どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
今日のブログのタイトルは、
千原台の1年生へLGBT講話 「ソジハラ」「アウティング」とは?(中編)
昨日のブログの続きです。
昨日のブログでは、私の日頃の「LGBT教育アドバイザー」としての活動の様子と千原台高校の1年生を対象に「LGBT講話」をしたということをお話ししました。
今日からは、その講話のポイントである「ソジハラ」と「アウティング」についてお話しします。よろしくお付き合いください。
「ソジハラ」とは、「ソジハラスメント」の略語です。
「○○ハラスメント」という言葉が、数多、聞かれるようになった昨今ですが、これもその中の一つです。
では、「ソジ」とは何か?「ソジ」=「SOGI]であり、「SOGI]とは、「Sexual Orientation(性的指向)」と「Gender Identity(性自認)」という言葉の頭文字をとった用語です。
「性的指向」とは、「恋愛対象となる性がどの性か?」ということで、「男性同性愛者」を「Gey(ゲイ)」と呼び、「女性同性愛者」を「Lesbian(レズビアン)」と呼び、「両性愛者」を「Bisexual(バイセクシャル)」と呼びます。
また、「性自認」で「身体と心の性が不一致」な人たちのことを「Transgender(トランスジェンダー)」と呼びます。(これらの頭文字をとった用語が「LGBT」です。)
こういったことに対するハラスメント。つまり、性的マイノリティーの人たちの心が傷つくような行為のことを「ソジハラ」と呼んでいます。
生徒たちには、次ような質問をして考えてもらいました。
このような会話についてあなたはどう思いますか?
教室で仲良く話していた男子生徒に対して
「なに男同士でくっついてんだよ、気持ち悪いなあー ゲイ かよ(笑)」
① よくあることだから気にしない。
② 気にはするけど、大したことではない。
③ 許せない。
生徒たちの反応は、どうだったと思いますか?
①だと思う生徒は少数でした。②が一番多く、③が二番目に多いという結果でした。
それを受けて、次のように伝えます。
現代社会の正解は・・・
③ 許してはいけない
です。
このような行為は、「改正労働施策総合推進法(ハラスメント防止法)」で「ハラスメント行為」とされました。
(令和元年6月5日公布)
そして、他の例として、
「文化発表会の出し物で、男子生徒がセーラー服を着てステージに登場し、女子生徒が学ランを着て登場して、その服装で笑わせようとする寸劇やダンスをすることがあったと思います。これについては、どうですか?」
これについても反応も先ほどと同様でした。
そこで、
「少し立ち止まって考えてみましょう。もし、それを観ている人たちの中にトランスジェンダーであることを自覚しているのに、自分の心の性にあった制服を着て登校することが出来ずに苦しんでいる人がいたら、この様子をみて、どう感じるでしょうか?
『やっぱり自分が着たい制服着て登校すると、みんなから笑われるんだ』と感じるのではないでしょか?
このようなことについても、考えていかなければならないと思います。」
このあとに、誤解を招かないように、次のような話もします。
「では、女性が男役を演じる『宝塚歌劇団』は、どうでしょうか?男性が女形を演じる『歌舞伎』はどうでしょうか?男性が女性用の着物を着て歌を歌う梅沢富雄さんのような『大衆演劇』は、どうでしょか?
これらは、違いますよね。宝塚の男役の演技をみるとほとんどの人が『かっこいい』と感じ、歌舞伎の女形や大衆演劇の人たちの姿をみると『キレイ』と感じます。そう感じてもらえるように日頃から芸を磨いているからです。なので、これを『ハラスメント』とすることはありません。」
「ソジハラ」のない社会にしていきたいですね。
今日は、ここまでにしておきます。
次の(後編)で、「アウティング」についてお話しします。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。