どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
今日のタイトルは「『おとなの教養 池上彰著（NHK出版新書）』に学ぶ」です。
昨日読了したこの本から学んだことをお話しします。
まずは、著者の池上彰さんについて。
TV番組への出演などでおなじみの池上さんですので、名前を聞いただけでほとんどの方が「あー、あの人」と顔が浮かぶことだと思います。
池上さんは、慶應義塾大学を卒業後にNHKに入社し、社会部の記者などを経験したあと「ニュース８：４５」のキャスター、「週刊こどもニュース」のお父さん役などで活躍。
2005年、54歳のときにNHKを退社し、その後はフリーのジャーナリストとして活動し、現在は、名城大学をはじめとする８つの大学で教授として教鞭をとっています。
これらの経歴の中で得た池上さんの「知識量」は膨大で、それを私のような「一般人」にもわかりやすく伝えてくれるのが池上さんの魅力です。
というわけで、最近は池上さんの本が目につくと手に取るようにしています。
今日お話しする「おとなの教養」には、「私たちはどこから来て、どこへ行くのか？」というサブタイトルがついていて、さらに、帯には「教養とは『自分を知ること』です。」という言葉が池上さんの写真ともに掲載されています。
つまり、私たちが「自分を知る」ということを手助けしてくれる知識がつまった一冊ということです。
突然ですが、皆さんは「リベラルアーツ」という言葉をご存知ですか？
リベラルアーツについて著者は、
「これは、ギリシャ・ローマ時代に源流を持ち、ヨーロッパの大学で基本だとみなされた七科目のことを指します。具体的には①文法、②修辞学、③論理学、④算術、⑤幾何学、⑥天文学、⑦音楽の七科です。かつてはこうした科目に習熟することが、教養人の条件だったわけですね。」（本書ｐ24より引用）
と説明しています。
つまり「教養人の条件として習熟しておくべき科目」というわけです。
そして、著者が「現代版リベラルアーツ」として挙げているのが次の7科目です。
① 宗教
② 宇宙
③ 人類の旅路
④ 人間と病気
⑤ 経済学
⑥ 歴史
⑦ 日本と日本人
どの科目にも、「へえー。」「そういうことだったのかー。」という感心させられ内容が詰まっています。
そこで、「① 宗教」から順に私が「へえー。」「そういうことだったのかー。」と感じたことをお話ししていきますね。
ここで問題です。
「キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の３つの宗教を起源の古い順に並べてください。」
皆さんは、正解をご存知ですか？
ユダヤ教が約3000年前、キリスト教が約2000年前、イスラム教が約1400年前とされています。
ユダヤ教の神には「ヤハウェ」「エホバ」という二つの呼び方がありましたが、今では「ヤハウェ」の方が使われています。
そして、キリスト教のシンボルであるイエスも元はユダヤ教徒だったそうです。
「律法を厳しく守ることを重視したユダヤ教徒の中から、律法にとらわれることなく独自の教えを広める人物が登場します。それが、イエスです。」（本書ｐ48より引用）
「イエスはユダヤ教の改革運動をします。ユダヤ教では、ユダヤ人こそ神に選ばれた特別な民族であると考えますから、最終的に神に救われるのもユダヤ人だけとなります。しかし、イエスは、神を信じる者は誰でも救われると説きました。」（引用、同上）
ということで、イエスは処刑されることになります。その後、
「イエスこそが救世主ではないかという人が現れます。そういった人が増えていった結果、イエスはキリスト（＝救世主）として神から遣わされた神の子であるという信仰が生まれ、彼らがキリスト教徒になっていきます。」（本書ｐ50より引用）
次に時代は約1400年前です。
アラビア半島にムハンマドという男がいました。彼が瞑想をしているときに後ろから羽交い絞めされて「詠め」と命じられたというもの、それが、後にイスラム教の経典となる「コーラン」にまとめられたとされています。
「コーラン」というのは、「声に出して読むもの」という意味だそうです。ですから、イスラム世界では、コーランを黙読する人はおらず、必ず声に出して唱えるのだということです。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教に共通することがあります。それは、神の存在を信じる「一神教」であるということです。
ユダヤ教では「ヤハウェ」、キリスト教では「ゴッド」、イスラム教では「アラー」と呼び方は違いますが、実はその3つは同じ神なのです。
これに対して、「仏教」に神はいません。
現在は、信じる宗教によって戦争まで起こってしまう世の中ですが、元は同じということを多くの人たちが知ることで何らかの解決策がうまれないものかと感じました。
この続きは、次回以降にお話ししていきますね。
今日最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になります
