どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
今日のブログも「パネルディスカッション『eスポーツ×教育』」シリーズで、(その4)となります。
昨日の(その3)では、登壇後、一巡目の発言が終わったところまでお話ししました。
今日は、その後の展開をお話しします。
「eスポーツに『スキル面』で様々な効用があることは、今の皆さんからのお話でよくわかりました。今日は『eスポーツ×教育』というテーマですので、精神面、考え方などの面での効用についてはいかがでしょうか?」
一巡目が終わったところで、コーディネーター・遠藤教育長がこう発言されました。
今度は、私が一番に挙手。
なぜなら、ここが、今回のパネルディスカッションで私が一番伝えたかった部分だからです。
「一つ事例をあげてお話しします。
自己紹介でも述べた通り、私は、千原台高校の校長になる前は中学校で校長をしていました。その頃に私が校長をしている中学校に在籍していた生徒が、千原台高校に入学して、eスポーツ部に入部をしていました。
その生徒の中学時代は『不登校傾向』にあり、学校に登校しても、ほとんどの時間を保健室で過ごすという、いわゆる『保健室登校』をしている生徒でした。
そんな彼の生活が、eスポーツ部の活動を通して一変し、今では、部内で『ぷよぷよの達人』と呼ばれ、学校にも『無遅刻・無欠席』で元気に登校しています。
これは、eスポーツが彼の自己肯定感や自己有用感を高めてくれた結果だと考えています。」
さらに次のように続けました。
「昨日の昼休みに、eスポーツ部の生徒の皆さんに校長室に集まってもらい、『皆さんがeスポーツ部に入部して、これまで活動して来て、ここは成長したなと感じる点を教えてください』と問いました。
すると、前述の彼は挙手をしてこう教えてくれました。
『僕は、中学生の頃も「ぷよぷよ」をしていたのですが、いつも自分の部屋で一人でやっていました。しかし、高校生になってeスポーツ部に入ってからは、部の仲間と対戦したり出来て、少しずつ自信がついていきました。そして、「ぷよぷよ」のプロの人が来る交流会に自分から出かけて行き、対戦させてもらったりするうちに、ますます自信がつき、すべてのことが楽しくなってきました』
彼にこのような積極性をつけてくれたのも、eスポーツ、そして、eスポーツ部の力だったと考えています。
なお、このことをこの場で話すことについては、本人の承諾を得ています。」
ここにこそ、「eスポーツ」と「テレビゲーム」の違いがあります。「eスポーツ」は、スポーツであり、必ず対戦する相手がいます。そこで、対戦相手に対して今もっている力を全力でぶつけ、その結果を受け止めて、さらに自分の力を伸ばすように努力を重ねる。この点においては、「eスポーツ」も「リアルスポーツ」もまったく同じです。
精神面の効用についても、各パネラーがそれぞれの立場から発言し、最後に一言ずつということになりました。
この「最後の一言」でも、ぜひお伝えしたいことがあるので、この部分は後日、(その5)でお話ししますね。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。