YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

教員採用試験・結果発表! 35年前、遠き日の思い出(前編)

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

昨日、熊本県教育委員会熊本市教育委員会より「令和3年度教員採用試験」の選考結果が発表されました。

この試験に向けて、13人の若者が私のもとで「2次試験対策」に臨んでいました。

彼らの結果は、13人のうち10人の合格となりました。

全員の合格を祈っていましたので、3人の若者が厳しい結果となり残念です。

3人は、今回の悔しさを糧に捲土重来を期し、来年こそは悲願を果たすべく、1年後にさらに成長して私のもとを訪ねてくれることを信じたいと思います。

ただ、平均倍率2倍以上の2次試験の中でのこの結果は、確率論的にはかなりの好結果と言えます。

合格した10人の皆さん、おめでとう!

というわけで、今日は35年前にさかのぼり、私自身の「採用試験の思い出」をお話しします。

35年前、私は熊本県教育委員会の「小学校」を受けました。

一番なりたかったのは、「中学体育」だったのですが、「小学校」にしました。

理由は二つあります。

一つは、「中学体育」の実技試験にある「高鉄棒での蹴上がり」が出来なかったこと。

もう一つは、「小学校」の方が倍率が低くて合格しやすいと考えたからです。

いかにも、当時の私らしい安易な選択です。

しかも、その当時は、まさに「バブル時代の絶頂期」。有名企業は大卒新人を奪い合い、内定を出した学生が他の会社を受けないように、内定者は全員そろって「温泉旅行」に招待され、他社の採用試験が終わるまで「隔離」されるというような、今ではとても考えられない「超売り手市場」の就職戦線でした。

当然、「教員採用試験」の倍率も低く、大卒で受験する「保健体育科」の仲間、約20人ほどの中で「不合格」となるのは、1~2人という時代でした。

そんな、ゆるーい時代だったにもかかわらず、採用試験当日の朝はかなり緊張していました。

前日の夜はよく眠れず、家を出る前には、仏壇に手を合わせたあとに「栄養ドリンク」を一気に飲み干して、試験会場に向かいました。

私は、元来、楽天的な性格で、それまでの人生でも「高校入試」「大学入試」「運転免許試験」などを経験していましたが、これほど緊張したことはありませんでした。

今思えば、その理由は、私の中に「大きな不安」があったからだと思います。

その「不安」とは、「小学校」の採用試験に含まれる「ピアノ」でした。

小学校では、当時も今も、基本的には、担任がすべての教科の授業を受け持ちます。

なので、2次試験の試験科目は「集団面接」、「体育実技(マット運動・水泳)」、「ピアノ」となっていました。

元来、おしゃべりで人前で話すのが大好きな私は「集団面接」は「得意種目」です。

「体育実技」も曲がりなりにも「保健体育科」を卒業するわけで、小学校レベルであれば、何の問題もありません。(高鉄棒は苦手でしたが、マット運動は得意でした。)

問題は「ピアノ」です。

「ピアノ」の試験では、「バイエル教本・下巻」から、いくつかの「曲番号」が指定されて、その中の1曲を弾くことになっています。ちなみに、「バイエル教本・下巻」には「44番」から「106番」までの曲があり、その中からいくつかの「曲番号」が指定されます。

幼少期から音楽に親しんだ経験が浅く、もちろん音楽の授業以外でピアノを習った経験などなかった私にとっては、「超高ハードル」の課題です。

「何事も、まずは、情報収集!」ということで、前年度までに「小学校」で合格していた「保健体育科」の先輩たちに、どうやって「ピアノ」の試験を乗り切ったかを尋ねてみました。

すると、こういう答えが返ってきました。

「『ヤマ』張るしかなかばい(ないぞ)!」

「『44番』から『106番』まで、全部練習するとか無理だけん(だから)、2つか3つ練習しとけ!」

「それで、もし、当日その番号が出てなかったら、『すみません。○○番を練習してきましたので、○○番を弾きます!』と言って、それば弾くとよか(弾けばいいよ)!」

「その作戦で成功した先輩も何人もおるけん(いるから)、心配すんな!」

「ちなみに、オススメの一番は『66番』。次にオススメは『99番』ばい(だよ)!」

何と素晴らしいアドバイス

というわけで、私は(正確には、私と一緒に「保健体育科」から「小学校」を受ける音楽が苦手な「愉快な仲間たち」は)、とにかく「66番」と「99番」だけを徹底的に練習しました。

すると、やはり「66番」の難易度はさほど高くなく、何とか曲の最後まで行きつくレベルになりました。「99番」は、「66番」よりやや難易度が高く、最後までたどり着けるのが、2回に1回というレベルです。

そして、運命の「曲番発表」!

選ばれた5つの「曲番」の中に・・・

「66番」は・・・

ありません。

「99番」は・・・

ありました!

しかし、ここは「試案のしどころ」です。

「66番」なら、自信を持って弾けるのですが、「99番」は2回に1回のレベルです。

これまでも一緒にピアノを練習し、当日も一緒に行動していた「保健体育科」の同級生と思わず顔を見合わせました。

「どうする?」

「すみません!」と謝って、「66番」を弾くか?

不安を抱えつつも、課題曲になっている「99番」を弾くか?

まさに、究極の選択を迫られました・・・

 

ということで、かなりの字数になってきましたので、この続きは、明日の「後編」でお話ししますね。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。今日一日が皆さんにとって、素敵な一日になりますように。