YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

前熊本市長・幸山政史著「コウヤマノート」に学ぶ

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

昨日も全国的に雨模様の天気で、甲子園大会は全試合中止。

また、千原台高校は今「熊本市教員採用試験2次試験」の会場となっているために、登校してくる生徒もほとんどおらず、生徒たちとの接触も「0」。ということで、今日も読んだ本から感じたことをお話しします。

今日の一冊は、「コウヤマノート」幸山政史著(熊日出版)です。

著者の幸山政史氏(以下幸山さん)は、前熊本市長。その略歴は、大学を卒業後就職し、銀行員となります。29歳で銀行を退職。熊本県議会議員選挙に立候補し、当選。その後、7年半の県議経験を経て、2002年に熊本市長選に立候補し、当選。37歳の若さで熊本市長となります。それから、3期12年の間に渡り熊本市長を勤めました。

その12年間の熊本市長時代を振り返って書かれたのが本書です。サブタイトルは「熊本市長4,383日の軌跡」となっています。

この本を読むと12年間の幸山市政のもとで、「ロアッソ熊本のJ2昇格」「九州新幹線の開通」「ゴミの有料化」「熊本城マラソンの開催」「サクラマチの再開発」「熊本駅周辺の再開発」そして「熊本市政令指定都市への移行」など、今の私自身の生活に大きく関わる様々なことがスタートしたり、実を結んだりしていたことを実感しました。

この本を手に取った理由の一つは、幸山さんとの個人的な面識です。

実は、幸山さんと私は、年齢は私の方が一つ上で、同じ高校の出身です。高校時代、私はサッカー部、彼は野球部に所属していました。ただ、高校時代にはそれほど接触はなくて、彼が「熊本市長」に立候補したときに

「あー、あれはたぶん野球部にいた高校の後輩だなあー。」

と思い出した程度でした。

熊本市長になった彼とはじめて会ったのは、2008年のことでした。当時、熊本市の中学校の教員としてサッカー部の指導をしていた私は「熊本市中学生サッカーチーム」の監督として、熊本市の友好都市であるドイツ・ハイデルベルグ市とのスポーツ交流事業に参加していました。この事業は、熊本市とドイツ・ハイデルベルグ市で一年おきに開かれており、熊本市で開催された翌年は、そこに参加した選手たちがドイツを訪れるというものです。その際に「熊本市長表敬訪問」が行われたのです。

その時は、いち中学校教員と市長ですから、

「私も同じ高校の出身で、学年は一つ上でした。サッカー部で一応キャプテンをやってました。」

と自己紹介。

「あー、あの南さんですね。」

と記憶の片隅には、残っていたようでした。

次に会ったのは、これも中学校のサッカー部監督時代です。私が勤めていた学校とお隣の学校を会場として「サッカー大会」を開いた時のことです。この時は、一つの学校から複数チームが参加できたので、お隣の学校で試合をしているチームの様子をみるために、歩いて移動していました。すると、その学校を訪れる指導者や保護者のために駐車場誘導係をしている人がいます。

「お疲れ様です。」

と声をかけると、そこで、びっくり!

駐車場係をしていたのは、幸山さんでした。

彼の息子さんがその学校のサッカー部に所属しているということで、保護者の一員として「駐車場係」をしていたのです。現役の市長が「駐車場係」をしているという図に驚くとともに、高校時代から全く変わらない彼の謙虚な姿勢に感銘を受けました。

彼が、市長を退任したあとには、同窓会関連の行事等でたびたびお会いするようになり、今日に至ります。

本書を読み進めると、彼がいかに誠実な政治家であり、熊本市の発展に大きく寄与してくれたかがよくわかります。

さらに読み進めるうちに「不思議なエピソード」を発見しました。

「決してうまくはないけれだ」というタイトルの項には、「母校の18年ぶりの甲子園出場を応援したこと」と「自らの高校時代・野球部の思い出」が綴られていました。

その一部を抜粋します。

野球部生活で、人生にとって貴重な経験をすることになりました。それは、高校2年生のこと。夏の予選が終わり、最上級生となった直後に、ある先輩から「マネージャーをやってくれ」との指令が下されました。私は「いよいよこれから」と意気込んでいただけにショックは大きく、なかなか受け止めることは出来ませんでした。とは言え、私にそう告げた先輩もマネージャーだったため、断りにくさもあり、しぶしぶ承諾しました。~中略~

この12年間、私は市長という、ある意味では「陽のあたる仕事」をさせてもらいました。それでも決して浮かれることなく、職員たちと汗をかきながら仕事をすることが出来たのは、実は高校時代のマネージャー経験があったからかもしれません。

(本書より抜粋)

幸山さんをマネージャーに指名したのは、熊本市立必由館高校を甲子園に導き、4名のプロ野球選手を輩出した高校野球界の名将、西田尚美先生だったのです。彼と私は高校の同級生。現在、彼は千原台高校野球部の監督となり、千原台高校の甲子園出場を目指して熱く指導してくれています。

幸山さんは、37歳で熊本市長となり6000人の職員のリーダーとして熊本市をリードしてくれました。西田くんは、高校野球の名将となり、今なお甲子園出場を目指して、熱い指導を続けています。私は、52歳で校長となり、今、西田くんとともに千原台高校野球部の甲子園出場をはじめ、様々な生徒たちの活躍を目指しています。

「退職までの間に、千原台高校の甲子園出場を果たし、そこに幸山前市長を招待して、一緒に応援したい。」

そんなことを夢見ながら、この本を読み終わりました。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。素敵な一日をお過ごしください。