どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
今日のブログのタイトルは「おとなの教養 池上彰著(NHK出版新書)」に学ぶ!(第3部)。
「おとなの教養 シリーズ」の第3弾です!
本書では、池上さんが現代人が学ぶべき「現代版リベラルアーツ」と考える7科目について書かれています。
それは、
① 宗教
② 宇宙
③ 人類の旅路
④ 人間と病気
⑤ 経済学
⑥ 歴史
⑦ 日本と日本人
の7科目です。
第1部と第2部で「① 宗教」~「③ 人類の旅路」までをお話ししましたので、今日は「④ 人間と病気」からお話ししますね。
④ 人間と病気
「人間と病気」と言えば、まさに今私たちが直面している大きな課題です。
ただ、本書が書かれたのは2014年。コロナ前のことですので、コロナのことは直接は取り上げられていません。
それでも「細菌とウイルスの違い」という項があり、ウイルスの定義が述べられています。
「ウイルスは遺伝子がタンパク質によって包まれているだけで、自分で(細胞)分裂することは出来ません。ウイルスは他の生物にとりついて、その栄養を取って初めて自分の分身を増やすことができる。自分の分身をコピーする力はあっても、細胞膜を持っていないため生き物とは定義出来ません。
『ウイルスを殺す』というふうにウイルスが生き物であるかのような表現をしますが、厳密に言うとウイルスは生き物と物質の中間にある不思議な存在なのです。ですから『ウイルスを殺す』というのは『ウイルスを不活性化する』というのが正しい表現です。」(本書p129より引用)
そして、この後には第1次世界大戦の頃に世界中で大流行した「スペイン風邪」のことや「インフルエンザの語源」などが書かれています。
そして、さらに「中国農村部で新型インフルエンザが生まれる理由」という項も書かれていて、2014年時点ですでに今のコロナ禍を予測しているかのような著者の「知見」の鋭さに驚きました。
⑤ 経済学
これも、私たちの暮らしと切り離せないテーマですね。
2年前から続く「新型コロナウイルスの大流行」。そして、数日前に始まってしまった「ロシア軍のウクライナへの侵攻」で世界経済は大揺れの状態です。
今回の「ロシア軍のウクライナへの侵攻」により、原油価格の高騰によるさらなるガソリン価格の値上げやロシアやウクライナが大きな生産地となっている小麦の価格の高騰などが始まり、私たちの生活に大きな打撃を与えそうな気配がしています。
本書では、「経済学の歴史」が説明されています。
その流れは、大まかに言うと
「見えざる手」を提唱したアダムスミス→社会主義の訪れを予見した「マルクス経済学」→公共事業の推進による「乗数効果」や「累進課税」を提唱した「ケインズ経済学」→ミリトンフリーズマンが提唱した「新自由主義」
となります。
日本の経済は、小泉首相の時代から「新自由主義」を基軸に展開されてきました。
しかし、「新自由主義」がもたらすのは「経済の二極化」です。
まさに、今の世界が直面している課題だと言えます。
そのため、それを改善するための策として岸田首相が「新しい資本主義」という言い方で、「富の再分配」の方向に舵を切り始めているという経済の現状を理解することが出来ました。
すべての人類が「経済的な豊かさ」を享受できる世界を目指していくべきですが、その具体策となるとなかなか難しいということを再認識させられました。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
続きは、また次回以降のブログでお話ししますね。
今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように