どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
今日のブログのタイトルは「『おとなの教養 池上彰著(NHK出版新書)』に学ぶ(第2部)」。昨日のブログの続編です。
第1部では、著者である池上彰さんの紹介、リベラルアーツの説明、著者が「現代版リベラルアーツ」と考える7科目の紹介、その中の「① 宗教」についてなどをお話しました。
池上さんが「現代版リベラルアーツ」と考えるのは次の7科目です。
① 宗教
② 宇宙
③ 人類の旅路
④ 人間と病気
⑤ 経済学
⑥ 歴史
⑦ 日本と日本人
今日は「② 宇宙」から順にお話ししますね。
本書には、「私たちはどこから来て、どこへ行くのか?」というサブタイトルがついています。
この「どこから来て」を探るために必要な科目。それが「② 宇宙」です。
現代のような科学が生まれる前の時代の多くの人たちは「世界は神がつくった」と信じていました。
その時代に支持されていたのが「天動説」です。「地球は宇宙の中心で止まっていて、周りが回転している」という説です。
「世界は神がつくった」と信じる人たちは、この「天動説」を信じており、当時の欧州各地で絶大な力を持っていたキリスト教の教会もこれを信じていました。
そんな中で、ガリレオ・ガリレイが1609年に手製の天体望遠鏡で、木星の周りに4つの衛星があるのを発見。これを根拠として「地動説」を提唱します。
しかし、当時「地動説」を唱えることは「神への冒涜」とされ、ガリレオは宗教裁判にかけられます。
もちろん、現代社会では「地動説」が常識化しているいうのは、読者の皆さんもご存じの通りです。
このことについて、著者は次のように述べています。
「こうした科学的な態度は、政治哲学や経済学とも結びつきながら中世のキリスト教社会を脱して市民社会へと移動する起動力となっていきました。」(本書p85より引用)
私たちの祖先は、地球に誕生してから中世にかけて様々な物事を宗教を中心に据えて判断して生きてきた。その転換点となったのが「地動説」の登場というわけです。
次は、「その宇宙の始まりは何か?」という問題についてです。
現代の科学で「宇宙の始まり」として定説とされているのは「ビッグバン」です。
本書ではこれについても詳細が説明されていますので、興味がおありの方は本書をお読みください。
③ 人間の旅路
「ビッグバン」で宇宙が誕生し、その宇宙の一部として地球が誕生します。
次に突き当たるのが「どのようにして人類が地球に誕生したのか?」という問題です。
これについては、ダーウィンの「進化論」が定説とされています。「進化論」についてはご存じの方が多いと思いますので詳細の説明は避けます。
ここで問題です。
「人類が最初に暮らした地域はどの地域でしょうか?」
正解は・・・
「アフリカの東部」
だそうです。
皆さんご存知でしたか?
発掘された骨の化石の年代を調べる方法に「放射性年代測定法」というものがあります。骨の内部に残っている炭素の種類と量をもとにして測定する方法です。
これを用いて調べた結果、「アフリカの東部から発掘された人骨の化石が最古である」というのが現代の定説だそうです。
アフリカの東部から、人類はユーラシア大陸に移動し、「北へ向かうルート」と「東へ向かうルート」へ別れて進んでいき、「北ルート」に進んだ人類がヨーロッパ民族の祖先となり、「東ルート」へ進んだ人類が我々アジア民族の祖先となっていきました。
昨日、ロシアがウクライナへ侵攻し、今にも紛争、戦争へと発展しそうな状況です。
しかし、ロシア人もウクライナ人も先祖をたどれば、東アフリカで誕生した人類にたどり着くわけです。
すべての人類がこのような教養を身に付けて、平和な世界をつくっていきたいと願うばかりです。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
続きは、さらに明日以降の続編でお話ししていきます。
今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように。