どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
今日のブログのタイトルは、「シーリーズ『校長の仕事』 年度初めの一日編(後編)」です。
昨日の(前編)では、「年度初めの一日」は「勤務開始」から「勤務終了」まで会議の日程がぎっしりで、まさに「会議デイ」になっていること。
その中の「運営委員会」では「校内人事」についての協議が行われ、校長による「決断」の場面があったことをお話ししました。
今日の(後編)では、私にとってのこの日のメインイベントと言える、「職員会議」での「学校経営方針について」のことをお話しします。
昨日の(前編)でも述べたように、この校長による「学校経営方針について」は国会に例えると、総理大臣の「所信表明演説」のようなものです。
ただし、「職員会議」の時間は60分。協議すべき議題がたくさんある中で、私に与えられる「演説時間」は10分です。
なので「所信表明演説」のように一つ一つの「政策」まで話すことは出来ませんが…
今日のブログでは、私が話した「令和4年度学校経営方針」の全文をご紹介しますね。
「先生方、おはようございます。
まずは、先ほど開いた『運営委員会』が長引いてしまい、『職員会議』の開始時間が20分も遅れてしまったことをお詫びいたします。
本日、本校に赴任された先生方もあられますので、お伝えしておきたいのですが、いつもこのように会議の始まりが遅れるわけではありません。
逆に、本校では毎回の『職員朝会』の始まりもいつも8時15分のチャイムが鳴る時には、すべての先生がお揃いで、チャイムと同時に始められていて、いつも素晴らしいなあと感心しているところです。
では、お手元のレジュメをご覧ください。
今年度の『学校教育目標』は、
『一生懸命はカッコイイ』を実践する学校づくり
~リーダーシップとフォロワーシップの育成~
です。
これは、昨年度と変えていません。
すべての生徒が、ある時はリーダーとして、ある時はフォロワーとしての経験を積み重ねる中で、ともに成長し続ける学校にしていきたいと考えています。
昨年度の学校生活の中で、これが実践できていると感動した場面は、体育大会の『クラス対抗全員リレー』のゴールシーンでした。当然、クラスの中には走るのが得意な生徒もいれば、苦手な生徒もいます。そんな中でも全員が一つになって、お互いを支えあい、最後まで仲間を応援し続ける姿がありました。
今年度は、こういう姿を『学校行事』のみならず、日頃の授業の中や様々な学校生活の場面でたくさんみられるようになれば良いと思っています。
次に、レジュメには、
今年度、みんなで目指していこう! 3つの『C』
と書いていますが、この『C』は何だと思いますか?
レジュメを配布した時に、いくつかの『C』を予想する声が聞こえてきましたが…
では、一つ目の『C』。
これは『チェンジ』の『C』です。
私の好きな言葉に『過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる。』という言葉があります。
他人を変えようとしてもそれは無理な注文であり、そのことにこだわっているとどんどん毎日の生活が苦しくなっていきます。しかし、自分のことはどれだけでも変えることができます。
また、自分と人を比較することも苦しくなる原因の一つです。比較すべきは他人ではなく過去の自分。『ライバルは昨日の自分』という気持ちで毎日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
手前味噌にはなりますが、一つ私自身の話をします。
私は5年目に校長になってから、よく本を読むようになりました。始めの頃はすぐに仕事に役立つような『リーダーシップ』や『経営』に関する本ばかり読んでいたのですが、徐々にジャンルを広げていき、今読んでいるのは村上春樹さんが書いた『女のいない男たち』、映画『ドライブマイカー』の原作となった本です。
昨年度からは、読む本のタイトルをこの『知恵袋ノート』に記録しておくようにしました。昨日までの一年間で読んだ本の冊数は208冊。週当たり4冊ということになります。
私がなぜこのように本を読むのか?
それは、本には作者の『経験』がぎっしりと詰まっていて、それを読書により『疑似体験』することで、自分の成長につなげられるからです。
私自身も『昨日の自分より、今日の自分』と、日々『チェンジ』が出来るように力を尽くしていきたいと思います。
2つ目の『C』は、『チャレンジ』です。
変化するためには、挑戦し続けることが必要です。先生方もどんどん新しいことに挑戦し続けてもらえると嬉しいです。
3つ目の『C』は、『チャンス』です。
今、『高校改革』の真っ只中ですが、これを自分たちが変化していくための大きな『チャンス』だと捉えて、臨んでいきたいと思います。
その一つの具体策が『魅力づくり部』の創設です。『魅力づくり部』を中心に自らの手で成し遂げる改革を目指していきましょう!
次に、レジュメには、
「これは避けよう! 一つの『C』」
と書きました。
この『C』は何だと思いますか?
これだけは、少しだけ難しい言葉ですが…
この『C』は、『コモディティー化』です。日本語には訳しにくい言葉なのですか、あえて訳すと『陳腐化』ということになります。
つまり、ほんの2、3年前。いや今では1年前かもしれませんが、少し前には『最先端』だったことが、あっという間に『陳腐化』してしまうことを言います。
ですから、千原台高校自体が『コモディティー化』しないためには、『自分はこれまでこれでやってきた』という経験則から脱却し、新しいことに挑戦し続けるしかないのです。
そして、最後に一番大切なことは…
『明るく笑顔で』ということです。
明るく笑顔で、『新しい千原台高校』をみんなで創っていきましょう。」
これが、私の「所信表明演説」の全文です。
「言うは易し、行うは難し。」とも言いますが、ここで話したことを実践できる一年間にしていきたいと思います。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。