どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
昨日のブログで、千原台高校で行っている「早稲田大学リーダーシップ研修」について、どういう経緯で始まったのかということを中心にお話ししました。
今日は「後編」として、その研修で学んだことをお話しします。
今回、千原台高校の教職員が受けたオンライン研修のタイトルは「権限によらないリーダーシップ教育」となっています。
教師は生徒にとって「教師である」というある種の「権限」を有しています。そのことに頼らずにリーダーシップを発揮できるようになるための研修というわけです。
この研修のゴールとして、次の3つが示されました。
① リーダーシップ教育の効果を再認識いただくこと
② 効果的なフィードバック方法を手に入れること
(生徒への上手な声かけの仕方を学ぶこと)
③ ご自分の学校でのリーダーシップ発揮を明確にすること
研修を終えて、私が一番勉強になったと感じているのは、この中の②です。
ただ私の場合( )の中をこう読み変えて受講しました。
(教職員への上手な声かけの仕方を学ぶこと)
です。
早稲田大学のリーダーシップ教育では、「リーダーシップとは、後天的なもので開発可能なもの」と捉えています。
そした、開発方法として次の4つを示しています。
① 実際に経験する(何かに本気で取り組む)
② 自分の行動にフィードバックを受ける
③ フィードバックを素材に振り返る
④ 改善計画を立てる→実際に行動してみる
これを繰り返すのです。
このことを「経験学習」と呼び、この積み重ねによってリーダーシップが形成されていくとしています。
ここでポイントになるのが、「フィードバック」という言葉です。
「経験学習」を有効にしていくためには「フィードバックの質」を高めることが求められるます。
この「フィードバックの質」を図る指標として示されたのが「ギャップマップ」でした。
人が人に何かに伝えると、その人が「伝えたいこと」と相手が「受け取ること」の間に「ギャップ」が出来るといことを示したのが、「ギャップマップ」です。
そして、その溝をいかに埋めるかということを学ぶことが、リーダーシップの向上につながるというわけです。
より良い「フィーダバック」にしていくための方法として「SBI法」が示されました。
S:Situation (どんな「状況」で)
B:Behavior (どんな「行動」が)
I:Impact (どんな「影響」をしているか)
これを踏まえて「フィードバック」すると伝えることがより具体的になり、相手に自分の意図がより伝わりやすくなります。
そして、「フィードバック」の中身は2種類に分けられます。
「ポジティブフィードバック(褒める)」と「ネガティブフィードバック(叱る)」です。
どちらにも「SBI法」は、有効ですが、より慎重に行うべきは「ネガティブフィードバック」です。
今振り返ると、私の教師経験の中でも、この「ネガティブフィードバック(叱る)」を「SBI」を踏えずに行い、後悔したことがたくさんありました。
それは、具体的にいうと「頭ごなしの指導をし、生徒が全く納得しなかった」という場面です。当時の生徒たちには、本当に申し訳なかったと感じています。
しかし、このようなことを恐れて「フィードバック」することを避けていくわけにはいきません。
なぜなら、「教師から生徒への『フィードバック』」こそが生徒を育てる大きな手段であり、これこそが「教師の仕事」とも言えるからです。
そして、現在の私にとっては「校長から教職員への『フィードバック』」。これこそが「校長の仕事」と言い換えることも出来ます。
「今の私は、教職員に対して適切な『フィードバック』が出来ているだろうか?」
「私が『伝えたいこと』と教職員が『受け取ったこと』の間にギャップは出来ていないだろうか?」
と考えてみると反省すべき場面ばかりが頭に浮かびました。
「『フィードバック』の大切さと難しさ」を再認識する貴重な研修となりました。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。週末前の金曜日。
皆さんにとって素敵な一日になりますように。