どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
そのほかに、20年近く続けている仕事があります。
それは「47FAインストラクター」という仕事です。
「47FA」とは、「47都道府県のサッカー協会」という意味で、各都道府県サッカー協会が主催する「指導者講習会」の「インストラクター(講師)」を務めるのが、「47FAインストラクター」というわけです。
昨日は、その仕事として熊本県サッカー協会が主催する「C級コーチライセンス講習会」で、「GK指導」の「講義」「実技」を担当しました。
今日のブログでは、その様子をお話しします。
「講義」では、「GK指導」のポイントをいくつか伝えますが、その中で、私が重要だと感じているのは、
「GKは、11分の1(8分の1)である」
という考え方です。
「8分の1」を( )で加えているのは、現在、4種年代(小学生年代)では、すべてのサッカーの大会が「8人制」で行われているからです。
GKというポジションは、サッカーの中で1つしかないポジションです。
そして、プレーヤーの中で唯一「手を使ってプレーできる」選手であり、ユニフォームの色も一人だけ違います。
このような「GKの特殊性」から、私が育成年代の選手だった頃(約40年前)は、トレーニングの際、「GKとフィールドプレーヤー(以下FP)のトレーニングは、別々に進行する」というのが、スタンダードな形となっていました。
そして、「シュート」が入るトレーニングになると「キーパー!」と呼ばれて、合流するわけです。
ですから、小学校3年生でサッカーを始めたときから、ずっと「GK」というポジションしか経験してこなかった私は、「ゴールデンエイジ」と言われる小学校高学年の頃から中学・高校時代まで、「パス&コントロール」や「ドリブル」などのトレーニングをほとんど経験していません。
そのために、大学・社会人の選手としてプレーするとき、「足元の技術」が、私の最大のウィークポイントとなっていました。
そんな私自身の経験からも、
「GKは、11分の1(8分の1)である」
というポイントは、しっかりと伝え、小学生・中学生の年代では「パス&コントロール」などのトレーニングは、FPと一緒に行い、「GKであっても『パスの技術』『ボールコントロールの技術』は、FPと変わらない」というGKを育成してほしいということを伝えるように心がけています。
「講義」のあとは、グラウンドに移動して「実技」を行います。
そこでは、「基本姿勢」「キャッチング」「スローイング」「ステッピング」「ローリングダウン」「アングルプレー」などを通して、「GK特有の技術」のポイントを伝えていきます。
すべての「実技」を終了して、「質疑応答」の時間を設けてあります。
そこで、昨日は次のような質問がありました。
「私は、4種(小学生)の指導をしているのですが、子どもたちが、なかなかGKをやりたがりません。どうすれば、その傾向を変えることが出来るでしょうか?」
私は、次のように応えました。
「ご質問ありがとうございます。確かに、日本ではそういう傾向はありますよね。
では、皆さんにお尋ねします。子どもたちは、なぜ、『GKをやりたがらない』のだと思いますか?」
受講生の皆さんから、
「シュートを受けるのが怖い…」
「GKのプレーは痛そう…」
「失点したら責められる…」
などのつぶやきが聞こえました。
「そうですよね。なので、それらを取り除いてあげてほしいと思います。
そのために、私が一番お勧めしたいのは『選手全員にGKを経験させる』ということです。
今、皆さんに『実技』でGKをやってもらいましたが、怖かったですか?
痛かったですか?
そんなことなかったですよね。皆さん笑顔でプレーしてくれましたし、FP出身の受講生の方から『俺、GKやりたい!』という声も上がってましたよね。
こういう経験をぜひ、すべての選手にさせてあげてください。
また、自分自身がGKを経験することによって、『失点でGKを責める』というメンタリティーも変わってくると思います。」
さらに、コースマスターのインストラクターから次の2点が、付け加えられました。
① GKとしての「成功体験」をさせること
② 4種年代(小学生)では、試合でもローテーションですべての選手にGKを体験させてほしいこと
育成年代の多くの指導者の方々に、このような考えが広がっていけば、そう遠くない将来に「ヨーロッパの舞台で活躍する日本人GK」が出現することを信じて、活動を続けていきたいと思います。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように。