どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
昨日の(前編)では、アルゼンチンのスカローニ監督が、ディマリアを右FWに起用する4-3-3の布陣で先発を組んだことにより、前半をほぼ完璧な内容で2-0とリードして終えたこと。
これに対して、フランスのデシャン監督が、交替策で流れを変えようとしたというところまでお話ししました。
今日は、その続きです。
デシャン監督は、前半の40分に2枚の交替カードを切りました。
ジルー、デンベレ→チュラム、コロムアニ。
この交替には、2つの驚きがありました。一つは、今大会4得点をあげて攻撃の中心となっていたジルーをベンチに下げたこと。もう一つは、前半のうちに2枚のカードを切ったことです。
ただ、それだけ「フランスにとってはヤバい流れ」になっていたとも言えます。
しかし、この交替だけでは流れは変わりませんでした。
後半26分にデシャン監督は、「次の一手」を打ちます。グリーズマン、テオ・エルナンデス→コマン、カマビンガの2枚替えです。
この交替は、さらに大きな驚きでした。
フランスの「大黒柱」であるグリーズマンをベンチに下げたからです。また、ここで起用したカマビンガは20歳の新鋭ということにも驚きました。
この交替により、前線にコマン、コロムアニ、チュラム、エムバぺの4人を並べる実質4-2-4の布陣を敷いたのです。
中盤の争いが重視される現代サッカーで、4-2-4というのはほとんど使われることがないフォーメーションですが、この試合ではこの布陣が実を結びます。
中盤を2枚にされたことで、アルゼンチンの中盤での厳しい守備がしにくくなったこと。前線に4枚を置かれたことで、アルゼンチンが後ろに枚数をかけざるを得なくなったこと。前線の真ん中に入ったチュラム、コロムアニは192cm、187cmという長身選手で、フランスは前線に「高さ」という武器を持てるようになったことなどが、流れを変えた理由でした。
この交替をみて、私は、アルゼンチンが2-0とリードしながら、高さで攻めてきたオランダに2-2と追いつかれた準々決勝を思い出していました。
そして、ついに後半34分、コロムアニがドリブルでペナルティーエリアに進入したところでファールを受け、フランスがPKを得ます。これをエムバぺが決めて、2-1とし、さらに後半37分には、これも交替で入ったコマンのドリブルを起点にして、最後はエムバぺの美しいボレーシュートがゴールネットを揺らし、フランスが同点に追いつきます。
今度は、スカローニ監督が手を打ちます。
延長戦に入った延長前半の12分、デパウル、アルバレス→パレデス、ラウタロ・マルティネスの2枚替えです。
この交替で入ったデパウルは、アンカーポジションですが、守備時にはセンターバックの真ん中に入って5バックのような布陣になりました。
これにより、流れは再びアルゼンチンへ。
そして、延長前半14分、ラウタロのシュートのリバウンドにメッシが合わせて勝ち越し弾を決めました!
しかし、これでも決着がつきません。
延長後半の12分に今度はフランスがPKを獲得。これを再びエムバぺが決めて、3-3の同点。試合はPK戦での決着にもつれ込みました。
このPK戦でも両監督の采配が出るのですが…
この続きは、明日の(後編)でお話しします。
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