どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
昨日行われたJ3リーグ第21節、ロアッソ熊本対藤枝MYFCの一戦は、ロアッソ熊本が3-2で勝利し、5連勝を飾るとともに勝ち点を39とし、首位の座を守りました!
90分のうちの80分間は、
「内容、結果とも今シーズンのベストゲーム!」
と言えるすばらしいパフォーマンンスでした。
その後、立て続けに2失点して、
「何とか逃げ切る薄氷の勝利」
となりました。
今日は、この試合を振り返り、今のロアッソ熊本の「強さの要因」と「今後の課題」についてお話しします。
まずは、ロアッソ熊本の先発メンバーです。
GK 内山
DF 黒木、菅田、酒井
MF 上村、河原、竹本
FW 杉山、高橋、伊東、ターレス
前節からの入れ替えは、GKが佐藤から内山に変わっています。佐藤選手はベンチにも入っていなかったので、ケガによる入れ替えだと思われます。内山選手は、後半戦の初戦、長野戦に続き、今シーズン2試合目の出場です。
対する藤枝MYFCの注目選手は、MF鈴木惇。アビスパ福岡のユースからトップチームに昇格し、J1での出場経験も豊富なベテランです。彼は、ジュニアユース(中学生)時代からナショナルトレセンや世代の代表に選ばれる「エリート選手」でしたので、私も中学生の頃の彼のプレーをよく観ていました。このチームでも「中盤として欠かせない選手」として活躍しています。
試合は、立ち上がりからロアッソのペースで進みました。ボールを保持しながら攻め続けた前半37分、相手陣内の右サイドでFKを獲得します。このFKはドリブルで抜け出したFW高橋を相手選手が後ろから倒す反則で得たものです。
FKを蹴るのは、FW杉山。左足から放たれたインスイングのボールは、相手ゴール方向へ弧を描きながら飛んでいきます。そこへ飛び込んだのはFW高橋でした。しかし、惜しくも高橋の頭には合わず、その頭上を越えたボールは相手選手の足に当たり、そのままゴールへ。相手のオウンゴールでロアッソが先制しました。
前半はこのまま終わります。前半のシュート数は、ロアッソの6本に対して藤枝は0。全く危なげのない内容でロアッソが支配した前半でした。
後半に入ると、藤枝も反撃に出ます。後半4分には、鋭いシュートを放ちますが、ここは、ロアッソGK内山が見事なセーブをみせて防ぎました。
後半に入り、一進一退の展開となっていた後半15分、ロアッソの追加点が産まれます。ペナルティーエリア内で縦パスを受けたMF竹本。そのまま前を向き、右足でシュート。本人にとってプロ入り初となる記念すべきゴールを奪いました。
続く後半35分には、相手DFがGKへパスしたボールを途中から交代出場していたMF坂本がかすめ取り、そのままゴールへ向かってドリブル。相手GKの頭上を抜く見事なループシュートを決めて、3点目を奪います。坂本選手にとっても、これがプロ入り初ゴールです。
ここまでの試合は、間違いなく、
「内容、結果ともに今シーズンのベストゲーム!」
でした。
しかし、このあと試合は思わぬ方向に展開します。
3点目を奪った直後のプレー。自陣でパスをつないでいたところに相手にプレスをかけられてボールを失うと、そのまま右サイドをドリブルされて、逆サイドにクロスを送られ、ボレーシュートで1点目の失点。
その3分後には、自陣右サイドで縦パスを通され、今度はグランダーのクロス。これを再び1タッチでシュートされて、2点目を失います。
その後も藤枝の猛攻を受けますが、何とかしのぎ切り、3-2の1点差で薄氷の勝利を手にしました。
さて、この試合を振り返って感じるのは次の2つです。
① 攻撃、守備ともにチームの完成度が上がっている。
② 相手にペースを握られ始めるとまだ危うい部分もある。
何度も言いますが、試合開始から1点目を奪われるまでの80分間は、ベストなゲームでした。ここまでをみて感じたのが①です。
しかし、1失点。その3分後には、次の失点をしてしまいます。ここで感じたのが②です。1失点してからは、攻撃から守備への切り替えが明らかに遅くなっていました。これは、大きな課題です。
ただ、このあと、チームの成長を感じる場面を目にしました。
それは、キャプテンの河原を中心に自陣に11人の選手が集まり、何やら言葉を交わしていたのです。
キャプテンの河原が、
「失点は自分のせい。切り替えていこう!」
と全員を鼓舞したということでした。
相手は、2点を奪い、「早く次のプレーを再開しろ!」と息巻いています。こういう雰囲気の中で、この河原の行動がチームに「絶妙の間」を与えてくれました。
ここに、課題とともに「大人のチームへの成長」を感じました。
残りは、9試合。大混戦のJ3リーグですので、まだまだ油断は出来ません。
続くアウェイでの2試合も連勝し、ホームに帰ってきてほしいと思います。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。週の初めの月曜日。皆さんにとって素敵な一日になりますように