YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

私がやっている 三つの自己投資

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

さて、今日のタイトルは「私がやっている 三つの自己投資」です。

昨日読んだ本「ファーストクラスに乗る人の自己投資」中谷彰宏著(きずな出版)を参考にして、自分の生活を振り返り、「自己投資」について考えてみました。

「投資」という言葉の意味を辞書で調べてみると、

「利益を得る目的で、事業・不動産・証券などに資金を投入すること。転じて、将来を見込んで金銭や力をつぎ込むこと」

となっています。

ここで言う「自己投資」での「投資」は、「転じて」以降の意味、つまり

「将来を見込んで自分自身に金銭や力をつぎ込むこと」

ととらえることが出来ます。

さらに、私なりの解釈として「力」を「時間」と変換してとらえてみると今の自分を分析しやすいと考えました。

そこで、今の自分の「金銭」と「時間」の使い方を振り返ってみます。

まずは、「金銭」です。「金銭」の使い方を振り返るときに、まず知っておいた方が良いことがあります。それは、「投資」と「消費」と「浪費」の違いです。

「投資」の意味は前述の通りです。

「消費」とは、「生きていく上で必要なことに使うお金」というふうに、私はとらえています。私の場合で言えば、40歳で建てたマイホームのローン、子供たちの教育費、毎日の食費などがこれに当たります。

「浪費」とは、「生きていくために必要とまでは言えないが、自分の快楽のために使うお金」と考えています。

私の場合、「サッカー中継をみるために必要なダゾーンの料金」、「映画をみるために必要なネットフリックスの代金」、「読書するための本の代金」、「週末に飲むことにしているワインの代金」などです。今は、コロナのためにストップしていますが、コロナ前にはたくさんのお金を使っていた「飲み会代」もここに入ります。あと、私はやりませんが、「パチンコや競輪、競馬、競艇などのギャンブルにかかるお金」も当然ここに入ります。

この三つの「お金の使い方」で大切なことは何でしょうか?

もう、皆さんもお気づきですよね。

それは、「消費」は生きていく上で必要なお金ですから、いかに「浪費」を抑えて「投資」を増やすかということです。

しかし、「投資」の意味を最初にお話しした辞書の意味の前者でとらえて場合の「投資」と「消費」だけの人生は幸せと言えるでしょうか?

稼いだお金を、必要なことに使う「消費」と事業・不動産・証券などを購入する「投資」に費やす。私には、とても幸せな人生には思えません。

そこで、「投資」の意味を後者の「将来を見込んでつぎ込む金銭」と捉えます。

すると、「浪費」としてあげた金銭の使い方が「投資」に転じます。

私の場合、先ほどあげた使い方の中で「サッカーを観るためのダゾーンの料金」「読書するための本の代金」は、実は「浪費」ではなく「投資」になります。

なぜ、この二つが「投資」なのか?

「自己投資」のもう一つのポイントとしてあげた「時間」の使い方と関連しています。

私の「時間」の使い方の中で「自己投資」だと考えるものが三つあります。

それは、「読書」「ブログの執筆」「YouTubeの発信」です。

ですから、これを行うために必要な「本の代金」「ダゾーンの代金」は、私にとっては「投資」になるわけです。

つまり、同じものに「お金」を使っても、自分の「時間」をどう使うのか?人生の目的をどこに定めるのか?によって、「浪費」を「投資」に転換することが出来ます。

人生100年時代。今までの人生で、まだ私はファーストクラスに乗ってはいませんが、今後の人生で「ファーストクラスに乗る人」の仲間入りが出来るように、これからも「自己投資」を続けていきます。

「56歳、伸び盛り!」の南弘一でした。

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南弘一 - YouTube

 今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。素敵な木曜日をお過ごしください。

 

待望の日本語講師を採用 同窓の絆に感謝!

