どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
今日は、最近読んだ本から学んだことをお話しします。
その本とは、「世界に一つだけの勉強法」坪田信貴著(PHP研究所)です。
著者の坪田信貴さんは、「ビリギャル」という本を書き、それがベストセラーとなり、映画化されたことで有名な方で、本業は「塾の経営者」です。
「ビリギャル」については、ご存じの方も多いかと思いますが、簡単にお話しすると、学校の成績が全く振るわなかった女子高生「さやかちゃん」が「坪田塾」に出会い、彼女の「個性」を引き出す「勉強法」により、慶応大学に現役合格するまでを描いた物語で、「坪田塾」で実際に起きた「実話」です。
しかし、その後、いろんな人からよく言われたのが、
「確かにさやかちゃんの成長はすごいけど、それは、たまたま、さやかちゃんが『じあたま』が良かったからでしょう。」
という言葉だったそうです。
著者は、そのことを否定した上で、大切なことは
「自分に合った勉強法を自分で確立すること」
と述べています。
その中身について興味がある方は、ぜひ、この本を読んでみてください。
ここでは、この本の中で、私が特に納得したことを二つお話しします。
一つ目は、「『自己肯定感』と『自己効力感』の違い」です。
この言葉、どちらも昨今の教育界で「日本の子どもたち欠けているもの」として使われる言葉なのですが、その「違い」を皆さんはご存じですか?
私もこれらの言葉についての、「何となくのイメージ」はありましたが、「違い」を明確に意識していませんでした。
本書では、次のように書かれています。
「自己肯定感とは、『どんな自分もまるごと受け容れる』姿勢のこと。これがあれば、少々の失敗や挫折があっても『自分は大丈夫』と思えます。
これに対して、自己効力感は『成功する自分』をいつでもきちんとイメージできること。
どちらも大事な生きるエネルギーの源です。」(本書より引用)
「なるほど」と思いました。
そして、この「自己効力感」が、何かに取り組むときの「根拠のない自信」につながるということです。
では、何をすることで「自己効力感」が高まっていくのか?
そのヒントを得たのが、二つ目にお伝えしたいことです。
それは、「6:4の法則」です。
著者は次のように述べています。
「心理学者・チクセントミハイは、何かに夢中で挑戦するモード=「フロー状態」に入るための条件の一つに「行う事柄が、現段階の実力よりも『少し高め』のものであること」を挙げています。
簡単すぎると退屈、難しすぎると不安。
『少し高め』がベストなのです。
となると、気になるのは「少し」の度合いですね。
生徒に課題をさせていてわかるのは、『正答6割:誤答4割』のレベルが、もっともやる気を喚起するということです。」(本書より引用)
この主張にも大きく納得させられました。
それは、私自身、多くの生徒に接する中で感じていたことと同じだったからです。
この本には、他にも様々な「教育のヒント」が詰まっています。
子どもたちに「やる気」を待たせ、それを「継続」させることが、「理想的な教育」であることはわかっていても「なかなか難しいよなあ」とお悩みのの方には、特におすすめの一冊です。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように。