どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
今日のブログのタイトルは「『日本型リーダーはなぜ失敗するのか 半藤一利著(文藝新書)』に学ぶ(前編)」です。
久しぶりに、最近読んだ本についてお話ししますね。
まずは、著者の紹介です。
半藤一利(はんどう かずとし)
1930年、東京都生まれ、東京大学文学部卒業後、文藝春秋入社。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、取締役などを経て作家。主著に『日本の一番長い日』『漱石先生ぞな、もし』『ノモンハンの夏』『「真珠湾」の日』『聯合艦隊司令長官 山本五十六』(以上、文藝春秋)『昭和史(上下巻)』『日露戦争史』(以上、平凡社)『幕末史』(新潮社)
(本書より引用)
恥ずかしながら、私が著者の名前を初めて知ったのは、2021年1月12日のニュースで、
「昭和史の研究などで知られる作家の半藤一利さんが、12日午後亡くなりました。90歳でした。」
という著者の訃報に触れた時でした。
その後、様々な人たちが彼のことを著書の中で話題にしているのを読んだり、著者の代表作であり映画化された「日本のいちばん長い日」という映画を観たりしたことで、著者についての興味がわき、本書を手に取りました。
本書はタイトルからわかる通り、いわゆる「リーダー論」の本になるのですが、他の本と違うところは、本書のリーダー論は「歴史(特に日本の戦争史)」から考察されているという点です。
本書の構成は次のようになっています。
第一章 「リーダーシップ」の成立したとき
第二章 「参謀とは何か」を考える
第三章 日本の参謀のタイプ
第四章 太平洋戦争にみるリーダーシップⅠ
第五章 太平洋戦争にみるリーダーシップⅡ
著者は第一章で、タイトルにある「『日本型リーダーシップ』とは何か?」という命題についてずばり回答しています。
「日本型リーダーシップ」とは…
「ひと言で言って『参謀が大事』だという考えです。総大将は戦いに疎くても参謀さえしっかりしていれば大丈夫、戦には勝てる。」(本書p47より引用)
そして、このような考えが成立した背景には「戊辰戦争、西南戦争での官軍の勝利」があったと論じています。
そして、これが「参謀養成のための上級機関として陸軍大学校と海軍大学校の創設」につながり、「優秀な参謀を産み出すことにより、日本帝国は日清戦争、日露戦争という国難に打ち勝つわけなのです。」と論じています。(「」内本書より引用)
そして、この時から脈々と流れる「日本型リーダー」の系譜が、「太平洋戦争での敗戦」という結果につながり、現在の大企業にみられる「多数の取締役による経営」という形につながっている。
そして、現代社会で日本企業が苦戦していることの大きな要因となっているというのが、本書で著者が主張している論旨です。
歴史に裏打ちされている論旨であり、「確かに」と納得しました。
では、本当のリーダーに求められている要素とは何なのか?…
この点についても著者は明示していますので、このことは明日の(後編)でお話ししますね。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。