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

千原台高校には、外国にルーツを持つ生徒たちが何人か在籍していることは、以前のブログでお話ししました。そして、それをブログに書いたことをきっかけとして、私の高校の先輩で元アナウンサーの清原憲一さんが、ボランティアとして「日本語教室」の講師役を引き受けてくださっていることもお話しました。

今も、二人の生徒たちが清原さんから「日本語の発声、発話」を楽しく伝授していただいています。

ただ、日本に来てからの日が浅く、「日本語の発声、発話」の教室にはついていけないレベルの生徒もいて、その生徒には「日本語指導の資格」を有した講師が必要であるということになり、「日本語指導の非常勤講師」の募集をしていました。

千原台高校は熊本市立の高校で、いわゆる公立高校です。公立高校で「日本語指導」という教育課程外(授業と認められている教科以外)の講師を募集することは異例のことです。熊本市教育委員会に生徒の現状を伝え、交渉を重ねた結果、暫定措置として何とか認めてもらい、ようやくホームページに「非常勤講師募集」の掲示をすることが出来ました。

しかし、現在の教育界は「深刻な人手不足」。教科の講師、非常勤講師の募集にも応募がなくて、困っている学校がたくさんあります。千原台高校の「日本語指導・非常勤講師」にも応募が来ない日々が続いていました。

そんなとき、一通のメールが届きました。

「8月恒例の学年同窓会は、コロナのために今年も中止します。来年こそは、また、笑顔で会いたいですね…」

そっかー。今年も中止かー。寂しいけど仕方ないなあと思いつつ、差出人の名前をみました。

差出人は、井野(旧制佐野)成美さん。高校時代のクラスメイトで高校卒業以来ずっと同窓会のクラス幹事をしてくれています。

「了解しました。残念ですが仕方ないですね。また、笑顔で会える日を楽しみにしています。」

と返信した後に、一つの記憶が蘇りました。

それは、2年前の同窓会で佐野さん(旧姓が呼び慣れているので、こちらで呼ばせていただきます。ご容赦ください。)が、

「私、今、日本語教師をしよっとたい。(してるのよ)」

と話していた光景です。

学校で事務長に

「日本語講師の応募、まだ、来ていませんよね?」

と確認をとり、早速、佐野さんに連絡してみたのが一昨日のことです。

「ご無沙汰しています。南です。以前、お会いした時に外国人の日本語指導のお仕事をされていたとお聞きしたのを思い出し、連絡しています。

私は、今、千原台高校の校長をしているのですが、本校で外国にルーツを持つ生徒の日本語指導をしてくれる非常勤講師を探しています。お力をお借りできないか?という相談です。

都合のつかれる時間を教えていただいて、こちらから、一度お電話をしたいと思っています。

お電話で話せる時間を知らせていただけると嬉しいです。」

すると、約2時間後、次のような返信が来ました。

「承知しました。今、前期試験で博多です。終了後に連絡しますね。ありがとうございます。」

佐野さんは、今も現役で日本語指導の講師をされていて、週に3日、福岡県の博多にある専門学校にお勤めでした。

その後、電話が通じて事情をお話ししてみると

「わかった。月水金は、博多に行くけど、火曜と水曜は空いてるけん、私で力になれるならよかよ(いいよ)。」

と言ってくれました。

そして、昨日、学校に来ていただき、面接、採用となったわけです。

早速、該当の生徒と顔合わせをしてもらい、来週から授業のスタートです。

同窓生の絆に感謝!感謝!です。

佐野さんは、高校時代からいつも元気で、明るくて、男女関係なくとても多くの人たちに親しまれる人柄でした。剣道部に所属していたのですが、同学年の女子部員は彼女一人だけでした。そんな環境の中で、三年間、部活動をやり通した彼女ですから、私のような体育会系男子のことも

「しっかりせんね!」

と叱り飛ばしてくれるようなクラスの元気印!

