YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

久しぶりの春樹本!「女のいない男たち(文春文庫)」

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

昨日までの4回に渡って、「熊本地震シリーズ」をお話ししてきましたが、今年の「熊本地震シリーズ」はとりあえず昨日の(その4)で締めることにしました。

ということで、今日のブログでは久しぶりに最近読んだ本のことをお話ししますね。

今日ご紹介するのは、村上春樹著「女のいない男たち(文春文庫)」です。

「うん?どこかで聞いたことあるぞ?」

と思われた方も多いかと思います。

そうです。

監督・濱口竜介、主演・西島秀俊による映画「ドライブ・マイ・カー」の原作となった短編小説が入った一冊です。

映画「ドライブ・マイ・カー」については、いまさら私が説明するまでもないかと思いますが…

「舞台俳優で演出家の男は、妻と穏やかに暮らしていた。そんなある日、思いつめた様子の妻がくも膜下出血で倒れ、帰らぬ人となる。2年後、演劇祭に参加するために広島に向かっていた彼は、寡黙な専属ドライバーと出会い、これまでなかったことに気づかされていく。」(WEB:映画.comより引用)

というのが、ネットに書かれている映画のあらすじです。

ご存じの通り、この映画は「アカデミー国際長編映画賞」をはじめとする世界各国の名だたる映画賞をそうなめにして、一気に有名になりました。

この映画の特徴の一つと言われているのが、約3時間に及ぶ「上映時間の長さ」です。

というわけで、なかなか映画館での上映時刻と私のスケジュールを合わせることが出来ずに、まだ、映画を観ることは出来ていません。

そこで、

「原作本なら自分のペースで読める!」

ということで、ネット通販で購入して読んだのが本書というわけです。

本書は、「ドライブ・マイ・カー」のほかに「イエスタデイ」、「独立器官」、「ジェラザード」、「木野」、「女のいない男たち」という計6篇の短編小説が収められた短編集です。

そして、本書のもう一つの特徴は1篇目に収録されている「ドライブ・マイ・カー」の前に15ページにわたり「まえがき」が記されている点です。

「まえがき」には、著者である村上春樹氏のここに収録されているそれぞれの「短編小説に対する思い」が綴られています。

もし、本屋さんに立ち寄る機会があったら、この「まえがき」の部分だけでも立ち読みしてほしいと思います。(本屋さんの関係者の皆さんごめんなさい。)

そうすると、きっと本書を購入してみたくなると思います。

「女のいない男たち」という本書のタイトルからも分かるように、この6篇の短編小説は、いずれも「男と女の物語」です。そして、そこには何らかの「別れ」が織り込まれています。

村上春樹氏の代表作である「ノルウェイの森」をはじめとする「男と女の物語」には、そのすべてに彼にしか出せない独特の「味」のようなものがあり、私も彼の作品を読み始めてから、その「春樹ワールド」のとりこになった一人です。

世界中に「ハルキスト」と呼ばれる彼の作品の熱狂的なファンがいるというのもこのあたりに起因しているのでしょう。

さて、一番の興味を持って読み始めた「ドライブ・マイ・カー」。

あらすじは、映画の説明とほぼ同じなのですが、私がテレビでの紹介などを通じて知っている映画の印象と原作との違いが三つありました。

一つ目は、映画で主人公が乗っている車が「赤い外国車」であるのに対して、原作で主人公が乗っているのは「黄色い外国車」であること。

二つ目は、映画では広島を舞台に車を走らせているようだけど、原作では東京での舞台の稽古への送り迎えになっていること。

そして、三つ目は、原作はわずか50ページほどの短編小説なのに、映画では3時間の長時間作品となっていることです。

特に、三つ目の点は、テレビでの映画解説などでもよく話題になっていましたが、私もこの原作を読んでみて、

「この短い物語がどうのようにして3時間に及ぶ長編映画になるのだろう?」

ととても不思議に思いました。

何とか時間を作って映画をみてみたいという気持ちがますます大きくなりました!

その他の5篇もどれも秀逸な作品です。

ぜひ、あなたにも手に取ってほしい一冊でした。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。