YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

朝井リョウの世界を満喫 「ままならないから私とあなた(文春文庫)」を読了!

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

今日のブログのタイトルは、

朝井リョウの世界を満喫 「ままならないから私とあなた(文春文庫)」を読了!

最近読んだ小説の紹介です。

今回読んだのは、朝井リョウ著「ままならないから私とあなた(文書文庫)」。

2016年に単行本として発行されていた作品の文庫本(2019年に発行)です。

この本は、「レンタル世界」という短編小説と表題となっている「ままならないから私とあなた」という中編小説で構成されています。

どちらの小説にも共通しているのは、「自己と他者について」、「自分の他人の『違い』」というテーマで書かれた小説であるという点です。

「レンタル世界」では、主人公の「俺」と大学時代のラグビー部の先輩である「野上先輩」、知人の結婚式で「俺」が一目ぼれし、その後、偶然に再会してさらなる恋心を抱く相手となる「高松さん」。この3人の「違い」が活き活きと描かれています。

そして、朝井リョウの作品と言えば…

「最終章でのサプライズ」です。

是非ともお読みいただいて、「サプライズ」をご堪能ください。

「ままならないから私とあなた」の主人公は、「雪子」。そして、小学校時代からの付き合いで親友の「薫」。この小説では、2人の「違い」が描かれていきます。

天才少女と呼ばれ、成長とともに無駄なことを切り捨てていく「薫」と無駄なことにこそ意味がると考える「雪子」。二人の考えは、成長とともに、少しずつすれ違っていきます。

そして、二人の人生の結末は…

単行本・文庫本では、初出の際にはなかった「最終章」が加筆されています。

こちらも、朝井リョウの世界特有の「サプライズ」を是非ともご堪能ください。

この小説で、私があと一つ感心したのは、2016年に初出の作品にも関わらず、ここ数年で進んだ「音楽界のIT化」がすでに克明に描かれているという点です。

ここにも、朝井リョウという小説家の底知れぬポテンシャルを感じました。

長さも手ごろで気軽に読める一冊です。

多くの方にご一読していただけると嬉しいです。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。