合、九分九厘決めた方のチームが勝利します。ですから、私が監督としてPK戦に臨むときは、最も信頼できる選手を「4番」に起用します。
つまり、「結果を残すためには、最も信頼できる人材をどこに起用するか」が大切だということです。
昨日の日本代表の「4番」は、キャプテンの吉田でした。
日本対ニュージーランド戦は、自宅のリビングで家族と一緒にテレビ観戦していました。家族は、みんなヒヤヒヤ、ドキドキでPK戦の行方を見守っていましたが、私は、自分の「PK論」から日本代表の勝利を確信し、落ち着いてPK戦を見届けました。
私の「イチオシ」男子サッカー日本代表は、ベスト4となり、次の準決勝では、いよいよ大会実力No.1のスペインと対戦します。この試合でも勝利してくれることを信じて、テレビの前から声援を送りましょう!
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。素敵な日曜日をお過ごしください。