YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

早稲田大リーダーシップ研修に学ぶ 「フィードバック」の大切さと難しさ… (後編)

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

昨日のブログで、千原台高校で行っている「早稲田大学リーダーシップ研修」について、どういう経緯で始まったのかということを中心にお話ししました。

今日は「後編」として、その研修で学んだことをお話しします。

今回、千原台高校の教職員が受けたオンライン研修のタイトルは「権限によらないリーダーシップ教育」となっています。

教師は生徒にとって「教師である」というある種の「権限」を有しています。そのことに頼らずにリーダーシップを発揮できるようになるための研修というわけです。

この研修のゴールとして、次の3つが示されました。

① リーダーシップ教育の効果を再認識いただくこと

② 効果的なフィードバック方法を手に入れること

 (生徒への上手な声かけの仕方を学ぶこと)

③ ご自分の学校でのリーダーシップ発揮を明確にすること

研修を終えて、私が一番勉強になったと感じているのは、この中の②です。

ただ私の場合( )の中をこう読み変えて受講しました。

教職員への上手な声かけの仕方を学ぶこと)

です。

早稲田大学のリーダーシップ教育では、「リーダーシップとは、後天的なもので開発可能なもの」と捉えています。

そした、開発方法として次の4つを示しています。

① 実際に経験する(何かに本気で取り組む)

② 自分の行動にフィードバックを受ける

③ フィードバックを素材に振り返る

④ 改善計画を立てる→実際に行動してみる

これを繰り返すのです。

このことを「経験学習」と呼び、この積み重ねによってリーダーシップが形成されていくとしています。

ここでポイントになるのが、「フィードバック」という言葉です。

「経験学習」を有効にしていくためには「フィードバックの質」を高めることが求められるます。

この「フィードバックの質」を図る指標として示されたのが「ギャップマップ」でした。

人が人に何かに伝えると、その人が「伝えたいこと」と相手が「受け取ること」の間に「ギャップ」が出来るといことを示したのが、「ギャップマップ」です。

そして、その溝をいかに埋めるかということを学ぶことが、リーダーシップの向上につながるというわけです。

より良い「フィーダバック」にしていくための方法として「SBI法」が示されました。

S:Situation (どんな「状況」で)

B:Behavior (どんな「行動」が)

I:Impact  (どんな「影響」をしているか)

これを踏まえて「フィードバック」すると伝えることがより具体的になり、相手に自分の意図がより伝わりやすくなります。

そして、「フィードバック」の中身は2種類に分けられます。

「ポジティブフィードバック(褒める)」と「ネガティブフィードバック(叱る)」です。

どちらにも「SBI法」は、有効ですが、より慎重に行うべきは「ネガティブフィードバック」です。

今振り返ると、私の教師経験の中でも、この「ネガティブフィードバック(叱る)」を「SBI」を踏えずに行い、後悔したことがたくさんありました。

それは、具体的にいうと「頭ごなしの指導をし、生徒が全く納得しなかった」という場面です。当時の生徒たちには、本当に申し訳なかったと感じています。

しかし、このようなことを恐れて「フィードバック」することを避けていくわけにはいきません。

なぜなら、「教師から生徒への『フィードバック』」こそが生徒を育てる大きな手段であり、これこそが「教師の仕事」とも言えるからです。

そして、現在の私にとっては「校長から教職員への『フィードバック』」。これこそが「校長の仕事」と言い換えることも出来ます。

「今の私は、教職員に対して適切な『フィードバック』が出来ているだろうか?」

「私が『伝えたいこと』と教職員が『受け取ったこと』の間にギャップは出来ていないだろうか?」

と考えてみると反省すべき場面ばかりが頭に浮かびました。

「『フィードバック』の大切さと難しさ」を再認識する貴重な研修となりました。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。週末前の金曜日。

皆さんにとって素敵な一日になりますように。