YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

大津、熊本県勢初の準V 真っ向勝負も力及ばず…

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

昨日行われた第100回全国高校サッカー選手権大会の決勝戦、大津対青森山田の一戦は、0-4で青森山田が勝利し、「夏のインタハイ」、「プレミアリーグ東地区」に続く「3冠」を達成しました。

今日は、この試合を大津高校の戦いぶりを中心に振り返ります。

大津の先発メンバーは、

GK 佐藤

DF 和田、寺岡、川副、岩本

MF 日高、薬師田、森田、川口

FW 小林、一村

の4-4-2の布陣。大会直前に鎖骨を骨折し、全国大会ではずっとベンチ外だったMF日高選手が先発に起用されました。

対する青森山田も同じく4-4-2の布陣。MF松木、宇野、藤森と世代の日本代表選手を中盤にそろえる強力なメンバーです。顔ぶれは、準決勝と全く同じでした。

この先発メンバーをみて、嬉しかったことが二つあります。

一つ目は、ケガで離脱していた日高選手が、「夢の国立」のピッチに立てたことです。

選手たちにとっても「日高が戻れるまで勝ち進む!」というのは、この大会の目標の一つになっていたはずです。それが、達成できたことに素直に嬉しさを感じました。

あと一つは、山城監督が、4-4-2の布陣を敷き、「真っ向勝負」を挑んでくれたことです。

大津には、前橋育英戦でみせたような「守備を厚くした5-4-1の布陣」という「引き出し」もあります。

青森山田の圧倒的な攻撃力を考えると、そのような戦術をとる選択肢もあったとは思います。

しかし、そうはせずに、日頃自分たちが戦っている形で挑んてくれたことは、決勝戦のピッチに立った大津のすべての選手にとって「財産」となったことだと思います。

さて、試合の方は、戦前の予想の通りに青森山田のペースで進んでいきます。

青森山田の選手たちは、「球際の強さ」、「こぼれ球への反応」などのすべてにおいて、「桁違いの強さ」をみせながらプレーしていました。

そんな展開の中でも、大津のイレブンは「CBの2人を中心とした巧みなラインコントロール」、「身体を張ったシュートブロック」、「GK佐藤の好セーブ」などで何とか失点をせずに、ゲームを進めていました。

しかし、「このまま前半を無失点で凌げれば…」という淡い期待を持ち始めた前半37分でした。

この試合で9本目となるコーナーキックから初失点を喫します。

キッカーは、MF藤森。ニアポスト側に鋭いストーレートのボールを蹴ると、そこへ飛び込んだのはDF丸山。ドンピシャリのタイミングでヘディングシュートをし、ボールは大津ゴールに突き刺さりました。

藤森の「キックの精度」と丸山の「マークを外す動きの巧みさ」によるゴール。「青森山田を褒めるしかない」という失点シーンでした。

続く前半41分にも前線への浮き球のパスをFW名須川がヘッドですらし、そのボールを受けたMF田澤が左サイドをドリブルで崩し、ゴール前にプルバックのパス。ここに、名須川が走り込んで1タッチシュート!

ボールは、名手GK佐藤の股間を抜き、2点目のゴールとなりました。

前半は、このまま終了し、0-2で折り返します。

後半に入っても、青森山田の勢いは全く衰えることがありませんでした。

チームスローガンである「百戦百打。一瞬の心」というチームスローガンを体現する「寸分の隙も無いプレー」の連続で、大津に全く付け入る隙を与えませんでした。

後半10分には、得意のロングスローからの流れで、主将で背番号10番を背負うMF松木が自らゴールを決めて3点目。

さらに、後半33分には、ゴール前へのクロスにFW渡邊がヘディングで合わせて4点目のゴール。

大津の攻撃を「シュート0本」に抑える完ぺきな内容で青森山田が勝利を収めました。

勝戦では、青森山田に「地力の差」を見せつけられる形になった大津高校ですが、今大会での大津の戦いぶりは素晴らしいものでした。

そして、この「夢の国立」の舞台で決勝戦を戦ったという経験は、サッカー選手として、また、一人の人間として何にも代えがたい貴重な「経験」となったに違いありません。

さらに、私たち熊本県民に対して大きな喜びと感動をも与えてくれました。

今年の大津の3年生には、直接「プロ入り」する選手は一人もいません。

もちろん、これだけの逸材がそろっていますので、何人かの選手にはJリーグチームからのオファーがあったようですが、そのすべての選手が「大学に進学して、さらに、自分を成長させてからプロの世界に挑戦する」という選択をしたと聞いています。

今回の「経験」を活かして、巻選手、植田選手、谷口選手などといった日本代表を背負う偉大な先輩たちを追い抜くような人生を歩んでいってほしいと思います。

そして、まずは、胸を張って熊本に帰ってきてください。

準優勝、おめでとう!

そして、大きな感動をありがとう!

心からの拍手と感謝の言葉を送りたいと思います。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日は、熊本市では3学期の始業式。千原台高校の3学期も今日からスタートです。

今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように。