YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

皆が関わる! 「校則の見直し」進行中…

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

今、熊本市教育委員会の主導により、熊本市内のすべての小学校、中学校、高校で取り組んでいることがあります。

それは、「校則の見直し」です。

社会的にも「ブラック校則」という言葉が市民権を得ている昨今ですが、確かに学校の「校則」には、今の社会情勢からみると「うん?」と思えるような規則が残っているという事実があります。

その背景には、いわゆる「荒れた学校」が続出した「平成初期の時代」に「校則」によって生徒たちを管理するという手法で学校の秩序を守ってきたという日本の学校教育の歴史があります。

私自身も、中学校の教師として、いわゆる「荒れた学校」に勤務した経験があります。

当時、一番大切に考えていたことは、「学校内の秩序の堅持」でした。

いわゆる「非行」を繰り返す一部の生徒たちのために、普通に学習したいと願う多くの生徒たちの「学習権」が脅かされているという状況の中で、彼らを力で制し、おとなしくさせることが自分の責務であると信じて仕事をしていました。

そのよりどころとなっていたのが、「校則」でした。

しかし、その手法が「非行」を繰り返す生徒たちに通じることはなく、校内や周辺の施設のいたるところに、スプレーで、

「南、死ね」

という落書きがされる状況でした。

そして、そうした状況から脱することが出来たのは、自分自身の「指導観」が少しずつ変化してきてからでした。

「力の生徒指導」から「承認の生徒指導」への転換です。

「非行」を繰り返す生徒たちの根底にあるのは、「誰にも承認されていない」という「寂しさ」と「誰かに自分のことを認めてほしい」という「承認欲求」であることが少しずつ理解できるようになり、「非行」自体を認めることは出来ないけれど、その生徒たちの中にある「承認欲求」はどの部分なのかを観察し、それを踏まえて指導するように変わっていきました。

そのことにより、学校は少しずつ少しずつ落ち着いていき、現在に至っています。

そして、その過程で出来てきた様々な「校則」が、今もそのままになっていて、現在の社会情勢とかみ合わなくなってきているというのが、世に言われる「ブラック校則」誕生の過程なのです。

しかし、「荒れた学校」を経験してきた多くの教職員の中には、これを変えていくことにより、また、その時代の学校に戻ってしまうのではないかという一種の「恐怖感」のようなものがあるのも事実です。

このような背景の中で進んでいるのが、現在の「校則の見直し」です。

今回、熊本市教育委員会からは、「校則の見直しに当たっては、教職員、生徒、保護者の意見を取り入れて行うこと」と通知がされており、「一部の教職員だけで決める」ということがないようにと指導されています。

現在、千原台高校でも生徒会を中心として、どのように生徒や保護者の意見を吸い上げていくのかを検討しているところです。

昨日は、この件について、外部のアドバイザーからの助言を受けました。

年度末に向けて、これから色々な取り組みを続けていくことになります。その状況については、また、今後のブログでお話ししていきたいと思います。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように。