YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

デルタ株の脅威 差し迫る「苦渋の決断」

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

今朝、新聞を開くとその一面に、私にとっては、かなりショッキングな記事が掲載されていました。

「三重国体 中止で調整」

という記事です。

昨年予定されていた「鹿児島国体」もコロナの影響で中止。そして、鹿児島県での開催は2023年に延期となりました。

今年の「三重国体」が中止となった際には、三重県での国体の開催は、日本スポーツ協会のルールに基づき2027年への延期になりそうだと報じられています。

そうなった場合の影響は多大であり、その中でも私が特に心配することは次の二つです。

一つ目は、大会出場に備えてきた選手、指導者への影響です。

日本では数多くのアマチュア選手たちが国体を目指して、日々のトレーニングを積んでいます。かつては、私自身もそんなアマチュア選手の一人であり、高校時代と社会人としての計3回、選手として国体に出場しました。

国体にはいくつか独特の制度があるのですが、その一つが「少年の部」と「成年の部」があるということです。これは、「国内の多くの年齢層のスポーツ選手に活躍の場を与えたい」ということです。

「成年の部」には年齢制限はないのですが、「少年の部」には年齢制限があります。

特に私が最も大きく関わるサッカー競技では「少年の部」の参加資格を「16歳以下」としています。つまり、ほとんどの選手にとっては、「国体少年の部」への出場チャンスは、「人生で一度きり」なのです。

国体のもう一つの特徴は「単独チームではなく、県の選抜チームで出場する」ということです。全国高校総体(以下インタハイ)や全国高校サッカー選手権(以下選手権)に出場できるのは、各県大会で優勝した一つの学校に所属する選手だけです。しかし、国体にはそこで敗れた選手たちも出場のチャンスがあります。

実際に、千原台高校の男女ハンドボール部もインタハイの県大会決勝で敗れて涙をのみましたが、男子2名、女子1名の選手が、熊本県選抜チームの一員として「三重国体」の出場を目指し、日夜トレーニングに励んでいます。いずれも高校3年生の彼らにとっては、これが高校最後の舞台となるはずでした。

もう一つの大きな影響は、三重県で地元開催に備えて進めてきた「準備」への影響です。

熊本県でも1999年に「熊本国体」を開催し、私自身も「役員」として大会の運営に関わりました。

地元にとっては「国体の開催」というのは、本当に大きなイベントであり、その「準備」には10年近くの歳月が費やされている場合もあります。

延期になるにしても鹿児島県の場合は3年後ということでしたので一部の「準備」は「継続」出来るかもしれませんが、今回の三重県の場合、延期しても6年後の開催ということで、かなり厳しいと思われます。

三重県の鈴木知事は会見で

「県民の命を守ることを最優先にした結論だ。」

「断腸の思い、苦渋の決断だ。準備してきたアスリート、指導者の皆さんにお詫び申し上げる。」

と陳謝した。と報じられています。

まさに「断腸の思い、苦渋の決断だ」と思います。

新聞一面のそのすぐ下には、

「子ども感染 各国急増」

の見出しが。

校長として学校を運営する中で、「生徒の学習機会」や「行事等での体験の機会」と「感染防止対策」の両立を掲げ、「感染対策に全力を尽くす中で、規模を縮小しての行事の開催」を行ってきました。

それでも、おかげさまで千原台高校では、これまでは教職員、生徒ともに一人の感染者も出ていません。

しかし、熊本県内の感染者数も連日「過去最高」を更新し、その多くがデルタ株へと変わってきていること。ワクチン接種を済ませている生徒は、まだ数人しかいないという現状を踏まえると、私にも「苦汁の決断」の時が迫っているのかもしれません。

校長として、「生徒、職員の命を守る」ということをしっかりと肝に銘じながら、決断していきます。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。素敵な日曜日をお過ごしください。