どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
「良いプレーもあれば、悪いプレーもありますが、さぼったり、諦めたりすることはなかったです。その中で最後に点を取れたこと、すごく良かったです。
こういった試合を続けていきたいと強く思います。」
J2リーグ第14節、ここまで無敗で首位を走っていた横浜FCに対して終了間際の決勝点で1-0の勝利を収めたロアッソ熊本・大木武監督の試合直後のコメントです。
日頃は自チームに対して辛口のコメントが多い大木監督の「さぼったり、諦めたりすることはなかったです。」という言葉に、この日の選手たちのプレーに対する最大の賛辞がこもっていると感じます。
今日は、この一戦を振り返ります。
まずは、熊本の先発メンバーです。
GK 佐藤
DF 黒木、菅田、イヨハ
MF 阿部、河原、三島
FW 杉山、高橋、竹本、坂本
前節の岩手戦から中2日というハードスケジュールの中ですが、前節と全く同じ先発。ちなみに、リザーブメンバーもまったく同じという布陣を組みました。
対する横浜FCは、前節から8選手を入れ替えています。
GK六反は、高校時代を熊本県の国府高校で過ごし、今でも熊本でのGKの育成に力を貸してくれています。
横浜FCの布陣は3-4-2-1。前節の対戦相手である岩手と同じ並びですが、「堅守速攻」を志向している岩手とは違い、横浜FCは「ボールを握ってゲームを支配しながら相手を崩すサッカー」を志向しています。
試合は前半からお互いが長所を出し合う五分五分の展開で進みました。
そんな中で、熊本は前半15分には、逆サイドからのパスを受けたFW坂本が左から中央へ得意のカットイン。そのままシュートを打つかと思いきや、切り返して、利き足ではない左足でシュートを放ちますが、これは惜しくもゴールマウスを捉えることは出来ません。
ゴールとはなりませんでしたが、坂本の「プレーの幅」の広がりを感じる良いシーンでした。
前半42分にも熊本が良いプレーをみせます。
相手のパスをインターセプトしたFW高橋は左にいた竹本へパス。これを竹本がゴール前にクロスをあげ、そこに右から杉山が走り込んでシュートを放つも、これも枠を捉えることは出来ませんでした。
得点にはなりませんでしたが、高橋の「良い守備」から素早くゴールに迫るという狙いがみえたプレーでした。
このまま0-0で前半を終了します。
前半のシュート数は熊本が7本に対して横浜FCは2本と、熊本が多くのチャンスを作った前半でした。
後半に入っても試合の展開は変わりませんでした。
そんな中で先に動いたのは、横浜FCベンチ。
後半16分に3枚替えです。ここで、今季チームトップのゴール数を記録しているFW小川、チームのキャプテンMF長谷川、前節は先発していたMF山下の3人を投入します。
それに対して熊本も、後半31分に竹本、阿部、三島→伊東、藤田、田辺と3枚枚替えで応じます。
さらに、後半41分には坂本、高橋→粟飯原、土信田という交代カードを切り、熊本ベンチは5枚のカードを使い切りました。
途中交代で入った選手たちもみんな「スタメンで出た選手があれだけ走っていた。(途中出場で出た)自分が足を止めるわけにはいかなかった。」という試合後の伊東の談話に象徴されるように、全員がピッチを疾走し続けました。
そして、それがついにゴールに結びつきます。
アディショナルタイム4分という表示が出た中での後半49分でした。
相手ボールを奪った河原は、そのボールを一旦、杉山に預け、再び中央でボールを受けると、ペナルティーエリアに侵入していた藤田に縦パス。
これを受けた藤田が、このボールをワンタッチでさばくと、そこにいたのは伊東でした。
伊東は冷静に右足でシュートを放ち、そのボールは見事に横浜FCのゴールに吸い込まれて、劇的な決勝ゴールとなりました!
そして、次のキックオフ直後に試合終了のホイッスルが鳴り響き、ロアッソ熊本が見事な勝利をおさめました。
この試合の成果は、何と言っても、
「良い内容のゲームを『勝利』という結果にしっかりと結びつけることが出来た。」
ということです。
ここまで「内容は良いのに、結果が…」という試合が多かったロアッソ熊本にとって、この試合は大きな「自信」と「勢い」を産む一戦となったはずです。
「勢い」ということでは、この勝利により「今季初の連勝」という結果も得ました。
これを次節・5月8日㈰、ホームのえがお健康スタジアムで行われる琉球戦にもつなげ、「3連勝」でさらに「勢い」に乗っていきたいところですね。
次節は、ヴィクトリーラジオのライブ中継もあり、解説を担当します。
スタジアムで多くの方々とお会いできると嬉しいです!
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。