そんなわけで、高時代の成績も私なんかよりずっと優秀だったのですが、多くの生徒が大学へ進学する中で

「自分は就職する!」

と公務員試験を受けられ、農林水産省食糧庁へ就職されました。その後、しばらくは熊本に勤務されましたが、平成23年からは、農林水産省の貿易調整係長を拝命され、霞が関でいわゆる「ノンキャリア官僚」として活躍されています。

その2年後に、親御さんが体調を崩されたことで退職されて熊本に戻られました。それから、日本語講師の資格を取得して現在に至るという、まさに「スーパーウーマン」です。

さらに、昨日お会いして名刺を交換すると「日本語教師」のほかに「申請取次行政書士・なるみ行政書士事務所代表」の肩書が・・・ 事情を聴くと

「日本に来た外国人の子たちに日本語を教えてるんだけど、言葉だけでは解決できない問題がいろいろあるとたい。このままだと日本に来たことを後悔したり、日本人を恨んだりしてしまう。だけん、一人ぐらい『この人がいて良かった』と思ってもらえる日本人がいてもいいかなと思って、在留資格の手続きとかもしてあげられるように行政書士も始めちゃった!」

何という素晴らしいこころざし!何というバイタリティー

こんな素敵な講師をお招きできたことに本当に感謝です。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。週の半ばの水曜日。素敵な一日をお過ごしください。

 

地域に愛される高校! 二つの会議に参加して・・・

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

昨日は、午後から立て続けに二つの会議に参加しました。「学校評議員会」と「校区自治協議会」です。

今日は、この二つの会議に出て感じたことをお話しします。

「学校評議員会」は、千原台高校が主催する会議で、熊本市教育委員会が委嘱した4名の学校評議員さんに来ていただき、本校の現状を報告し、本校の学校経営についてのご助言をいただくことを目的に開催しています。学校評議員会のメンバーは、同窓会から1名、元PTA役員の方1名、地域の住民の方1名、近隣の中学校長1名という構成です。

まずは、教務部、情報部、生徒部、進路部、健康教育部から本校の現状を報告しました。その後、委員さんから事前にいただいていた質問項目に回答し、それをもとに意見交換をしました。

そこで出された要望や意見の主なものは、

日商簿記検定の合格者を増やしてほしい。」

「eスポーツ部が活躍しているが、ゲームのやりすぎによるゲーム依存などにならないか心配している。」

「職業講話を開催されているが、その講師陣にぜひとも保護者も加えてほしい。」

などでした。

それに対して学校からは、

「簿記をはじめとした各種検定には、本校でも力を入れていて、特に『ITパスポーツ検定』では、県内一の合格者を出しています。日商簿記はレベルが高いですが、挑戦していきます。」

「eスポーツ部の健康管理については、大学の専門家に調査・研究にはいっていただいていて、今のところ健康被害は出ていません。逆に、内向的だった生徒が、部活として活動し団体戦を戦う中で意見を言い合うようになり、コミュニケーション力がついたという効能もみられています。引き続き、健康管理をしっかりとしながら活動していきます。」

「今のところ、職業講話の講師に保護者の方はおられませんが、今後、企画する際には、ご参加いただけないかを検討していきます。」

などと回答しました。

そして、最後に地域住民の方からご意見をいただきました。

「私は、ここの卒業生でもありますが、同時に地域住民として『まちづくり委員会』の役員もしています。様々な運動部の活躍や各種検定の合格者増などに喜びを感じているところですが、もうひとつ、千原台高校には誇れるものがあると思っています。それは『ボランティア活動』に取り組む生徒たちの姿です。『まちづくり委員会』の活動もコロナで中止続きとなっていますが、10月には活動を再開していこうと話し合っています。その中で『高校生にも参加してほしい』という意見が出ました。『千原台高校に呼びかけるとバッチリたい!』と答えておきました。生徒たちと一緒に活動できる日を楽しみにしています。」

とてもありがたいご意見です。

本校には、約60名の部員が所属する「ボランティア部」があります。この生徒たちを中心に近隣小学校での挨拶運動・清掃活動、ユニセフの活動への協力、SDGsに関する活動など様々なボランティア活動に日頃から多くの生徒たちが参加してくれています。「まちづくり委員会」が主催される行事にもきっとたくさんの生徒たちが参加してくれることだと思います。

続いて、夜に参加した「校区自治協議会」でもこんなことがありました。

「校区自治協議会」とは、「校区内の町内会長さん」が中心となる会で、そこに、「まちづくりセンター」「消防署」「交番」「小学校、中学校、高校、支援学校という校区内の学校」「高齢者支援施設」などの関係団体の責任者が加わります。さらに、「校区諸団体」として「まちづくり委員会」「社会福祉協議会」「自治連合会」「防災クラブ」「コミセン」などの責任者の方々も参加されています。

