YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

日本、ベスト8目前 PK戦で散る… 健闘を称えつつ、あえて敗因を分析(前編)

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

12月5日(日本時間6日午前0時)に行われたサッカーW杯決勝トーナメント1回戦、日本対クロアチア戦は、ご存じの通り延長戦を終えても1-1と勝負がつかず、PK戦へ。日本は3選手のキックがクロアチアのGKに防がれ1-3で惜敗。目標にしていた「ベスト8」を目前にして大会を去ることになりました。

試合の振返りについては、ほとんどの読者の皆さんがご存じのことだと思いますので、ここでは割愛し、日本代表の選手たち、監督他スタッフの大健闘に最大の感謝の気持ちを捧げつつ、あえて、この試合の敗因と今後の課題を考えてみたいと思います。

まずは、直接勝負を分けることになった「PK戦」についてです。

PK戦」については、「PK戦は『運』である」という考えと「PK戦は『運』ではない」という2つの考えがあります。

私は、後者の考えに賛同します。

「運」だけでなければ、その他の要素は何のか?

これは3つあります。「技術」と「メンタル」、そして「分析」です。

まず、「技術」。これは「キックの技術です。」

スペイン代表のルイス・エンリケ監督は、この「PK戦でのキックの技術」を高めるために、スペイン代表の選手たちに「W杯までに所属クラブで最低1000本以上蹴るように」と指示していました。(それでも、スペインもPK戦で敗退しましたが…)

日本の選手たちの「PK戦でのキックの技術」は、まだ「世界レベル」に達しているとは言えません。

「メンタル」と「分析」は関連していますので、一緒に述べます。

今回のクロアチアとのPK戦で「メンタル」で優位に立っていたは、明らかにクロアチアだったと感じます。

その一つ目の理由は、「W杯での成功体験」です。前回大会でクロアチアは、決勝トーナメントで3連勝し、決勝戦へと勝ち進んだわけですが、そのうちの2勝が「PK勝ち」です。

そして、その「PK勝ち」を経験している選手が今回も、8人メンバー入りしていました。

このことは、チーム全体に「PKに持ち込めば勝てる」という絶対的なメンタルの優位性をもたらします。

二つ目は「分析」とそれに基づく「計画性」の差です。

PK戦では、「先攻有利」とされています。その理由は、先にゴールを決めていけば常に相手のキッカーに精神的なプレッシャーがかかり続けるからです。

「先攻」と「後攻」の勝利の確率は「6対4」という研究結果もあります。

この試合では、日本が「先攻」だったけれど、勝てませんでした。

やはり、1人目のキッカーが決められなかったことは大きく影響したと言わざるを得ません。(決して南野選手を責めているわけではありません。)

私の「持論」として、その一番目のキッカーより、さらに重要だと思うキッカーがいます。それは「4番目のキッカー」です。

選手、監督、そして解説者として数多くのPK戦を分析した中で、多くのPK戦で「4番目のキッカー」が勝負を分けます。

今回の日本は、その「4番目のキッカー」も相手のGKに阻止されてしまい、これで「決定的な不利」が確定しました。(これも吉田選手を責めているわけではありません。)

以上の理由から、私は監督時代には、必ず試合前にPK戦のキッカーは、その順番を含めて決めるておくようにしていました。

その時に「技術」、「メンタル」の両面で最も信頼度の高い選手を「4番目」に。次に高い選手を「1番目」に起用しました。(ちなみに、その次は「5番目」です。)

今回のPK戦で、森保監督は、その場で蹴りたい選手を募って決めたそうです。

ここまで、様々な面で「良い準備」を重ねてきていた日本代表だっただけに、PK戦についても「分析」とそれに基づく「良い準備」があれば、いくぶんかは「メンタル面での余裕」が出来たのではないかと考えます。

今日は「PK戦」についてのみの解説となりましたので、(後編)では「延長戦まで含めての120分間の戦い」について、分析します。

ちなみに、試合の振返りはYouTubeチャンネルで公開していますので、こちらをご覧いただけると嬉しいです。

youtu.be

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。