YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

12年の歴史に幕… 熊本県GKクリニック

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

「次の議題は『来年度の活動について』です。

 そこで、まず、私からお詫びと残念なお知らせがあります。

 資料には、『宇城、スポ広で月1回開催』と記載していますが、先日の技術委員会で『宇城、スポ広での月1回開催』は認められませんでした。

 南さんとも事前に打合せて、この方針を出していたのですが、私の力不足です。

 申し訳ありませんでした。」

昨夜オンラインで行われた「熊本県サッカー協会GKプロジェクト会議」での堀川プロジェクトリーダーの発言です。

堀川さんは3年前から私のあとを引き継いで、「熊本県GKプロジェクトリーダー」を勤めてくれています。

「いえいえ。コロナの流れに負けて、この2年間赤字を出し続けてきた我々の責任です。了解しました。」

こうして、12年前に立ち上げ、私が中心になって続けてきた「GKクリニック」の幕が閉じました。

ここで発言した通りに、この結果は致し方ないと感じています。

12年前、当時、熊本宇城アカデミーのGKコーチとして赴任したプロのGKコーチの方の発案で、この「GKクリニック」はスタートしました。

スタート時は「プロコーチの方の指導をお手伝いして、そこで学びたい」という軽い気持ちで参加していたのですが、地元のアマチュアGKコーチの中では私が一番の「年長者」だったこともあり、何となく私が運営の中心のような形になっていました。

そんな中で、プロとアマの考え方の違いもあり、私の方針とプロコーチの方の方針が合わなくなりました。

議論の末、

「一緒には出来ない。」

「南さんがやってください。」

となり、その日から、

「俺が責任を持ってやる!」

と心に決めて運営をしてきました。

はじめに訪れた「壁」は、指導者不足でした。

当時は、GKを専門に指導できるコーチの数が今より圧倒的に少なく、逆に「GKコーチの専門的な指導」を受けられない環境にある選手たちはたくさんいるという状況でした。

「若手の指導者を増やすしかない。」

と考えた私は、母校の熊本大学サッカー部の練習に顔を出すようにして、現役のGKたちに、

「GKクリニックに参加して、小学生や中学生のGK指導をしてみない?

 きっと君たちのプレーにも良い影響を与えることが出来ると思うよ。」

と誘って、大学生に参加してもらったこともあります。

その時協力してくれた学生の一人は、現在、福岡県の中学校の先生となり「福岡県GKプロジェクト」の一員として活躍しています。

またある時は、当時、ロアッソ熊本のトップチームでGKコーチを務めていた澤村公康さんに協力していただいて、GKコーチを紹介してもらったり、オフの時には自ら指導に加わってもらったこともありました。

こうして何とか運営してきたGKクリニックでしたが、多い時には200人近くいた登録者が、昨年度から激減。

50人にも達しない状況になり、それとともに毎回の参加者はさらに激減。

結果的に「最後のGKクリニック」となった3月17日㈭の夜の「熊本スポ広コース」の参加者は、中学生が4人、小学生が2人。それを3人のGKコーチで指導しました。

当然、採算が合うはずがありません。

熊本県サッカー協会は「一般社団法人」であり、慈善団体ではありませんので、赤字を出し続けるイベントを安易に存続させることは出来ません。

今回の判断は、当然の判断だと思います。

この参加者の減少には、「コロナの影響」のほかにもう一つ要因があると思われます。

それは、「民間のGKスクール」の増加です。

立ち上げ当時には、熊本県内に2か所しかなかった「民間のGKスクール」が、現在は15か所に増えているのです。

そのGKスクールを経営し、指導している人たちの多くは、かつてほぼボランティアのような形で、「GKクリニック」の指導を手伝ってくれたGKコーチの皆さんです。

彼らは「GKコーチとして飯を食う!」という覚悟を持って「民間のGKスクール」を立ち上げ、経営し、指導しています。

このような人たちが増えてきたことは、私にとって、とても嬉しいことです。

時代の流れとともに、一つの役割を終えたとも言える「GKクリニック」ですが、今後は形を変えて「トレセン活動とタイアップして行う」ということになりました。

毎月第4土曜日に行われている「トレセンデー」にグラウンドを確保し、トレセンに選ばれているGKたちを対象に行います。

こちらは、現在GKプロジェクトの事務局を務めてくれている若手のGKコーチが中心に運営をしていきます。

相変わらず県内「最年長GKコーチ」であり、3年後には還暦を迎える私ですが、都合がつく日には「いちGKコーチ」として活動に参加し、若手のGKコーチから学んでいきたいと思います。

これまで「GKクリニック」に関わっていただいたすべての皆さんに心から感謝申し上げます。

12年間の長きにわたり、本当にありがとうございました。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。