この会議でいつもお隣の席になるのが、小学校の校長先生です。会議の前に次のような会話をしました。

「先生、いつも『朝の挨拶運動』ありがとうございます。この前もあんなにたくさんの生徒さんに来ていただいて、職員もびっくりして『ありがたいねー』って言ってました。」

「今度、『12年を見通したキャリア教育』というテーマで学会で発表するのですが、小学校と高校との交流について、高校生の皆さんにもアンケートを取らせていただきたいのですが、よろしいですか?」

「もちろん、大丈夫です。小学生と交流させていただくことは、高校生にとっての教育効果もきっと大きいと思います。先生の研究の成果を聞かせていただくのを楽しみにしています。」

この二つの会議に参加して、千原台高校が、いかに「地域に愛される高校」として存在しているかを強く感じました。これからも、この「地域の愛」がされに高まるような学校にしていきたいと思います。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。素敵な一日をお過ごしください。

 

日本の相撲人気とドイツのサッカー人気 共通点は…

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

さて、昨日のスポーツ界の話題と言えば、大相撲名古屋場所が初日を迎えましたね。

私は、元々体育教師ですし、今でもサッカー解説の仕事もしていますので、スポーツ全般大好きです。もちろん、一番精通しているスポーツはサッカーですが、特にここ数年観戦を欠かさないスポーツが大相撲です。

教頭時代までは、夕方の時間にリアルタイムでテレビ観戦出来ませんでしたが、ありがたいことに校長室には、テレビが備えてありますので、5時に勤務時間が終わるとともにテレビをつけると「中入り後の後半戦」くらいから「結びの一番」までリアルタイムでテレビ観戦できます。

最近は、地元出身の正代関の活躍を特に楽しみにしていて、テレビの前から熱い声援を送ります。ちなみに正代関のお母様は、千原台高校のご出身です。先日、地元新聞社主催の「スポーツ大賞表彰式」でお会いする機会があり、ご挨拶させていただきました。

名古屋場所は、1年4か月ぶりの地方開催、横綱白鵬が進退をかけて臨む場所、照ノ富士の綱とりなど見所いっぱいです。そんな中で注目度が低くなり、プレッシャーから解放された正代関が優勝争いに絡んでくるのではないかと密かに期待しています。

昨日は、横綱大関陣全員が「白星スタート」でした。これから2週間、楽しみな毎日が続きます。

さて、一方、ヨーロッパに目を移すと、こちらはサッカーのヨーロッパチャンピオンを争う「ユーロ2020」がいよいよ大詰めを迎えています。

ベスト4が出そろい、スペイン対イタリア、イングランドデンマークという準決勝のカードとなりました。ラウンド16でドイツを2-0で下し、準々決勝でもウクライナを4-0で下しているイングランドが一番波に乗っているように思いますが、それほど単純に進まないのがサッカーの魅力でもあります。どこの国が「ヨーロッパナンバー1」の称号を手にするのか?こちらも注目です。

こんなことを考えている中で、思い出したエピソードがあります。

それは、今から15年くらい前、熊本市の中学生サッカー選手たちを率いて、ドイツのハイデルベルグ市(熊本市の友好姉妹都市)に親善試合に行った時のことです。

滞在の形式は、選手は選手の家族のところ、監督・コーチもドイツチームの監督・コーチの自宅でホームステイをするという形でした。滞在日数は10日間です。

相手チームの監督だったペーターも、私とよく似た環境で、本職は中学校の先生をしながら、日本でいう「トレセンコーチ」のような活動をしていて、地域の優秀な選手を対象にドイツサッカー協会の方針のもとに指導しているという人でした。

ただ、彼は独身だったので、彼のアパートの一部屋をお借りして、10日間をともに過ごしました。そんな日々の中で、彼のご両親にお会いするために彼の実家を訪ねた時のことです。

午後からアパートを出発し、車で1時間ほどの場所にある彼の実家を訪ね、夕食をともにすることになりました。彼の実家は、彼が住むハイデルベルグ市の郊外にあり、昔ながらのヨーロッパ風のお宅でした。リビングには、歴史がありそうな調度品が飾られています。

