YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

あなたは「ニュータイプ」? 「ニュータイプの時代」山口周著を読んで…

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

さて、昨日の甲子園球場では、大会4日目の試合が行われ、地元熊本県代表・熊本工業高校長崎商業高校と第1試合で対戦しました。熊本県予選で我が千原台高校を撃破した強力打線は、13安打を放ちその力を示すものの4併殺などが響き、4-8で敗れてしまいました。

敗れはしたものの2年ぶりの甲子園で私たちに多くの感動をくれた熊本工業の野球部員たちには、心からの拍手を送りたいと思います。

というわけで、今日は甲子園の話題から離れて、最近読んだ本から感じたこと、考えたことをお話しします。

その本は、「ニュータイプの時代」山口周著・ダイヤモンド社です。この4月からのカウントして95冊目に読んだ本となります。

山口周氏は、慶應義塾大学哲学科を卒業後、電通、ボストンコンサルティング等で戦略策定、文化政策、組織開発などに従事したあと、「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」(光文社)で2018年ビジネス書大賞を受賞。その後、数々のビジネス書を出版し、現在は独立研究者、著作家として活動しています。

以前に「武器になる哲学」(KADOKAWA)を読み、彼の本の魅力を感じ、今回、この本を手に取りました。

筆者は、この本の冒頭で

「20世紀の後半から21世紀の初頭にかけて高く評価されてきた、従順で、論理的で、勤勉で、責任感の強い、いわゆる『優秀な人材』は、今後『オールドタイプ』として急速に勝ちを失っていくことになるでしょう。

 一方、このようなオールドタイプに対置される、自由で、直感的で、わがままで、好奇心の強い人材=『ニュータイプ』が、今後は大きな価値を生み出し、評価され、本質的な意味での『豊かな人生』を送ることになるでしょう。」(本著より抜粋)

と述べています。

20世紀の後半から21世紀の初頭を社会人として生きてきた私にとっては、かなりショッキングな主張です。

しかし、本書を読み進めるうちに彼の主張の正当性に納得していきました。

そして、自分自身が「オールドタイプ」から「ニュータイプ」へ生まれ変わっていくことの必要性を感じたのです。

筆者は、本書の中で「ニュータイプとして新時代を生き抜く24の思考・行動様式」を記しています。その中で、特に私が感銘を受けた二つをご紹介します。

一つ目は「能力は『意味』によって大きく変わる」という「意味のパワー」についての主張です。筆者は、経営資源として与えられるヒト・モノ・カネの中で可変性のあるのはヒトであり、ヒトの能力はそれを導くリーダーの「意味」の与え方によって簡単に増減すると言います。そして、オールドタイプのリーダーは「部下に目標値を与えKPI(重要業績評価指標)で管理する」。ニュータイプのリーダーは「部下に意味を与え、動機付ける」と主張します。

例えば、我々教師の世界でいうと多くの業務の中で「テストの点数を何点引き上げる」という目標設定をしても、教師に対してそこにやる気を持たせるのは難しいことです。なぜなら、そこに「意味」を持たせるのが難しいからです。しかし、体育大会や合唱コンクールなどの行事の指導等には高いモチベーションで臨む教師がいます。それは、その指導の後に成長した生徒の姿をイメージしやすく、そこに「意味」を自ら見出しているからです。

二つ目は、「ニュータープのリーダーは、共感できる『WHAT』と『WHY』を語る。」対して「オールドタイプのリーダーは『HOW』を示して他者に指示・命令する。」という主張です。

「何をするのか?」そして、それをするのは、「なぜなのか?」を示すのがリーダーの役割であり、それを示すことが出来れば「どのように行うか?」ということについては、フォロワーから様々なアイデアが出てくるものだいうことは、私にも経験があります。

今、千原台高校では、いくつかの案件について「プロジェクト形式」で取り組んでいます。

例えば「中学生が参加する体験入学(オープンキャンパス)の充実」です。

ここで私が示したのは「体験入学の中身を中学生を惹きつけるものへと刷新する。」という「WHAT」と、「体験入学は、中学生が受験校を選ぶときに大きな参考とする貴重な機会であり、そこが充実すると『千原台はいいよ』という『口コミ』につながる大きなチャンスだから。」という「WHY」でした。

すると、多くの若手教師を含むプロジェクトメンバーから「eスポーツ部を前面に押し出して、大型スクリーンのテレビゲーム対決で中学生を迎えよう」「オープニングイベントでダンス愛好会にステージで踊ってもらおう」「在校生に自分のコースの素晴らしさを語ってもらおう」などの様々な「HOW」が出てきて、運営する教師陣のモチベーションも上がりました。

これからも本書を参考に実践を重ね、自分自身を「ニュータイプのリーダー」へとブラッシュアップさせていきたいと感じました。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。素敵な火曜日をお過ごしください。