どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
今日のタイトルは、
日本、ベスト8目前 PK戦で散る… 健闘を称えつつ、あえて敗因を分析(後編)
です。
昨日の(前編)では、「PK戦での敗退」について分析しました。
今日は、その前の「120分間で勝ち切れなかったこと」についての私の考えをお話しし、「ベスト8へ進むために必要なこと」についてお話しします。
試合の流れを簡単に振返ります。
試合は、お互いが相手のゴールに迫る展開で進んでいきました。
前半2分には、日本のコーナーキックの流れからDF谷口がヘディングシュートを放つもゴールの枠をとらえることは出来ません。
逆に前半9分には、クロアチアのFWペトコビッチが、日本がクリアしたボールを拾ってドリブルからシュートを放ちますが、これもゴールとはなりません。
日本としては、「このまま前半は0-0でもいいなあ」と思い始めていた前半の43分でした。
コーナーキックから、堂安→鎌田→伊東→堂安とつなぎ、堂安がゴール前にクロスを入れると、これを吉田が折り返し、前田が見事なショートを放って、クロアチアゴールを揺らしました。
これで、1-0と日本がリードして前半が終了します。
想定以上に「上出来」な前半でした。
ここで、日本のベンチには二つの選択肢があったと思います。
「このままのメンバーで戦い、1-0の時間帯をなるべく長くしていく。」か、「後半の初めから三苫を投入し、2点目を奪いに行く。」かです。
森保監督が選択したのは、前者でした。
その後の展開は、ご存じの通り、後半10分にペリシッチのヘディングシュートで同点に追いつかれ、後半の18分に長友、前田→三苫、浅野というカードを切って「勝ち越し点」を狙いに行きますが、ゴールを奪うことは出来ずに延長戦、PK戦へと突入していくことになります。
ここで、私の考える敗因は、
「日本に2点目を奪う力がなかった。」
ということです。
この試合からはトーナメントなので、「延長戦まで含めて勝ち切る」と考えていた森保監督の采配を批判するつもりはもちろんありません。
ただ、三笘、浅野、その後、酒井、南野、田中を投入して「攻撃的なサッカー」を展開しようとしたけれど、「2点目が奪えなかった」という事実はあります。
では、4年後のW杯で、クロアチアのような相手と戦い、「勝ち切れるチーム」になっていくために必要なことは何か?
それは、「選手の『個の力』のさらなるレベルアップ」です。
日本の選手たちもどんどんヨーロッパに出ていくようになり、今回の代表も26名中19名が「海外組」。残る7名のうち3名は海外経験をしてから日本に帰ってきている選手で、海外経験をしていない選手は4名だけでした。
この比率は、理想的だと思っています。国内のJリーグのレベルを上げていくことは、日本のサッカー界を盛り上げるために必要であり、「全員が海外組」となることが良いことだとは思いません。
私が望むのは、「海外組」の中に「世界のビッグクラブの中心選手」と言える選手が5~6人いる状態になっていほしいということです。
今回のベスト8に進んだ国は、すべてこの条件を満たしています。
ヨーロッパ、南米以外で唯一ベスト8に勝ち上がったモロッコにも、バイエルンミュンヘン、チェルシー、パリサンジェルマンといった世界のビッグクラブで活躍している選手たちがいます。
4年後、日本代表チームがそういうチームになっていることを願いつつ、私も「サッカー界の一員」として、自分に出来る努力を続けていきたいと思います!
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。