ご両親は、お二人とも柔和な方で「心穏やかな老夫婦」という印象です。ただ、私はドイツ語はあいさつ程度しか話せませんので、会話はペーターとご両親がドイツ語で行い、私と彼は英語です。私が彼に英語で話し、それを彼がドイツ語に訳してご両親に話す。ご両親がドイツ語で話された内容を英語に訳して私に伝えてくれるという形でした。

そんな中で、彼のお父様がお母様に対して、何かを言われたので、彼に

「今、お父さんは何と言われてたの?」

と尋ねると、

「父は、母に『今日は日曜日だから、サッカー中継があるだろ。そろそろテレビをつけなくちゃ』と言ってたんだよ。」

と教えてくれました。

この時のお父様の表情、口ぶり、どこかでみた光景に似ているぞ。と感じて、はっとしました。

それは、昨日のブログで書いた父方の祖父が

「そろそろ、相撲が始まるけんテレビばつけなん(テレビをつけなくちゃ)」

と言っていた表情、口ぶりです。

つまり、日本のお年寄りが相撲を楽しみにするのと同じ感覚でドイツのお年寄りがサッカーを楽しみにしているということです。ドイツにおける「サッカー文化」の奥深さを肌で感じたエピソードでした。

日本でも「サッカー文化」がますます根付いていくように、私も自分に出来ることを続けていきたいと思います。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。週のはじめの月曜日。素敵な一日をお過ごしください。

大樹から聞こえる蝉の声 遠い日の祖父との思い出…

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

今日は、日曜日です。というわけで、週末恒例の「朝のお散歩」に行ってきました。

すると、1週間前と大きく変わっていることがありました。それは、耳に聞こえる音です。

私が散歩する時間は、だいたい朝の6時過ぎの早朝です。その時間帝に散歩をし、耳にするのは、先週までは「小鳥のさえずり」でした。ところが、今週は「蝉のなき声」にかき消されて、ほとんど「小鳥のさえずり」が聞こえません。

蝉の鳴き声を聞きながら、大樹を見上げて歩いている時に、ふと思い出した光景がありました。それは、私が小学校低学年くらいの頃のことですから、かれこれ50年くらい前の光景です。

以前のブログでお話しましたが、私の父は熊本県益城町出身。私が住んでいる熊本市のお隣の町です。しかし、およそ50年前に父の実家を訪ねるには、路線バスに揺られて約1時間の小旅行が必要でした。

父の実家では、父方の祖父と祖母が二人暮らしをしていました。もう二人とも現役の仕事は引退し、祖母は毎朝のゲートボールを楽しみに、祖父は家庭菜園での野菜作りを楽しむという生活です。

この季節、そんな祖父のところを訪ねる時に、私には楽しみにしていたことがありました。それは、「カブトムシ・クワガタ捕り」です。

当時の益城町には、豊かな自然がたくさん残っていて、祖父が暮らす家から10分ほど歩くとそこには、自然の森林が開けていました。

夜明け前の時間に起きて、祖父と父と私の3人で、その森林に向かいます。そして、樹液を吸うためにカブトムシやクワガタが訪れていそうな大樹を見つけると、祖父がその木の幹を思い切り一蹴り!

すると、大量のカブトムシやクワガタが木の上の方から落ちてきます。虫かごを抱えた私は、落ちてきたカブトムシやクワガタを急いで手でつかみ、虫かごに捕獲します。

もちろん、狙うは大型のオスです。こうして、捕獲したカブトムシやクワガタを虫かごに入れて熊本市の自宅へ持ち帰り、育てるのが少年時代の私の夏の楽しみでした。

そんな祖父が亡くなったのは、私が26歳のときでしたので、亡くなってからすでに30年の月日が流れました。

祖父は、お酒と相撲が大好きでした。相撲が始まると焼酎を飲みながら、相撲観戦です。相撲が終わる6時になると、私は翌日は学校ですので熊本市内の自宅に帰らなければいけません。すると、祖父は必ず

