YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

「校則の見直し」進行中! 生徒会役員が参加してワークショップを開催(前編)

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

現在、熊本市立のすべての小学校・中学校・高校では、「校則の見直し」が行われています。

現在の校則の在り方に課題意識を持つ「熊本市教育委員会」の声掛けにより、「校則の見直し」がされることになり、その「進め方の条件」として、「すべての教職員、生徒、保護者の意見を取り入れること」とされています。

千原台高校でも、そのような形で「今年度中の見直し」を目指して、現在、いろんな活動を行っています。

そのような中で昨日行われたのが、「生徒会役員が参加する『校則の見直し』に向けてのワークショップ」です。

ここで、ファシリテーターを勤めてくださったのが、一般社団法人「生徒会活動支援協会」の理事長で、千原台高校の「校則見直しアドバイザー」を勤めていただいている高橋亮平さんです。

高橋さんは、地方自治体の議員を務められたり、大学で教鞭をとられたりした経験もお持ちで、さらに「18歳選挙権制度」を主導されたことでも知られる幅広い分野でご活躍の方です。

高橋さんのファシリテートによって、生徒会役員の生徒たちが「校則について考え、議論する」すばらしい時間でした。

今日は、その模様をお話しします。

まず、高橋さんが示されたのは、「千原台高校の校則の現状」です。

今回「校則の見直し」を進める中で、最初にぶつかったのが「校則ってどれ?」という問題でした。

お恥ずかしい話なのですが、千原台高校では「これが校則では?」と思われるものが、3つありました。

それは、

① 新入生のしおり

② 教職員内規(4月の職員会議で教職員が共通理解した資料)

③ 生徒心得

生徒たちが「校則」と認識しているのは、①「新入生のしおり」に書かれた内容です。ここに書く内容については、4月の職員会議で教職員間の共通理解を図った②「教職員内規」の内容が盛り込まれています。

そして、この二つについては、毎年「見直し」が行われており、年を追うごとに少しずつの変化がみられていました。

ところが、この二つは、いずれも「新入生や保護者に伝える」、「教職員が共通理解する」という目的で作られたものであるために、本来は「校則」に書かれるべき事項が何も書かれていません。それは「校則を改める際の手続き」や「生徒会に関する規定」などです。

唯一、それらのことが書かれていたのが③の「生徒心得」です。かつては、この「生徒心得」を「生徒手帳」に掲載していたようですが、5年前に「生徒手帳」を廃止した時点でそのままになっており、今回の「校則の見直し」を進める中で「発見」されたといういきさつがあります。

まずは、この事実を生徒たちに伝えられました。そして、生徒たちに、

「本来の『校則』の形を一番持っているのは、どれだと思う?」

と問われると、生徒たちは、

「③の『生徒心得』だと思います。」

と答えました。

「そうですよね。私もそう思います。ただ、残念ながらこの『生徒心得』は、5年前の時点でストップしていて、今、皆さんが『校則』だと思って、守って生活している実態と離れてしまっています。そこで、今ある『新入生のしおり』や『教職員内規』に書かれていることを『生徒心得』の中に盛り込んでいき、皆さんの生活に即した『校則』を作ることから皆さんの作業は、始まります。」

「そして、それを元にして、全校生徒の皆さんで『校則の見直し』について話し合いを行う際のリーダーになってもらわないといけません。」

「そして、そのすべてを『今年度中』、つまり『令和4年3月31日』までに終えないといけません。」

生徒会役員の生徒たちの表情が引き締まりました。

次に、話されたのが、

「ところで、『生徒会』っていつ始まったと思いますか?」

生徒たちは、しーんとしています。

縄文時代平安時代?江戸時代?ヤマ勘でもいいですよ。言ってみてください。」

「明治時代」

というつぶやきが聞こえました。

「おー、惜しい!」

「実は、昭和の後半。終戦後にGHQが作りました。『戦後の民主化政策』の一環として生徒会が作られました。ちなみに、これと同時に作られたのが『PTA』です。つまり、学校の運営に『生徒や保護者にも関わってほしい』という民主主義の考え方が、学校に入ってきたということです。」

私たち教職員も日頃は、意識していない知識でした。

次に、「18歳選挙権制度の成立にも、当時の高校生が関わっていたいこと」、「世界のトップレベルの『生徒会』の様子」などをお話しいただき、「前半」が終了しました。

このあと、「後半」に入り、実際に生徒たちが自分の意見を出し合う「ワークショップ」が始まるわけですが、かなりの字数になりましたので、その模様は明日の(後編)でお話しします。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日は、これから、久留米競輪場で行われている「九州新人自転車競技大会トラックの部」の応援に行ってきます。

今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように。