どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
さて、皆さんもご存じ通り、私の「イチオシ」男子サッカー日本代表は、3位決定戦でメキシコに0-3と完敗を喫し、銅メダルを逃がしてしまいました。
今日は、このお話の前に、水球日本代表として13年間にわたり世界と戦い、この東京五輪を終えて、現役を引退する志水祐介選手のお話をします。
志水祐介選手は、熊本市の京陵中学校の出身。私も京陵中学校に9年間、体育教師、教頭、校長として勤務したご縁で知り合うことになり、時々メールのやりとりをするなどのお付き合いをさせてもらっています。
その志水選手が昨日、熊本に帰省し、母校である京陵中学校を訪問してくれました。
現在の京陵中学校の校長先生からもお声かけをいただき、京陵中学校の校長室にて、志水選手、現京陵中学校の校長、私の3人で対談をする機会を得ました。
いろんなお話をさせてもらったのですが、志水選手の言葉で心に残っているのは、次のような言葉です。
「このようなコロナの状況のもとで、東京オリンピックを開催していただけたことに本当に感謝しかありません。この気持ちは、私だけでなくオリンピックに出場した全選手が感じていると思います。」
「一番つらかったのは、世の中が『無観客にするか?本当に開催するのか?』と揺れていた時期でした。いろいろなものが自粛や中止となる中で、自分たちだけが『特別扱い』を受けてしまって良いのかと随分悩みました。」
そこで、私は
「オリンピックを開催してもらい、選手の皆さんのプレーの数々が多くの人たちの心に明るい光を灯してくれていると思います。本当にありがとうございました。」
と応えました。
そして、
「引退後の人生プランは?」
と尋ねると、
「ここまで水球に育ててもらった私ですから、水球から離れることは無理だと思っています。選手以外の何らかの形で水球に関わったり、水球のようなメジャーとは言えないスポーツの楽しさ、すばらしさを伝えていけるような仕事をしたいと思っています。」
と応えてくれました。
「次は、監督として日本代表を率いる日も来そうですね。」
と水を向けると
「将来的には、そうなったらいいなあとは思っています。」
と応えてくれました。
ロンドン、リオ、東京と3つのオリンピックに挑戦した志水選手の「選手としての五輪」は終わりました。しかし、一人の「スポーツマン」「水球マン」としての五輪は、まだまだ続くようです。そんな志水祐介さんをこれからも応援していきたいと思います。
さて、話をサッカーに戻しましょう。
「メキシコに敗れてメダルなし」という結果は、正直残念でたまりません。
今回の大会の日本の戦いぶりを振り返って痛感するのは、
「『ピーキング』の難しさ」
です。
「ピーキング」とは、自分たちのコンデションのピークをどこに持ってくるかという考え方のことです。
今回のチームのコンディションのピークは、結果的に「1次リーグ」となっていました。五輪やW杯のような世界的な大会で優勝するチームは、この「ピーキング」を決勝トーナメントに持ってきます。
とはいえ、それが出来るのは「全力で出し尽くさなくても1次リーグを勝ち抜ける」という「地力」があるから出来るのであって、結局は
「日本のサッカー界全体が、まだまだ力不足。」
というしかありません。
試合後に、日本サッカー協会の田嶋幸三さんにメールをさせていただきました。すると次のような返信をいただきました。
「私たちJFA(日本サッカー協会)は、まだまだやらなければならない事があると教えられました。頑張りましょう。ありがとうございました。田嶋」
まさに、田嶋幸三さんのおっしゃる通りだと思います。
このブログでもお話ししてきたように、今回の男子サッカー代表がどの角度から分析しても「過去最高の力を持つ代表」だったことは、間違いないと思います。それでもメダルに手が届かない。これが、今の「日本サッカーの現在地」ということになります。
この悔しさを肌で感じた久保建英選手をはじめとする今回出場した選手たちは、きっとこれをバネにして、さらに成長してくれるでしょう。
しかし、それを期待するだけでは「日本サッカー界の底上げ」は出来ません。
ということで、今日は、私も今から「熊本県サッカー協会」の一員として「C級指導講習会の講師」の仕事に出かけます。会場は阿蘇の高森町、車で2時間ほどの場所です。
サッカーに携わるすべての人たちが、「今、自分に出来ること」を積み重ねながら、次の2022年カタールワールドカップでの日本代表の活躍に胸をときめかせましょう!
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。素敵な土曜日をお過ごしください。