「こうちゃん、もう一日泊まっていきなっせ。」

と言います。

「じいちゃん、明日は学校だけん、泊まられんとたい。また、来るけん。」

と祖父の家を後にします。

その時の祖父の柔和な笑顔が私の心の中の祖父の顔です。

時は流れて、そんな私も二人の孫の「じいちゃん」となり、今日から始まる大相撲名古屋場所を楽しみにする年齢となりました。

私の孫は、今、4歳と0歳。二人とも女の子なので一緒に「クワガタ捕り」が出来るかはわかりませんが、今日の夕方は、祖父の顔を思い出しながら、地元出身の正代関の相撲をテレビで応援したいと思います。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。今日一日が、皆さんにとって素敵な日曜日でありますように。

「学校がきれいになりましたね!」 数多き掃除の効能

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

昨日、うれしいことがありました。それは、学校の階段を歩いている時に一人の先生から声をかけられ、

「校長先生、いつも朝から掃除していただいて、ありがとうございます。そのおかげで学校がとてもきれいになったと思います。以前は、パンの袋とかお菓子の袋とか結構落ちてたんですよ。今、全然ありませんもんね。私は20年以上ここに勤めていますが、今の学校が一番きれいですよ。先生のおかげです。」

と言っていただきました。

この先生は、大ベテランの先生で本校で20年以上勤務されています。

毎朝、私が掃除をしている時に自転車で学校に来られ、

「校長先生、いつもありがとうございます。」

と声をかけていただいています。

私は、毎朝、15分ほどですが校門から生徒の自転車置き場までの100mくらいの通路の掃き掃除をしています。

その掃除だけで学校中をきれいにすることは、物理的には無理なお話です。しかし、たしかに、私が赴任した1年3か月前よりも確実に「学校中がきれいになっている」という実感はあります。

ここには、いくつかの心理学的・脳科学的な作用が働いています。

一つ目は、「割れ窓理論」です。

前述の先生の言葉によると、以前は、私が毎朝掃除をしている場所にパンの袋やお菓子の袋がよく落ちていたそうですが、今は全く見当たりません。人は、ごみがある場所にはごみを捨てがちです。これが「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓も壊される」という「割れ窓理論」です。ごみのないところにごみを捨てるのはちょっと気が引けるものです。なので、常にきれいにしておくと、そこはいつもきれいなままなのです。

二つ目は、「ミラーニューロン機能」です。

脳には、「いつも目にしていることを自然と自分も行ってしまう」という機能が備わっています。これが「ミラーニューロン機能」です。最初は、私一人ではじめた「朝掃除」でしたが、昨年から一人の若手の先生が毎朝掃除をしてくれています。そして、今年度は、野球部の1年生部員とマネージャーが、毎朝、校庭の草取りや生徒昇降口の掃き掃除、拭き掃除をしてくれています。全校の生徒たちが、その姿を毎朝目にするわけです。ここに「ミラーニューロン機能」が働き、全校生徒の掃除に対する意識が高まったと考えられます。

三つめが「シロクマ効果」の排除です。

これは、「皮肉過程理論」とも呼ばれていて、「何かを考えないように努力すればするほど、考えてしまうという現象を説明する理論」です。

本校の校舎は2014年に新築されており、築7年でとてもきれいです。しかし、赴任した当時は、生徒昇降口や階段付近にほこりが目立っていました。そう感じたときに、ちょっと気になったはり紙がありました。それは、

「ガムを捨てないでください。」

という生徒昇降口のはり紙です。生徒指導部の先生に話を聞いてみると、以前に生徒昇降口でガムを捨てる生徒がいたので、そこの掃除担当の先生がはり紙をされて、そのままになっているということでした。なので、現在の担当の先生の承諾を得て、そのはり紙をはがしました。もちろん、その後も生徒昇降口でガムが捨てられているのを目にすることは一度もありません。

このようにほんのちょっとしたことが、次々と「正の連鎖」を引き起こして、千原台高校がますますきれいな学校になり、生徒たちの明るさも増していきます。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。素敵な土曜日をお過ごしください。

多くの皆さんに知ってほしいこと LGBTs人権課題

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

それと、あと一つしていることがあります。それは「LGBT教育研究者」としての講演活動です。

 (なぜ、私がこのような活動を始めたかについては、2021年5月20日のブログ「LGBTs人権課題と私 その出会い」に詳述していますので、そちらをお読みください。)

