どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
11月2日(火)、熊本県立菊池高校で行われた「研究発表会」に参加して来ました。
この会の正式名称は、
「令和3年度国立教育政策研究所『教育課程研究指定校事業(商業)』に係る研究協議会」
と言います。
つまり、菊池高校が、文科省からの「研究指定」を受けており、その成果を発表するための会ということです。
菊池高校では、多くの学校が「コロナ禍での研究指定は無理です」と言って辞退する中で、あえて2年間の「研究指定」を受けて取り組んで来たそうです。
私が、この「研究発表会」に参加しようと思った理由は、二つあります。(校長が「研究発表会」に一般参加者として参加するのは珍しいのですが…)
一つ目は、同じ「商業科」を有する学校の「商業の授業」に関する研究であり、千原台高校の今後の学校経営に活かせると考えたからです。
もう一つは、菊池高校の奥園栄純校長が大学時代の同級生であり、日頃から多方面の相談に乗ってもらったりして、お世話になっているからです。
やはり、「研究発表会」を催す側からすると「一人でも多くの参加者に来てほしい」
と考えるものです。ですから、奥園校長への「恩返し」という気持ちもこめて参加することにしました。
奥園校長と私は、同じ大学の同じ学科の出身です。私たちが卒業したのは、「保健体育科」。ともに「体育教師」になることを目指して、大学時代を過ごしました。
私はサッカー部に所属し、彼はハンドボール部に所属していました。お互い酒を飲むのが大好きだったので、大学周辺の居酒屋でよく一緒に酒を飲みました。そんな彼は3年生の頃、大学内の大役を引き受けることになりました。
それは、「体育会会長」という役職でした。
大学には、「スポーツや文化を気軽に楽しもう!」という「サークル活動」と「スポーツや文化活動に真剣に取り組み、高みを目指そう!」とする「体育会系部活動」の2種類の活動があります。
その「体育会系部活動」のまとめ役となるのが、「体育会会長」です。
元々、親しみやすい性格で、誰とでもフランクに接することが出来、親分肌でもあった彼にピッタリの役職でした。彼は、卒業までその大役を全うして、教員となりました。
その後の「教員界」での彼の経歴は、「異例」です。
「合格しやすい」という理由で「小学校教員採用試験」を受け「小学校の教師」として教員生活を始めた私と違い、彼は、特別支援学校での1年の「講師生活」を経て、「中学校体育教師」として、教師生活をスタートしました。
そして、3年間勤めた後の「3年再配」と言われる「定期異動」で、何と「熊本県教育委員会指導主事」となりました。
普通は、40代の半ばくらいで「指導主事」となり、3年ほど「指導主事」を勤めて、「教頭」として現場に戻るというのが、よくあるパターンです。
そんな中で20代。しかも、教職経験3年での指導主事への異動は、だれも驚く「大抜擢」でした。
その後、2001年の熊本国体が終わるまでの10年近く、「指導主事」として「教育行政」に関わったのち、「高校の体育教師」として現場に戻ります。
そして、2つの高校で「体育教師」として勤めた後は、再び「熊本県教育委員会」に異動となり「教育委員会の管理職」として活躍しました。
それと同時にハンドボール協会の役職も歴任し、2019年に熊本で開催された「世界ハンドボール選手権大会」を大会のリーダーとして牽引しました。
そして、昨年度、私が千原台高校の校長に異動するのと時を同じくして、菊池高校の校長に着任しました。
皆さんもご存じの通り、中学校の校長から高校の校長へと異動し、高校での「教師経験」がない私にとって、彼はとても頼りになる相談相手です。
また、現在も彼が「ハンドボール協会・理事長」という役職を勤めていることから、千原台高校のハンドボール部の応援に行けば、必ず彼も来ていて、一緒に試合を観戦します。
さて、肝心の「研究発表会」の内容ですが、これは、一言で言うと「素晴らしい!」につきる内容でした。
はじめに行われた「研究授業」は、「財務会計Ⅰ・損益計算書」という授業でした。
10月30日(土)に行った「販売実習」での「売上」や「支出(経費)」を計算し、「損益計算書」の「妥当性」を学ぶという内容です。
千原台高校でも例年「千原台マーケット」という「販売実習」を行っていたのですが、「コロナ禍の開催は無理」とうことで、この2年間「中止」にしました。
そのような状況で「販売実習」を開催し、それを授業につなげていることが、素晴らしいと感じました。
また、自らの実体験とつながっている題材を学んでいることもあり、どの生徒も目を輝かせて授業に参加しており、まさに「理想の授業!」だと感じました。
続いて行われた「研究協議」では、菊池高校のこれまでの活動についての「指定校事業研究発表」が行われました。
これを聞いて、どのような取り組みを経て、先ほど見せてもらった素晴らしい「研究授業」が成立したのかがよく理解出来ました。
特に、素晴らしいと感じたのが「菊高ジャック」というイベントへの取り組みです。
菊池市役所、商工会議所などの関係機関と連携し、「菊池市を盛り上げよう!」という目的のイベントを高校生が主体となって開催したのが「菊高ジャック」です。
菊池市長に協力を依頼して、市長にも出演してもらっての「PR動画づくり」や「高校生が主催する『婚活イベント』」などは、話題性も高くて、度々、地元のテレビニュース等にも取り上げられました。
このような経験を積んだ生徒たちは、一様に「自己有用感」を高めており、各種アンケートの結果の数値も見事に上昇していました。
ここで学んだことを千原台高校の学校経営にも取り入れて、同じ「商業科」を有する高校として、切磋琢磨していきたいと思います。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように。