YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

「日本型リーダーはなぜ失敗するのか 半藤一利著(文藝新書)」に学ぶ(後編)

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

昨日のブログでは「日本型リーダーはなぜ失敗するのか 半藤一利著(文藝新書)」に学ぶ(前編)と題して、著者のプロフィールや本書の論旨についてお話ししました。

著者の半藤一利氏は、作家であるとともにジャーナリスト、戦史研究家としても著名な人で、特に昭和史に関しての対談・座談を含め多くの刊行物を出版している人物です。

本書の論旨は「日本型リーダーを一言で言うと『参謀重視型』である。」「このスタイルは、戊辰戦争西南戦争を経て、日清・日露戦争の勝利へとつながる日本帝国軍によって確立された。」「その弊害が現在の大企業の経営スタイルにも影響している。」などというものでした。

今日のブログでは、(後編)として著者が考える「リーダーの条件」について具体的にお話ししますね。

著者は、「リーダーの条件」として次の6つの項目を挙げています。

その一 最大の仕事は決断にあり

「リーダーは決断を人に任せてはいけないのです。丸投げなどリーダーとしてもっともあってはならない。日本軍はこの丸投げでたくさんの人を死に至らしめています。上に立つ人は少なくとも自分で判断をし、自分で決断をする。これはあらためて具体例をいくつもあげて説くまでもない。必要欠くべからざる条件なのです。」(本書p153より引用)

と断言しています。

これまでこのブログで度々お話ししてきたように、「校長の仕事」の大部分は「決断」であるという私の信条と合致しています。

学校での「参謀」と言える教頭の進言は必ず聞きます。また、そのほかの先生方の意見にも必ず耳を傾けるように意識はしているつもりです。

ただ、最後に「決断」するのは、校長である私であるということはいつも肝に銘じて仕事をしています。これからもそうしていきます。

その二 明確な目標を示す

このことについては、著者は稲森和夫氏の言葉を引用しています。

「リーダーによって組織は発展したり衰退したりするのです。いい組織には必ず素晴らしいリーダーがいます。リーダーは、自分たちの組織の目的を明確にし、さらにその目的に向かうための価値観を部下と共有し集団を引っ張っていきます。」(プレジデント誌2012年8月13日号)

今から10年近く前の雑誌に掲載された稲盛さんの言葉ですが、今の時代のリーダーにも求められている「不易の条件」だと感じます。

現在、千原台高校は高校改革の真っ只中です。この言葉を改革に活かしていきたいと思います。

その三 焦点に位置せよ

その一、その二に比べると、いささか理解が難しい表現ですね。

著者は次のように述べています。

「『焦点に位置せよ』とは、いいかえれば『権威を明らかにすべし』ということです。いちばん上に立つものは、自分がどこにいるかということを絶えず明らかにしておかなくてはいけない。危機の時、自分がいかに組織にふさわしい人間であるかを画然と示さなければならない。下の人たちの視線は必ずリーダーにそそがれます。そのときトップの人のありようが大事、ということです。これが、まことに重要なポイントなのです。」(p184より引用)

つまり、「組織の危機の時に、その場から逃げる人にリーダーの資格なし」と私は解釈しました。これも肝に銘じるべき事項です。

その四 情報は確実に捉えよ

戦時下の日本で、リーダーが情報を確実に捉えていなかったために起きた悲劇について著者は紹介し、この重要性を述べています。

情報科社会」と言われる現代においては、さらに重要度の増した事項ですね。

その五 規格化された理論にすがるな

「五番めはこれ、『規格化した理論にすがるな』。規格化された理論と言っても何も大それた理論のことではありません。何かにつけ、『まあ、前回は成功したのだから、前回と同じようにやろう』となりがちです。これがいちばん楽です。楽ですが、同じことばかりやっていたのでは、やらないほうがましということになりかねない。」(本書p220より引用)

このことについては、私は「経験則からの脱却」、「コモディティー化(陳腐化の回避)の排除」という言葉で職員に伝えたことは、先日のブログでお話しした通りです。

その六 部下には最大限の任務を与えよ

これが、今の私にとっては一番難しい事項だと感じました。

これを実践するためには、ひとり一人の力を信じ、仕事を任せきる「信頼」と「勇気」が必要です。

著者自身も、

「わたくしなど恥ずかしながら、現役時代はまったくこのタイプ(部下に仕事を任せられないタイプ)でした。最大限の任務遂行どころか、部下に任せることさえろくにしなかったのではないかと思います。」(本書p240より引用)

文芸春秋社の取締役を務めておられたころを思われての言葉だと察せられます。

難しい課題ではありますが、チャレンジしていきたいと思います。

以上6項目。いずれも「言うは易し、行うは難し。」の「リーダーの条件」ですが、少しでもこれらの条件を備えることが出来るように研鑽を積んでいきます!

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。