YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

「キャリア教育の一層の充実に向けて」 講演会での学びより(後編)

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

今日のブログのタイトルは、

「キャリア教育の一層の充実に向けて」 講演会での学びより(後編)

昨日の続きです。

(前編)では、「必由館高校の教職員を対象に行われた講演会にゲストとして参加したこと」、「講師を務められたのは、文部科学省教育課程教科調査官・長田徹氏だったこと」、「ロールプレー(役割演技)からのスタートで心を鷲づかみにされたこと」をお話ししました。

この(後編)では、講師の長田先生が私たちに伝えられらた「キャリア教育の一層の充実に向けて」の「3つのポイント」をお話しします。

一つ目は、「学ぶ意義の実感」です。

このことを伝えるために紹介されたのは、京都にある立命館宇治高校の実践でした。

立命館宇治と言えば、まず、頭に浮かぶのは、女子駅伝や野球などでの都大路や甲子園での活躍ぶりです。

そして、あと一つ。立命館高校の附属高校なので、ほとんどの生徒がエスカレーター式に立命館大学に進学できる環境にあるということです。

当然のように生徒たちにとっては、「学ぶ意欲」は高まりにくい環境と言えます。

また、教職員も「行事の多さ」に振り回され、生徒の「学ぶ意欲」や「学びのつながり」を実感する場面が少なくて、疲弊していたということでした。

そんな中で、一人の若手教師がある提案をしたそうです。それは、

「年に1時間だけで良いので、ロングホームルーム(以下LHR)の授業を真剣にやってみませんか。」

という提案でした。この提案に同意した先生たちは、そのLHRの授業で、同じ質問を3回繰り返しました。

「なぜ、働くのですか?なぜ、学ぶのですか?」

という質問です。

そして、1回質問をするたびに、世界や日本の状況についての異なるデータや情報を提供していったそうです。

すると、質問を重ねるごとに生徒たちの反応が変化していき、「自己変容の実感」をすることが出来た授業になったということでした。

二つ目は、「生徒の良さや可能性の認識」です。

このことを示す実践として紹介されたのは、広島県世羅高校の実践でした。

世羅高校も駅伝の超強豪校です。

「ただ、この学校の素晴らしさは駅伝の強さだけではないのです。」

ということで話されました。

ここで、実践されたのは、高校生による町のお年寄りを対象とした「かんたんスマホ相談会」の実践でした。

auと町がタイアップして行おうとしていた企画に世羅高校の生徒たちが参画し、企画をどんどんとバージョンアップさせていき、この企画に参加した生徒の一部は、卒業後に、町の福祉施設に就職し、現在も活躍中という実践でした。

三つ目は、「学びのつながりの実感」です。

これを示す実践として紹介された学校は、大分県津久見第一中学校(以下、一中)から雄城台高校へとつながる実践でした。

一中では、「卒業式では、『最高の歌』で先輩たちを送り出す」というのが、学校の伝統になっていました。その年もそのつもりで、後輩たちは、生徒会長を中心に歌の練習を重ねていました。しかし、そこに襲ってきたのが、「コロナによる全国一斉休校」でした。

生徒会長は、校長室に直談判に行き、

「校長先生、運動場に在校生全員で出て、合唱をさせてください。先輩たちには、教室の窓越しに僕たちの歌を聴いてもらいたいのです。」

と訴えました。

校長先生は快諾し、生徒会長の直訴が実現し、「最高の感動」の卒業式となったそうです。

その1年後、雄城台高校に進学した生徒会長のクラスでLHRの授業が行われ、このときの心境を新しい仲間と共有し、新たな「絆」が産まれたという実践でした。

全国を駆け回り、多くの学校の中高生の「生の姿」をみて来られた講師の先生だからこそ出来る素晴らしい講演を聴き、

千原台高校でもやっていこう!」

という決意を新たにしました。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。