YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

「将才と君才の違いを知るべし」 劉邦と項羽に学ぶ

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

西日本では、毎日「災害級の豪雨」が降り続いていますね。

甲子園でも再び雨が降り、昨日の試合は、第一試合の大阪桐蔭東海大菅生戦のみ。これも降雨によるコールドゲーム大阪桐蔭の勝利という東海大菅生ナインには、ちょっと気の毒な幕切れとなりました。

というわけで、今日もスポーツの話題を離れて、読書から学んだお話をします。

今日参考にした本は「最強の成功哲学書・世界史」神野正史著(ダイヤモンド社)です。

この本の特徴は、二つあります。

一つ目は、世界史を古い時代から追っていくといういわゆる「通史」ではなく、世界史の中で活躍した人物のエピソードを紹介し、それを現代に生きる我々への教訓として紹介している点です。

もう一つは、高校の授業等では「世界史」に対して「日本史」があり、「世界史」に日本の歴史は出てきませんが、本書では、ナポレオン・ボナペルト、劉備玄徳、などの西洋史上、東洋史上の人物だけでなく、徳川家康東郷平八郎など日本史上の人物も紹介されています。

本書では、429ページに渡って、総勢23名の歴史上の人物が紹介されており、なかなかの読みごたえがありました。

そんな中で、私が最も注目したのは、中国3000年の歴史に名を遺す劉邦です。劉邦は、農民出身ながら奏王朝の崩壊後、項羽との熾烈な戦いを経て、前漢後漢合わせ400年に及ぶ太平の世を切り開いた人物です。このことは、名著「三国志」でも描かれていてご存じの方も多いと思います。

ここで、著者が主張するのは「劉邦とライバル項羽の違い」です。著者は、二人の人物像の違いと歴史上の出来事についてこう記しています。

項羽…楚の将軍の家柄。優れた体躯に恵まれ、ひと通り兵学を学び、勇猛で万夫不当の猛将。部下にも慈悲深く、惚れた女に一途。

劉邦…本名すらよくわからない農民の出。武勇拙く、兵法にも政略にも政治にも疎い。強い者には謙り、弱い者には傲慢で女にだらしない。

このように「才覚」という観点から見れば、どうみても天下を獲るのは項羽の方が妥当に見えます。

しかしながら、現実に天下を獲ったのは劉邦です。

なぜ、こうなってしまったのでしょうか。

(中略)

韓信曰く

ー項王(項羽)は、万夫不当の猛将(将才)なれど、それゆえに優れた将軍を信じてこれに任せる(君才)ということが出来ません。これはただの「匹夫の勇」にすぎませぬ。

つまり、項羽には「将才はあれど君才がないため天下の器に非ず」というわけです。

(本書より抜粋)

そして、劉邦が、手にしたした領土を自分を支えた将軍たちに分け与えたのに対し、項羽はそれをせず、すべてを自らの手で統治しようとしました。ここに、成功と失敗の分かれ目があったと言います。

この教訓を私の今の生活に活かすとすると、

「教頭先生をはじめとする先生方を信頼し、仕事を任せ、そして、その仕事ぶりをしっかりと評価して感謝と称賛をしていく」

ということでしょうか。

「得たものはなくなり、与えたものは増える。」

「与えよ。さらば与えられん。」

「自利は利他を言う。」

劉邦が残してくれた教訓を肝に銘じて、校長と職務に当たっていきたいと思います。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。週の中日の水曜日。素敵な一日をお過ごしください。