どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
昨日(7月12日)、天皇杯3回戦サガン鳥栖対ロアッソ熊本の試合が行われ、ロアッソ熊本が2点のビハインドを追いつき、一旦は勝ち越し点を奪われるものの、その後、2ゴールを奪い、見事な逆転勝利をおさめました。今日は、この一戦を振り返ります。よろしくお付き合いください。
熊本の先発メンバーは、
GK 田代
DF 黒木、江崎、大西
MF 大本、上村、竹本、平川
FW 島村、粟飯原、松岡
熊本にとっては、中二日、中三日の8連戦中の7戦目ということで、「ターンオーバー」も考えられる状況でしたが、そのようなことはなく、現時点での「ベストメンバー」と言える布陣でこの一戦に臨みます。
対する鳥栖は、4-2-3-1の布陣。こちらは、対照的に先週のJ1リーグFC東京戦から9名を入れ替えるという「完全ターンオーバー」の先発を組んで来ました。昨シーズンまで熊本の主将を務めた注目のMF河原もベンチスタートです。
とは言え、J1での実績も十分で「格上」と言える鳥栖が、前半は厳しい守備からボールを奪い、熊本のゴールに迫ります。
前半11分にDF福田が、前半38分にはMF西川がゴールを決めて、2-0と鳥栖がリードしてハーフタイムを迎えました。
そこで、熊本ベンチは粟飯原→伊東という1枚目の交代カードを切ります。
後半の開始からピッチに立った伊東が積極的にボールを受けたこともあり、徐々に熊本本来のパス回しがみられるようになってきました。
そんな後半7分、松岡のシュートが鳥栖のゴールネットを揺らして、熊本の反撃ののろしがあがりました。
続く後半12分にも再び松岡がゴールを決めて、2-2の同点とします。
「一気に逆転弾を!」という期待が高まったのですが…。
わずか5分後の後半17分に、交代でピッチに入ってきたばかりの鳥栖のMF横山に勝ち越しゴールを決められてしまいます。
何とか再び追いつきたい熊本は、大本→阿部、松岡→東山とカードを切って、得点を奪いにいきますが、ゴールを決めることは出来ません。
そして、後半43分、最後の交代選手として投入されたのは、17歳の高校生ストライカー道脇でした。
これまで、リーグ戦でも何度もこのような状況でピッチに立つも、ゴールを奪えていなかった道脇でしたが…。
この試合は違いました。
投入直後の後半45分、左からのクロスに合わせて、長身を活かしたヘディングシュートを放つと、これが見事に鳥栖のゴールネットを揺らしました。
熊本にとっての貴重な同点ゴールとなるとともに、道脇自身にとっても「プロ入り後公式戦初ゴール」です!
3-3の同点のまま、後半終了のホイッスルが鳴り、試合は延長戦へ。
そして、延長前半5分、ゴールに背を向けてボールを足元におさめた道脇が、振り向きざまに右足を振り抜くと、ボールは鳥栖のネットに突き刺さり、劇的な逆転ゴールを奪います。
試合はこのまま終了。4-3で熊本が見事な逆転勝利をおさめ、天皇杯4回戦への進出を決めました。
この試合で熊本が得たものが三つあります。
一つ目は、「2点のビハインドから逆転勝利をおさめた」という自信です。今シーズンの熊本は、先取点を奪うと高い勝率を誇っていましたが、逆に先取点を奪われると苦杯をなめる試合の連続でした。これを覆した自信は大きいと考えます。
二つ目は、「途中交代メンバーの躍動」です。これは、私が、「熊本が後半戦に躍進するための条件」と考えていた部分であり、これも大きなプラスポイントです。
そして、三つ目は何と言っても「道脇の覚醒」です。今後の彼のプレーへの期待がさらに高まります。
この勢いに乗って、次のJ2リーグ大分戦も勝利をもぎ取りましょう!
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。