どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
「県内最多1281人」
「今月累計1万人超」
「病床数 緊急時水準に」「
「県内『レベル3』に引き上げ」
熊本県の地元紙、熊本日日新聞の1月28日版で1面を飾ったコロナ関連の見出しの数々です。
オミクロン株へのおき変わりによる新型コロナウイルスの感染拡大は、全国的に爆発的な広がりをみせており、私が住む熊本県でもその状況は同じです。
千原台高校でも、先々週から感染者が出始めて、学級閉鎖が相次ぎました。
そこで、今週の初めから全クラスを対象に「オンライン授業」を実施。原則として学校に登校せずに各家庭でオンラインで授業を受ける形に変更しています。
このような状況の中で、「今一度、コロナウイルスについて勉強してみたい」と思い、手に取ったのが、「京大おどろきのウイルス学講義 宮沢孝幸著(PHP新書)」です。
ちなみに、この本は千原台高校の図書室にある蔵書で、図書室から借りて読みました。
著者である宮沢さんは、京都大学の先生で、コロナの話題がとりあげられるTV番組等に度々出演されています。
私も、日曜のお昼に放送されている「そこまで言って委員会(読売テレビ制作)」を視聴し、宮沢さんのご意見をよくお聞きしていました。
著者は、京都大学で教鞭をとっていますが、本来の職業は「獣医さん」です。
「ウイルスの専門家」といっても、政府分科会の尾身会長など多くの人たちが「公衆衛生学」の面での「感染症専門家」であるのに対して、著者は「自然界全体(あらゆる動物たち)のウイルスに関する専門家」ということになります。
また、余談ですが、1964年生まれということで、私と「同い年」でもあります。
この本から学んだことをいくつかお話ししますね。
まず、一つ目は、私たちは、「新型コロナウイルス」という呼称から、「このウイルスは突如現れてきたもの」という印象を持ちますが、そうではないということです。
著者は次のように主張しています。
「新型コロナウイルス(SARS-Cov‐2)は、毎年2~3個現れている新興ウイルスの一つという位置づけができます。
『新型コロナウイルスは突然現れたウイルス』というイメージを持っている人が多いと思いますが、実際には、頻繁に現れている新興ウイルスの1つです。ただ、新型コロナウイルスは感染規模がめちゃくちゃ大きく、一気に世界に広がってしまいました。」(本書p56より引用)
世界では、1980年から2020年の40年間に約100個の新興ウイルスが検出されているそうなのです。
では、そのような中で、なぜ今回、新型コロナウイルスが、世界的なパンデミックを引き起こしてしまったのでしょうか?
現在、新興ウイルスが世界に広がりやすくなった理由は3つあるそうです。
1 都市化
2 交通の発達
3 戦争
今回の新型コロナウイルスの広がりに影響したのは、1と2です。
「新型コロナウイルスは、中国から世界に広がりました。中国が以前のようにあまり地域間の移動が活発ではない国であったとしたら、中国の一部地域のみの感染で終わったかもしれません。
しかし、現在の中国は都市化し、人々が密集して住んでいます。自動車や電車などの交通手段も発達し、感染地域と周辺の往来が盛んです。また、経済が発展して中国人は豊かになりましたので、飛行機に乗って世界中を観光旅行しています。」(本書p57より引用)
この説明には、合点がいきました。
この本から学ぶことは他にもありましたので、続きは明日の(後編)でお話ししますね。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように。