どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
昨日(1月10日)、千原台高校では3学期の始業式を行いました。
そこで、今日のブログでは、始業式で全校生徒に向けて話した「校長訓話」の全文を公開します。
よろしくお付き合いください。
[始業式 校長訓話]
2023年、令和5年がスタートしました。一年の初めに当たり、私がこれからの1年間をどんな1年にしていきたいかを漢字一文字で現わしてみました。それは、「挑」です。(「挑」のボードを見せながら)挑戦の「挑」。様々な新しいことに挑戦し、新たなことを始めていきたいと思っています。
この3学期が終わり、令和5年度になると「学校改革」のもとで、学科改編が行われた後の「情報ビジネス探究科」、「健康スポーツ探究科」に新入生を迎えることになります。
現在も、皆さんには様々な「探究活動」に取り組んでもらっていますが、さらに、その幅を広げていきたいと考えています。
ただ、新しいことに「挑戦する」というときに、常に頭をよぎるのは「失敗のリスク」です。しかしながら、「リスクを恐れて挑戦しない」という選択をしている限りは、「新しい景色」をみることは出来ません。
このお正月に、「リスクを恐れず挑戦する」ということの素晴らしさを見せてくれた人がいました。その人は、1月2日に行われた箱根駅伝で「関東学生連合チーム」の1区を走った新田颯さん。千原台高校の卒業生で皆さんの先輩です。
「テレビで観ました!」
という人も多いかと思いますが、彼の活躍ぶりを簡単に振り返ります。
お正月の「箱根駅伝」については、知っていますよね。毎年1月2日と3日にテレビで生中継されていて、「新年の風物詩」とも言えるビッグイベントです。優勝した駒沢大学、2位の中央大学、今年は3位に終わった青山学院大学などの強豪校がひしめく中で、選び抜かれた選手だけが走れる大学ランナーの「ひのき舞台」です。
その中で「オープン参加」として出場しているのが「関東学生連合チーム」。予選会で涙をのんだ大学から選手が選抜されています。
その1区を任されたのが、育英大学4年生の新田颯さんでした。
各大学がけん制し合い、予想外の「スローペース」で始まった1区の中で、序盤から勇気をもって飛び出し、先頭でレースを引っ張り続けました。いわゆる「一人旅」という状態です。
テレビの中継でアナウンサーが、
と言っていたので、私は、
「熊本県の出身なんだ。頑張ってるなあ。」
という感じでテレビを観ていたのですが…
とその時、私のスマホに知り合いからlineのメッセージが届きました。
「新田選手、千原台の出身らしいですね。」
という文をみて、すぐにスマホで「関東学生連合チーム」と検索すると…
確かに、
と書かれています。
毎年、千原台の卒業生が走るのではないかと思い、各大学の登録メンバーをチェックするようにしていて、今年も「出場大学」についてはチャック済みだったのですが、「関東学生連合チーム」のチェックは出来ていなかったのです。
ここから、応援にもがぜん力が入りました。「このままトップでタスキを渡してほしい!」と思っていたのですが、残り1キロの地点で明治大学の選手にとらえられ、続いて駒澤大学の選手にも抜かれてしまいます。
少しよろめく様子もみられ、「かなり足にきてるなあ。何とか最後まで走り切ってくれ!」と思わず拳を握りしめていました。
その願いは届き、堂々の3着でタスキを渡しました。強豪校の並み居るランナーの中で、先頭に飛び出すというのはとても勇気のいることです。
新田選手は、勇気をもってそれに挑戦したことにより、「関東連合チームが3着でタスキを渡す」という偉業を成し遂げ、「新しい景色」をみることが出来たのです。
皆さんにも、この素晴らしい先輩のマネして「勇気をもって挑戦」し、「新しい景色」をみてほしいと思います。
実は、皆さんの中にも「新しい景色」をみた人たちがいます。それは、弓道部男子の皆さんです。
12月24日に熊本市で開催された全国高校選抜弓道大会に熊本県代表として出場し、「12射中7中」。つまり、3人で4回ずつの12回弓を放って、7回的中するという素晴らしい成績で見事に予選リーグを突破。決勝トーナメントに進出してくれました。
決勝トーナメントでは、惜しくも1本差で1回戦で敗れたものの、初出場とは思えない堂々とした戦いぶりでした。
「新しい景色」をみた弓道部の皆さんの更なる活躍を期待します。
また、昨日までの3連休中にバスケットボールとサッカーの熊本県新人戦大会が行われ、男女バスケットボール部とサッカー部がそろって初戦を突破しました。
弓道部に続いての活躍を期待しています。
さて、昨日で約2週間の冬休みが終わりました。そこで、皆さんに示していた冬休みの合言葉
千原台 「いのち」を守る 冬休み
については、いかがでしたか?
一つ目の「生命」を守るということについては、冬休み中に大きな事故の知らせもなく、満点だったように思います。
二つ目の「心のいのち」。「一生懸命はカッコいい」についてです。この言葉は、学校生活だけではなくて、家庭生活の中でも同じです。年末には、各家庭で「大掃除」などが行われることだと思います。家族の方が家事に励まれているときに自分だけ遊びまわったり、だらだらしているのと、自分から家族の一員として進んで大掃除等に取り組むのは、どちらが「カッコいい」ですか。当然、進んで取り組むほうですね。ぜひともその力を家庭でも発揮してくださいとお願いしていました。これもきっと実践してくれたことだと思います。
「命を守る」という観点から皆さんに考えてほしいことが、あと二つあります。
一つ目は、「高校生の自転車での登下校時のヘルメットの着用について」です。このことについては、令和4年の10月から「高校の校長は、高校生に対して登下校時のヘルメットの着用をするように指導しなければならない。」という熊本市の条例が施行されており、今年の4月からは道路交通法にも同様の努力義務が盛り込まれて、全国の高校の校長に同じような努力義務が課されます。
今のところは「努力義務」なので、すぐに「校則」に盛り込んで強制的に着用させるという考えはありませんが、万が一の事故の時に、ヘルメットが皆さんの命を守ってくれるというのは間違いのない事実です。
2学期には一度、交通委員の一部の人たちと「ヘルメット着用を考えるワークショップ」を開いていますが、今後は是非とも全校生徒の皆さんに考える機会を持ってほしいと思っています。
自分の命を守る人は自分しかいません。ぜひ、一度、「自分事」として考えてみてください。
二つ目は、皆さんの「登校時間帯」についてです。交通事故の原因の一つに「時間に遅れそうで急いでいた。」ということが挙げられます。皆さんの朝の登校の様子をみていると、このことがとても心配になります。
千原台高校の校則では、「8時35分までには登校し、席についておくこと」となっています。それにもかかわらず、8時35分ギリギリに昇降口を通過する人が多数いますし、中には8時35分を過ぎて登校してくる人もいます。
事故防止の観点からも、この3学期は「今より10分早めの登校」を心がけてください。
3学期は、本当にあっという間です。
3年生は、1月下旬から「家庭学習期間」に入るために実際に登校できる日は「ほんの数日」で、その後卒業式を迎えます。
1・2年生にとっても、短い日数を経て次の学年への進級に備える大切な学期です。
「一生懸命はカッコイイ」の精神のもと、一日一日を大切に過ごしていきましょう。
これで、私からの話を終わります。
以上が「校長訓話」の全文です。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。