というわけで、昨日(7月1日)は、熊本市にある中学校へ講師としてお招きいただき「LGBTs人権課題についての学校での取り組み」というタイトルでお話をしてきました。

今日は、その内容についてお話しします。

私の講演活動の対象は、大きく3つの層の方です。

一つは、小中高校の先生方。二つ目は、中学校、高校の生徒の皆さん。そして、もう一つは、PTAや地域の自治会などが主催される地域住民の方々への講演です。

昨日は、中学校の先生方約60名を対象にした「職員研修」にお招きいただきました。

そこで、まずお伝えしたのは、「なぜ、学校でLGBTに関する教育を行うべきなのか?」ということです。

皆さんは、どう思われますか?

それは、正しい知識を伝えることにより、安心出来たり、悩み続けている毎日から少しでも救われるという生徒たちがいるからです。

最新の統計によると、LGBTをはじめとする性的マイノリティーの当事者の数は、8~10%だと言われています。その割合は、日本人の中の「左利きの人」や「血液型がAB型の人」とほぼ同じです。

ですから、中高校生の皆さんから講演後の感想をいただくと

「私は、自分の性について悩んでいました。しかし、先生のお話を聞いて、悩まなくていいんだ。このままの私でいいんだと思うことが出来ました。ありがとうございました。」

という内容の感想が必ずよせられます。

そのような生徒たちと日々接している先生方への研修で、私がお伝えしていることは、次の二つです。

① 「ソジハラスメント(ソジハラ)」はダメ。

② 「アウティング」はダメ。

もし、これを聞いて、読者の皆さんに「そんなの当たり前じゃん。」と思っていただき、「ソジハラ」「アウティング」について十分ご理解いただけていれば、こんなにうれしいことはありません。

しかし、様々な学校にお招きいただきますが「うん?」「それって何なの?」というのが、大半の先生方の反応です。

まず、「ソジハラ」についてです。「ソジ=SOGI]で、性的指向(Sexual Orientation)と性自認(Gender Identety)の頭文字をとった言葉です。性的指向とは、簡単に言うと「自分の恋愛対象はどんな性であるか?」ということで、性自認とは「自分の心の性は、どの性か?」ということです。性的指向が同性である人たちを「同性愛者」といい、そのうち生物学的性が女性の人を「レズビアン」、男性の人を「ゲイ」と呼びます。性的指向が両方の性である人を「バイセクシャル」と呼びます。そして、性自認と生物学的性が一致していない人たちを「トランスジェンダー」と呼びます。この頭文字から出来た言葉が「LGBT」です。

ただ、性的マイノリティーの方々には、他にも「Xジェンダー性自認が女性でも男性でもない人たち)」や「Asexual(性的指向がない人たち)」など様々な性の人たちがおられます。そのために私は、「LGBT」の後に「s」をつけるようにしています。

よく「LGBTQ」という言い方もしますね。この「Q]は「Quia」「Questoning」という意味で、私が使う「s」と同じ用途です。

このような人たちへの「ハラスメント」は現代社会では、してはいけない行為とされています。論拠は、令和元年6月に公布された「改正労働施策総合推進法(ハラスメント防止法)」によります。(講演では例をあげて詳しく説明しますがここでは詳述は避けます)

あと一つお伝えしているのが、「アウティング」についてです。

アウティング」とは、「相手の同意を得ない秘密の暴露」という意味です。

このことが、大きく取り上げられるようになったきっかけは、2015年に起きた「一橋大学アウティング事件」でした。同性に告白したゲイの男性が、そのことをSNSに暴露され、それを苦にして投身し、命を落としてしまったのです。

しかし、中高生のSNSの現状をみると、「SOGIに」関わることでなくとも、ちょっとしたことでの「アウティング」は日常的に行われています。そのような日常が、命にかかわることもあるということを伝えるようにしています。

今月もあと2回の講演が予定されています。私なりに精一杯伝えていきたいと思います。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。週末目前の金曜日、素敵な一日をお過ごしください。