YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

(続)熊本市 中学部活を継続! 「中間報告」の3つのポイント

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

今日のタイトルは、

(続)熊本市 中学部活を継続! 「中間報告」の3つのポイント

です。

昨日(11月29日)に行われた「第8回 熊本市部活動改革検討委員会」の場で、委員長から教育長へ「中間報告書」が渡されました。この会に「関係学校長(熊本市教委事務局の一員)」として出席して来ましたので、今日は、この話題をお話しします。よろしくお付き合いください。

前回の「第7回 熊本市部活動改革検討委員会」の様子をお話ししたブログには、X(旧ツイッター)を通してお読みいただいた読者の方を中心にたいへん多くの反響をいただきました。

ただ、その多くは熊本市の決めた方向性に対する反対意見でした。

そこで、今回は熊本市の方向性を少しでもご理解いただくために、私が中間報告を読んで、ポイントとなると感じた点3つを解説したいと思います。

[ポイント①] 指導に当たるのは、部活指導を希望する教職員+地域の人材

中間報告の「3,改革の基本方針」の前文には、次のように記されています。

「教職員や地域人材で指導を希望する者が指導することを前提に、本市の学校部活動は今後も継続させる。」

つまり、現在のように「教職員のほぼ全員が何らかの部活動の顧問または副顧問となる」という熊本市の現状は改善されるということです。

市教委が事前に行った教職員へのアンケートによると、約4割の教職員が「部活動の教育的意義を感じ」、「部活動の指導を続けたい」と答えています。

ここで「指導を続けたい」と答えている教職員と「部活動の指導を希望する地域人材」で部活動を運営していくという方針が示されているのです。

[ポイント②] 部活指導者には、教職員にも地域人材にも同額の指導の対価を支払う

中間報告の「4,実現に向けた具体的施策 (4)基本方針Ⅳ 持続可能な運営費用を確保し、全ての指導者に適正対価を支払う」には、次のように記されています。

「① 指導者への支払いについては、教職員も含めて適正な額を設定する。」

つまり、平日の部活動指導を行った教職員に対しても対価が支払われるということであり、おもに放課後、教師にとっては勤務時間外に「残業」としておこなっている仕事に対価を支払うということです。

教師の仕事には「原則として残業手当は支払われない」という現在のシステムの中での「定額働かせ放題」といった状況に風穴を開ける可能性があります。

これは画期的なことだと思っています。

[ポイント③] 受益者負担の考え方も検討

[ポイント②]を実現するためには、当然、「財源」が必要になります。

その点について、中間報告の「4,実現に向けた具体的施策 (4)基本方針Ⅳ 持続可能な運営費用を確保し、全ての指導者に適正対価を支払う」では、次のように記しています。

「④ 指導に係る費用については、公費負担を念頭に置きつつも、受益者負担の在り方についても検討を行う。」

指導者の指導手当の全額を熊本市が「公費負担」してくれれば、それが一番の理想ですが、現在の財政状況を考えると、それはとてもハードルが高いと私も感じています。

そこで、必要になるのが「受益者負担の在り方についての検討」ということです。

昨日の「第8回 熊本市部活動改革検討委員会」でも「協議」の中で一番長い時間を費やしたのが、「指導費に係る受益者負担の在り方について」でした。

ここで、ポイントにあげたこと以外にも、「部活動の数を減らすための合同部活動のあり方」、それを司る「コーディネーターの配置」、指導者確保のための「人材バンクの運用」など、課題は山積みですが、熊本市の多くの生徒たちが、スポーツ・文化に触れる機会を持てるように検討を重ねていきます。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。