どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
さて、連日熱いドラマが続く東京パラリンピックですが、私にとって特に嬉しいニュースが二つありました。
一つは、「車いすラグビーの2大会連続での銅メダル獲得!」です。
リオパラリンピックで銅メダルを獲得し、今大会に「金メダルしかない!」という思いで臨んでいた「車いすラグビー日本代表」でしたが、惜しくも準決勝で英国に敗れてしまい、絶望の淵に突き落とされた選手たちでした。しかし、そこから立ち直り見事なプレーで強豪オーストラリアを再び破り、銅メダルを手にしました。
地元紙である熊本日日新聞の一面には、熊本県出身の島川、乗松両選手が笑顔で肩を組む写真が掲載されていて、二人のパラリンピックが笑顔で終わったことにホッとした気持ちになりました。
次のパリでのパラリンピックに向けて歩み続ける「車いすラグビー日本代表」をこれからも熱く応援していきたいと思います。
そして、もう一つ心を大きく揺さぶられたのが「ブラインドサッカー日本代表のパラリンピック初勝利!」です。
「ブラインドサッカー日本代表」は、ロンドンパラリンピック、リオパラリンピックともに出場まであと一歩と迫りながら出場権を逃がしていて、今回の東京パラリンピックが初出場となります。
その初戦となったフランス戦。フランスは予選リーグで対戦するチームの中で唯一世界ランキングが日本より格下のチームであり、まさに「絶対に負けられない戦い」でした。
そこで、2ゴールの大活躍を見せてくれたのが熊本県八代市出身の黒田智成選手です。
黒田選手とは直接お会いしたことはないのですが、熊本県の出身ということで熊本のJリーグチームであるロアッソ熊本のことを応援してくださっているということです。その関係で私も時々ゲスト解説をさせてもらっているFMくまもと「ロアッソリンクス」というラジオ番組のインタビューに応えていただいていました。
そんな黒田選手の先制ゴールは、右サイドからドリブルでセンターにカットイン。思い切り左足を振り抜いたシュートがゴールに突き刺さるというまさに「ビューティフルゴール」でした。
続く2点目は、右45度の位置から今度は右足でゴール左隅を狙ってのコントロール抜群のシュート。エースストライカーの2連続ゴールでチームは完全に波に乗りました。
このあとにも、背番号10を背負うチームのキャプテン川村選手の2得点でさらにフランスを突き放し、4-0の完勝で記念すべきパラリンピックでの初勝利を飾りました!
この大会でもう一つ嬉しいことがありました。それは、「ブラインドサッカー日本代表」が「男子サッカー日本代表(侍ブルー)」や「女子サッカー日本代表(なでしこジャパン)」が身に着けているのと同じユニフォームで登場してくれたということです。
今回のパラリンピックでは、「ブランドサッカー」のみが「障がい者サッカー」で唯一正式競技となっていますが、実は「日本障がい者サッカー連盟」には7つの競技団体が加盟しています。
「日本アンプティーサッカー協会(切断障がい)」
「日本CPサッカー協会(脳性麻痺)」
「日本知的障がい者サッカー連盟(知的障がい)」
「日本電動車椅子サッカー協会(重度障がい等)」
「日本ろう者サッカー協会(聴覚障がい)」
そして、
「日本ブラインドサッカー協会(視覚障がい)」
の7つです。
このすべての協会に「日本代表チーム」があり、それぞれの「世界大会」が開催されています。
しかし、残念ながら彼らが「世界大会」に出場するときのユニフォームに「日本サッカー協会所属チーム」の「日本代表」が着用するユニフォームを着ることは出来ていませんでした。(理由は、スポンサーとの契約の関係と聞いていますが…)
ですから、彼らにとって「侍ブルーやなでしこジャパンと同じユニフォームを着て、世界の舞台で戦いたい!」というのは、一つの悲願でもありました。
サッカー協会の指導者研修を通してそのことを知っていた私にとっては、彼らがそのユニフォームを身にまとって、パラリンピックの舞台に立ってくれたこと自体が感動でした。
次の対戦相手は、ブラインドサッカー界の絶対王者ブラジルです。フランス戦の勢いを自信に変えて、最高の戦いをしてくれることを信じて、熱い声援を送りましょう!
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。新しい週のスタート月曜日。熊本市の小中学校では2学期の始業式が行われます。皆さんにとって素敵な一週間のスタートとなりますように。