どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
それから、もう一つ、力を入れて活動していることがあります。
それは、「LGBTs人権課題」の解決に向けての活動です。
ここ数年は、「多様性」に注目が集まり、「LGBT」という言葉に対する理解は随分広がってきました。
ご存じの通り、「L」は「レズビアン」、「G」は「ゲイ」、「B」は「バイセクシャル」、「T」は「トランスジェンダー」の頭文字です。
しかし、「性的マイノリティー」と言われる皆さんの「性自認」「性的指向」は、この4つだけではありません。
そういう意味で、私たちの研究グループでは、「s」をつけて「LGBTs」と表記しています。(LGBTQ+も同義)
このことについての「講演活動」をしていること。そして、そのきっかけについては、以前のブログでお話ししました。
当然、千原台高校の生徒の皆さんにも、毎年「校長講話」として1時間の時間の確保をし、話をしています。
そして、今回、さらに理解を深めることを目的として、お二人の「トランス男性」の方に本校に来ていただき、「人権講演会」を開催しました。
「トランス男性」とは、生物学的には「女性」として生まれたものの「性自認」は「男性」であったことから、現在は、「男性」として生活されている方のことです。
今回、講演をしていただいたのは、曽方晴希さんと松崎志摩さんのお二人です。
お二人は、それぞれ「YWCA]「くまにじ」という団体に所属されて、この問題に取り組まれています。
晴希さんが、本校の職員が以前勤務していた高校の卒業生だったことから、今回の「人権講演会」が実現しました。
お二人の「ライフストーリー」をお聞きして、私が強く感じたこと。そして、お二人が伝えられたかったことは、
「『トランス男性』ということで『同じ』と捉えられる部分があっても、そこまでの『歩み』や『現状』には、『違い』がある。」
ということです。
晴希さんは、熊本市内の比較的大きな学校(人数の多い学校)に通われていました。
一方の志摩さんは、地方部の小規模の学校に通われていました。
晴希さんは、「性自認」を自覚するとともに、人前に出ることが難しくなっていき、「不登校」を経験されています。
志摩さんは、「活発な子ども」として育ち、周りの友達にも割と自然に受け入れられたそうです。
しかし、家族へ「カミングアウト」したときは、晴希さんは、「受け入れてもらえた」と感じたそうですが、志摩さんは、当初はそうはいかなかったということでした。
そして、現在、志摩さんは「戸籍の変更」をされていますが、晴希さんはされていません。今のところ、その必要性を感じていないということでした。
このように、人はそれぞれに違った「歴史」があり、違った「現状」があります。
それを普通に丸ごと受け止めていくことが大切だと思います。
このようなお二人の「ライフストーリー」を聞かせていただき、千原台高校の生徒たちは、次のような感想を持ちました。
「自分たちが、普段話している言葉とかで、当事者の方を傷つけることもあるということに気づき、気をつけていかないといけないなと思いました。」
「その人を傷つけないことを一番に考えて、その人の力になれるようになれればなと感じました。」
「私は、身近な人にLGBTの当事者の人がいるので、その子とのことを考えながら話を聞いていました。その子を通して、自分らしさを知ることが出来たので・・・」
この模様は、下記のURLから、ご覧になれますので、ご視聴いただけると嬉しいです。
https://www.kkt.jp/nnn/news100rhnxcpwb1cmjlx7s.html
ということで、今日も、このあと10時から、出水南中学校のPTAの皆さんに向けて、「令和の時代、LGBTs人権課題とどう向き合うか」という演題で、オンライン講演をさせていただきます。
私なりに精一杯伝えたいと思います。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
皆さんにとって素敵な一日になりますように。