どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
現在、熊本市立のすべての小学校・中学校・高校では、「校則の見直し」が行われています。
現在の校則の在り方に課題意識を持つ「熊本市教育委員会」の声掛けにより、「校則の見直し」がされることになり、その「進め方の条件」として、「すべての教職員、生徒、保護者の意見を取り入れること」とされています。
千原台高校でも、そのような形で「今年度中の見直し」を目指して、現在、いろんな活動を行っています。
そのような中で昨日行われたのが、「生徒会役員が参加する『校則の見直し』に向けてのワークショップ」です。
ここで、ファシリテーターを勤めてくださったのが、一般社団法人「生徒会活動支援協会」の理事長で、千原台高校の「校則見直しアドバイザー」を勤めていただいている高橋亮平さんです。
高橋さんは、地方自治体の議員を務められたり、大学で教鞭をとられたりした経験もお持ちで、さらに「18歳選挙権制度」を主導されたことでも知られる幅広い分野でご活躍の方です。
高橋さんのファシリテートによって、生徒会役員の生徒たちが「校則について考え、議論する」すばらしい時間でした。
今日は、その模様をお話しします。
まず、高橋さんが示されたのは、「千原台高校の校則の現状」です。
今回「校則の見直し」を進める中で、最初にぶつかったのが「校則ってどれ?」という問題でした。
お恥ずかしい話なのですが、千原台高校では「これが校則では?」と思われるものが、3つありました。
それは、
① 新入生のしおり
② 教職員内規(4月の職員会議で教職員が共通理解した資料)
③ 生徒心得
生徒たちが「校則」と認識しているのは、①「新入生のしおり」に書かれた内容です。ここに書く内容については、4月の職員会議で教職員間の共通理解を図った②「教職員内規」の内容が盛り込まれています。
そして、この二つについては、毎年「見直し」が行われており、年を追うごとに少しずつの変化がみられていました。
ところが、この二つは、いずれも「新入生や保護者に伝える」、「教職員が共通理解する」という目的で作られたものであるために、本来は「校則」に書かれるべき事項が何も書かれていません。それは「校則を改める際の手続き」や「生徒会に関する規定」などです。
唯一、それらのことが書かれていたのが③の「生徒心得」です。かつては、この「生徒心得」を「生徒手帳」に掲載していたようですが、5年前に「生徒手帳」を廃止した時点でそのままになっており、今回の「校則の見直し」を進める中で「発見」されたといういきさつがあります。
まずは、この事実を生徒たちに伝えられました。そして、生徒たちに、
「本来の『校則』の形を一番持っているのは、どれだと思う?」
と問われると、生徒たちは、
「③の『生徒心得』だと思います。」
と答えました。
「そうですよね。私もそう思います。ただ、残念ながらこの『生徒心得』は、5年前の時点でストップしていて、今、皆さんが『校則』だと思って、守って生活している実態と離れてしまっています。そこで、今ある『新入生のしおり』や『教職員内規』に書かれていることを『生徒心得』の中に盛り込んでいき、皆さんの生活に即した『校則』を作ることから皆さんの作業は、始まります。」
「そして、それを元にして、全校生徒の皆さんで『校則の見直し』について話し合いを行う際のリーダーになってもらわないといけません。」
「そして、そのすべてを『今年度中』、つまり『令和4年3月31日』までに終えないといけません。」
生徒会役員の生徒たちの表情が引き締まりました。
次に、話されたのが、
「ところで、『生徒会』っていつ始まったと思いますか?」
生徒たちは、しーんとしています。
「縄文時代?平安時代?江戸時代?ヤマ勘でもいいですよ。言ってみてください。」
「明治時代」
というつぶやきが聞こえました。
「おー、惜しい!」
「実は、昭和の後半。終戦後にGHQが作りました。『戦後の民主化政策』の一環として生徒会が作られました。ちなみに、これと同時に作られたのが『PTA』です。つまり、学校の運営に『生徒や保護者にも関わってほしい』という民主主義の考え方が、学校に入ってきたということです。」
私たち教職員も日頃は、意識していない知識でした。
次に、「18歳選挙権制度の成立にも、当時の高校生が関わっていたいこと」、「世界のトップレベルの『生徒会』の様子」などをお話しいただき、「前半」が終了しました。
このあと、「後半」に入り、実際に生徒たちが自分の意見を出し合う「ワークショップ」が始まるわけですが、かなりの字数になりましたので、その模様は明日の(後編)でお話しします。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日は、これから、久留米競輪場で行われている「九州新人自転車競技大会トラックの部」の応援に行ってきます。
今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように。