YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

学び続ける教師の姿… 成長する生徒の姿…

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

10月25日(月)から11月5日(金)までの2週間に渡って行っている「校内行事」があります。

それは、「研究授業旬間」です。

この2週間の間に、各教科の代表の先生方や初任3年目以内の先生方など10名の先生方が「研究授業」を行います。

「研究授業」というのは、教師の授業力を高めることを目的として行うもので、まずは、その授業をどのように行うかというプランニングをします。

そのプランニングを記したものを「学習指導案」と言います。

プランニングするのは、1時間の授業についてだけではありません。まずは、その単元(生徒が学習する内容の一つのまとまり)全体のプランニングをし、その中で、「研究授業」として行う1時間の授業の内容を詳しくプランニングして、「学習指導案」に書き込みます。

学習指導案の作成」→「研究授業の実施」という経験は、「教師修行」には欠かせない経験であり、はじめての「教師修行」である「教育実習」に取り組む学生などにとっては、これが実習期間の最大の難関となります。これが、終わるまでは、ほぼ徹夜のような状態で臨むのが、教育実習生の常となります。

もちろん、これまでにもこういった「教師修行」を重ねてきている本校の先生方ではありますが、「学級経営」、「部活動指導」、「各種検定へ向けての指導」等の日常業務を行いつつ、「研究授業旬間」を行い、数多くの先生方が「研究授業」に臨んでいる千原台高校の先生方の「学ぶ姿勢」を大変ありがたく、また、嬉しく思っています。

月曜日にそのトップバッターとして授業を行ったのは、保健体育教師で本校赴任2年目の先生でした。

単元は「サッカー」です。

体育の授業でサッカーなどの球技を行う際に指導する教師にとって難しいのは、「生徒間の技能の差」です。

授業を受ける生徒の中には、「サッカー部で中心選手として活躍している生徒」もいれば、「スポーツ経験の少ない生徒」もいます。

そんな中で、今回の「研究授業」では、サッカー部の生徒たちを各チームのリーダーとしてチーム編成を行い、「スポーツ経験の少ない生徒たち」もいきいきとプレーできるように工夫されていて、素晴らしい授業になっていました。

続いて昨日行われた「研究授業」は、英語の授業でした。こちらは、「初任者研修」の一環として行われました。

内容は、各班ごとに世界の様々な国について生徒たちがグループごとに調べ、それを英語で「プレゼン」するという内容でした。

8つの班を編成し、ロシア、ノルウェー、カナダ、オランダ、フランス、韓国、フィンランドベトナムといった国々について、班ごとに「プレゼン」しました。

このような形式で授業を行う際に注意すべき点は、「班の中で『お客さん』になってしまう」生徒を作らない」ということです。

「研究授業」の後には「合評会」という、授業の反省会を参観者で行います。私は、他の業務があったので、昨日の「合評会」には参加していなったのですが、「合評会」が終わったあとに、授業者の先生が校長室を訪ねてきました。

「校長先生、授業を参観いただき、ありがとうございました。何か授業についてアドバイスをいただければと思い、参りました。」

「研究授業、お疲れさまでした。では、まず、合評会ではどんな話題が話され、そこで、先生は何を学んだかを教えてもらっていいですか。」

ということで、「研究授業」、「合評会」について本人に振り返ってもらいつつ話を進めました。

その中で嬉しく感じたのは、授業者から、

「普段は、とてもおとなしく、あまり会話をすることがない生徒がいて、私は『プレゼン』の時には『クリック係』になってしまうのではないかと心配していたのですが、今日の授業では、堂々と発表してくれて嬉しかったです。」

という言葉が聞けたことでした。

この授業で「お客さん」を作られなかったということです。

この2時間の「研究授業」を参観して、さらに嬉しかったことがもう一つありました。

それは、一人の生徒の成長した姿です。

たまたま、この2時間の授業は、同じクラスで行われたために、「サッカーの授業に取り組む姿」と「英語の授業に取り組む姿」を目にすることが出来ました。

彼は、以前に私が校長をしていた中学校の出身であり、当時は、特別支援学級に在籍していました。

私は、その中学校でも「朝掃除」をしていたのですが、彼はよく

「校長先生、僕も手伝います!」

と言って、ほうきを持ってきて、一緒に掃き掃除をしてくれていました。

そんな彼と再会したのは、昨年の夏「体験入学」を開催した時でした。誰よりも早く千原台高校にやってきて、「体験入学」に参加してくれていました。

「久しぶりだね。来てくれてありがとう。千原台を受験しようと思ってくれているのかな?」

と声をかけると、

「はい。千原台に合格して、eスポーツ部に入りたいと思っています!」

と中学時代と変わらぬ笑顔で応えてくれました。

その後、千原台高校を受験して見事に合格!

毎日元気に自転車で登校し、授業やeスポーツ部での活動に励んでいます。

そんな彼の「研究授業」での姿に感動しました。

サッカーの授業では、「経験の少ない生徒」の一人ですが、必死にボールを追いかけて

爽やかな汗をかいていました。授業後に昇降口で会ったので、

「サッカーの授業はどうでしたか?」

と尋ねると、

「楽しかったです!」

と笑顔で応えてくれました。

英語の授業では、誰よりも大きな声で、はきはきとした発音で、英語の「プレゼン」をしていました。ALT(外国人英語教師)の先生からの好評で名前を挙げられるほどの活躍ぶりでした。

「学び続ける教師」のもと、「成長し続ける生徒」の姿があります。

さらに、こんな姿をたくさんみられる学校にしていきたいと思います。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように。