どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。ともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
千原台高校では、もちろん、毎日受ける本校での先生からの授業は大切にしていますが、とともに、外部の方々に来ていただいての「出前授業」「ゲストティチャー」などもなるべく多く取り入れるようにしています。
昨日も、そんな取り組みの一つが、2年生で行われました。
今日は、その様子をお話しします。
昨日、千原台高校に来ていただいたのは、「熊本市選挙管理委員会事務局」及び「NPO法人ドットジェイピー熊本支部」の皆さんです。
「熊本市選挙管理委員会事務局」の皆さんについては、読んで字のごとく、先日の衆議院選挙をはじめとする様々な選挙に関わるお仕事をされている、いわば「選挙のプロ」の方々です。
そして、「NPO法人ドットジェイピー熊本支部」の皆さんは、「若者に選挙や政治に参加する大切さを伝えていきたい」ということを目標に活動している大学生の皆さんです。
会のはじめに「校長挨拶」を依頼されていましたので、私は、次のような話をしました。
「今日は、『熊本市選挙管理委員会事務局』の皆様をはじめ、多くの皆さんのお力をお借りしてこのような時間を設けていただいたことに、感謝申し上げます。
さて、生徒の皆さん、よくマスコミ等で『若者の選挙離れ・政治離れは大きな問題である』というような報道がされていますが、そのような報道を聴いたことがある人、手を挙げてもらっていいですか。」
ほとんどの生徒の手が挙がりました。
次に、こう続けました。
「そんな中で、現在は、18歳で選挙権が与えられますので、皆さんも1年後には、ほぼ全員が選挙権を持つことになります。
『選挙権を持った1回目の選挙には、必ず行く!』と決めているという人、手を挙げてもらっていいですか。」
手を挙げた生徒は、約200名中、一人だけでした。
これが悲しい現実です。
そして、
「きっと、今日、この授業が終わった時には、全員の手が挙がるようになるのではないかと期待しています。」
その後、私が「選挙で投票することは大切であると考える二つの理由」について説明しました。
その一つ目の理由は、「選挙の歴史」にあります。
皆さんもご存知の通り、選挙権は初めからすべての国民が有していたわけではありません。
日本で、初めて選挙が行われたのは1887年。今から約135年前のことです。
大日本帝国憲法のもとに定められた「選挙権」は、「直接国民税を15円以上納めた25歳以上の男子」となっていました。
その後、1946年に日本国憲法が定められ、「20歳以上のすべての男女」となり、2015年に成立した法律により「18歳選挙権」が定まりました。
このようにすべての人が「選挙権」を有するまでには、歴史とそれを目指してきた人たちの多くの努力があるということです。
ですから、このようにして得た貴重な「権利」なので、「行使」した方が良いというのが、一つ目の理由です。
二つ目の理由について、こう話しました。
「私は、20歳で選挙権を得て以来、すべての選挙で投票しています。
それは、なぜだと思いますか?
この前の衆議院選挙を思い出してください。午後8時を過ぎるとテレビ番組は、一斉に選挙関連の番組になり、どのチャンネルをみても選挙、選挙でしたよね。
そんな中で、自分が投票と言う行動をして、そこに「参加」していないとワクワクしないからです。
自分は参加せずに、外でみているより、自分も参加して、常にワクワクしていたいというのが、私の考えです。」
このような「校長挨拶」に引き続き、選挙管理委員会事務局の方から「行こう選挙!変えよう未来!」というテーマでの講話がおこなわれました。
続いて、「NPO法人ドットジェイピー熊本支部」の皆さんが立候補者に扮しての「立会演説」。
そして、本物の「記帳台」と「投票箱」を使って、すべての生徒が「投票」を経験しました。
その後、開票の様子を見学して「模擬選挙」の結果を聴き、授業は終わりました。
最後に挙手はしてもらっていませんが、この「模擬選挙」を経験して、「自分は選挙に行くぞ!」と多くの生徒たちが決意してくれたことだと思います。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように。