どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
今日、1月9日、千原台高校の3学期がスタートします。
ということで、今日のブログでは、今日行う始業式での「校長訓話」の全文を一足先に「完全公開」します!よろしくお付き合いください。
【令和5年度 3学期始業式 校長訓話】
皆さん、あけましておめでとうございます。
2024年、令和6年という新しい年がスタートしました。
そのスタートの日である1月1日には、能登半島で震度7を記録する大地震が起きました。
この地震でお亡くなりになった皆さんに心より哀悼の意を示すとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。
私たちも7年前に熊本地震を経験しており、今後、自分たちにも出来ることが何かないかを考えていきたいと思います。
さて、皆さんの年末年始はいかがでしたか?
今日は、私が年末年始に感動したことを3つお話しします。
一つ目は、12月24日に行われた「全国高校女子駅伝大会」でのことです。テレビで応援してくれた人たちも多かったことだと思います。私は、京都まで行って応援してきました。
レース後の新聞報道等でもあったように、ここまでチームを引っ張ってきた3年生でキャプテンの本田さんが大会の1週間前に負傷するというアクシデントに見舞われるな中でも必死にタスキをつなぎ、全国大会の舞台を完走するという大きな財産を後輩たちに残してくれました。このような経験が「伝統」として間違いなく後輩たちに受け継がれていくのだと感じ、たいへん感動しました。
女子陸上部の皆さん、お疲れ様でした。
次にお話ししたいのは、1月2日に発生した日航機と海上保安庁の航空機の接触事故についてです。
テレビ等の報道で多くの人が炎上する日航機の映像を目にしたことだと思います。はじめは、乗客・乗員の皆さんの安否が報道されておらず、最悪の事態を想像していたのですが、「乗客・乗員は全員無事に脱出」という報道を聞いた時には、ほっと胸をなでおろしました。
そして、あの状況の中で「全員が無事に脱出」できたことは、欧米の新聞等では「奇跡の脱出」と報じられています。私もまさにその通りだと思います。
この奇跡を起こした要因は二つあると言われています。
一つ目は、日ごろからの訓練が活かされたという点です。
そして、もう一つが「機長の指示を待たずに、3つ目の非常口を解放したキャビンアテンダントの決断」です。訓練では、どの非常口を開放するかは「機長判断」となっていたそうですが、衝突の衝撃で機内の通信システムが機能せず、機長との連絡がつかない状況でした。そこで、その場の出火の状況をみて、キャビンアテンダントが自分の判断で3つ目の非常口を解放したということです。
この「決断」が「全員無事脱出」という奇跡の大きな要因となりました。
ここから私たちが学ぶべきは、最後に物を言うのは個人としての「判断・決断」であるという点です。
皆さんにも、いつのそのような重大な「決断」の機会が訪れるかわかりません。ですから、日ごろの生活の中から「自分で考えて、判断して行動する」という習慣をつけておいてほしいと思います。
三つ目は、1月3日の出来事です。
この日は、千原台高校のサッカー部が「初蹴り」を朝から行っていたので、挨拶に出向きました。「初蹴り」には、毎年、サッカー部のOBの皆さんが参加してくれています。この日も多くのOBが来てくれていました。
2年前に卒業した皆さんの中には、この春に専門学校や予備校を卒業予定で、進路が内定している人が何人かいて、私のところに進路先の報告をしに来てくれました。
「県内の大手工業所に決まりました。」
「僕は、不動産業者に決まりました。」
「ストレッチトレーナーとして働きます。」
「競輪学校の1次試験に合格しました。」
などと報告してくれました。
そんな中で、一人の卒業生が、
「外務省です。」
と答えました。
「うん?
外務省って、あの外務省?
官僚になるの?」
「はい。東京の外務省です。」
私は、本当に驚きました。
彼は、健康スポーツコースの出身で、千原台高校に在籍していたころは決して「秀才タイプ」ではなかったからです。というより、かなり勉強は苦手な生徒でした。
そんな彼が、「外務省に内定し、官僚になる」というのです。
「勉強は苦手だったので、卒業後『予備校の公務員コース』に進んでから、中学校の勉強からやり直しました。」
「その結果、外務省だけでなく、東京都庁、福岡県警、熊本県警、高森町役場、大津町役場などからも内定をいただいたんですが、外務省に行くことに決めました。」
というのです。
なんという素晴らしい話でしょうか。
彼の功績から「人は、心のエネルギーに火が付くと、様々なことを達成することができる。」ということを学ぶことができます。
皆さんの心のエネルギーが点火する1年になるように、私たちも教職員も全力でサポートしていきたいと思います。
さて、今日から3学期が始まります。
私は、「3学期は、来年度、好スタートを切るための『助走の学期』だ」と考えています。「良い助走」がない限り、「大ジャンプ」は出来ません。
皆さんがジャンプするために一つ課題になっていることがあります。
それは、「朝の登校時間の遅さ」です。
来年度の「大ジャンプ」のために、この3学期は、全校生徒で「早めの登校」を心掛け、学校生活で「一生懸命はカッコイイ」姿をたくさん見せるための良い準備をしていってほしいと思います。
今日からの3学期を充実した毎日にしていきましょう。
これで、始業式の話を終わります。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。