どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
以前のブログで、本校には多くの「外国にルーツを持つ子どもたち」が在籍していること。そして、その子どもたちの「日本語脳」「日本語力」を育てるために、ボランティアの先生や非常勤講師の先生のお力をお借りしていることをお話ししました。
今日は、その生徒たちの「その後」についてお話しします。
「日本語脳」を育てるという目的でボランティアの先生に指導を受けてきた生徒が二人います。
この二人は、3年生と2年生。高校入学以来、今回のようなサポートを受ける機会もなく「地力」で高校生活を送ってきていました。そのためにそれなりの「日本語力」はついているのですが、その受け応えは自信なさげで、いつも小さな声で話します。
それが、ボランティアの先生の指導を受ける中でめきめきと成長。見違えるような姿をみせてくるようになりました。
そんな中で、3年生のSさんにとっては、進路選択の時期がやってきました。
彼女の夢は「キャビンアテンダント」になることです。
そこで、そのような職業に就く人を要請する専門学校を受験しました。
結果は、見事に合格!
校長室に「受験報告書」の印をもらいに来てくれました。
「おめでとう!」
「面接は、どうでしたか?」
と尋ねると、
「はい。おかげさまで、大きな声で自信を持って答えることが出来ました!」
と満面の笑みで話してくれました。
「それは、良かったですね。ボランティアの先生にも私から報告しておきますね。」
「はい!」
と笑顔で校長室を後にしました。
ボランティアで指導をしていただいているのは、元地元放送局のアナウンサーであり、私の高校時代のサッカーの恩師でもある清原憲一さんです。
このブログに生徒たちのことを書いたのがきっかけで、 ボランティアをお引き受けいただき、1学期の間ご指導いただきました。
今は「分散登校・オンライン授業」を行っているので、まだ再開出来ていませんが、「通常登校」になったら、再びお願いしたい考えています。
そのお力添えに、心から感謝しています。
さて、あと一人、「まだ、ボランティアの先生からの日本語指導に参加できるだけの日本語力がついていない」ということで、日本語指導の非常勤講師の先生にお世話になっている生徒がいます。
彼女は、1年生で日本に来たのも中学2年生の頃ということなので、かなり日本語を理解したり、話したりするのが難しい状況です。
彼女の日本語指導を担当してくれているのは、井野成美先生。日頃は、専門学校で講師として、海外から来日した青年たちの日本語指導をされている日本語指導のプロの先生です。
私の高校時代の同級生であり、私から連絡をとり、非常勤講師としてご指導いただいています。
「夏休みのうちに、少しでも彼女の力を伸ばして、2学期の授業に参加させてあげたい。」
という井野先生からのご提案を受けて、日頃は週に1回の授業を夏休み中は、週に2回に増やしていただきました。
その授業に通う彼女の表情はいつも笑顔でいっぱいです。
「楽しいですか?」
と尋ねると、いつも満面の笑みで
「楽しいです!」
と応えてくれます。
そんな彼女が、今挑戦していることがもう一つあります。
それは、「全商英語スピーチコンクール・熊本県大会」出場に向けての練習です。
こちらにも、夏休みから練習に取り組み、「分散登校・オンライン授業」となった2学期も隙間の時間を利用して練習に取り組んでいます。
そんな中で、先日、校長室のドアがノックされました。顔を見せたのは指導している英語科の先生と1年生のHさんです。
「校長先生、Hさんがずっと『英語スピーチコンクール』の練習に取り組んできて、かなりに上手になりました。本番はマイクを使うということで、今からお隣の会議室で、はじめてマイクを使ってのリハーサルをしますので、お時間が許せば、一緒にみていただけませんか。」
「もちろん、大丈夫です。よろこんでご一緒させてください。」
会議室で、リハーサルが始まりました。
なんと素晴らしい発音!すばらしい表情!そして、素晴らしいボディーランゲージ!
彼女は、中学2年生で初めて来日した時の気持ち、その後の苦労、中学時代にお世話になった先生方への感謝、そして、これから日本社会で生きていくための覚悟と決意を全身で表現してくれました。
私は思わず立ち上がり、心からの拍手を送りました。
大会本番は、10月2日(土)。
そこで、さらに光り輝く姿をみせてくれることを楽しみにしています。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。素敵な木曜日をお過ごしください。