どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
さて、昨日は全国各地に出されている「新型コロナウイルス緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」が9月30日まで延長される方針が政府から発表されました。
私が住む熊本県でも「まん延防止等重点措置」の延長が決まり、千原台高校でも現在行っている「分散登校・オンライン授業」を来週以降どのようにしていくのかを決めなければいけません。
この点については、今、職員の意見も聞きながら検討を進めていますが、なるべく早い時期に方針を決定し、生徒・保護者にお知らせする予定です。
ですので、方針が決まり、生徒・保護者への連絡が出来た時点でその決定までの経緯等をこのブログでお話しします。
ということで、今日は最近読んだ本をもとに考えたことです。
今日の一冊は、「手にとるように心理学がわかる本(かんき出版)渋谷昌三・小野寺敦子著」です。
タイトルの通り、心理学の基礎的な知識を、専門家ではない私にもたいへんわかりやすく説明してあります。
まず、示されているのは、
「心理学とは『心を科学的に分析する』学問である。」
という心理学の定義です。
そして、
「心の研究はアリストテレスにはじまった」
「その後19世紀末頃に『心理学の父』ヴェントの学説が登場」
等々「心理学の現代までの系譜」が述べられています。
その後、
1 「人間の感覚」と心理学
2 「人間の成長」と心理学
3 「性格や感情」と心理学
4 「社会・人間関係」と心理学
5 「心の病気」と心理学
という章立てで心理学の各分野の見地から私たちの暮らしに有益な情報を提供しています。
その中で私が注目したのは、「4 『社会・人間関係』と心理学」の章にあった「『いじめ』には複雑な背景がある」という主張です。
その複雑さとは次の三つです。
一つ目は「いじめるという行為には、他人に心理的、物理的苦痛を与えることで満足を得るというサディズムの心理が潜んでいる」という点です。子どもたちが「むかつく」という理由でいじめ、いじめた結果「すかっとした」と感じるということが起こるのはこの心理から説明できます。
二つ目は、「いじめる心理と行動は、徒党を組むことで強化され『みんなで渡れば怖くない』という群集心理が働いて、一人では出来ない凶暴な行為に及ぶことがある」という点です。
この点については、教育現場で数々のいじめ事案を経験したなかで、まさにその通りと実感しています。
三つ目には、「いじめる側には、いつ自分がいじめられるほうに回るかという不安から、いじめをエスカレートすることで、その不安を打ち消そうとしている」という点です。
これも、実際にいじめの指導に当たってきて、いじめに加担したとされる子どもたちの心理には意識していたり、無意識だったりはしますが、必ず潜在している心理だと感じます。
そして、著者は「いじめる心理といじめられる心理は表裏一体の構造といえるのです。」とまとめています。
いじめる側、いじめられる側にはそれぞれに表裏一体の構造があるという社会心理学の見地をしっかりと理解して、今後の指導に当たっていきたいと思います。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。今日一日が皆さんにとって素敵な一日でありますように。