YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

私の「今年の漢字」は…「書」 その理由は…

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

さて、先日、京都の金閣寺で、この季節の風物詩の一つとなっている「今年の漢字」が披露されました。

金閣寺が選んだ今年の漢字は…

「金」でしたね。

東京オリンピックパラリンピックで多くの日本人選手たちが「金メダル」を獲得して、私たちに感動を届けてくれたこと。

大谷翔平選手のメジャーリーグでの大活躍による「金字塔」。

コロナ禍が続く中で「お金」の悩みが続いたことなどが、「選定の理由」だと言われています。

そこで、私も自分の「今年の漢字」を考えてみました。

そして、選んだ漢字は・・・

「書」です。

この「書」には、二つの意味があります。

一つは、「読書」の「書」。

もう一つは、「書く」という意味での「書」です。

私が「読書」にハマり始めたのは、5年前。

「教頭」から「校長」へと昇進したことがきっかけでした。「校長」となったことで、「学校経営」が、自分に求められる大きな「役割」となり、

「『経営者の本』を読もう!」

と思い立ちました。

最初に手に取ったのは、斎藤一人さん(銀座まるかん社長・元長者番付日本一)の本でした。続いて、松下幸之助稲盛和夫など日本の現代史に残る「名経営者」の著書を読むようになりました。

そんな私の読書生活が、今年さらに「加速」しました。

それは、「フォトリーディング」という「速読法」に出会ったからです。

4月から「読み終えた本の記録」をとり始めました。現在読んでいる「1Q84 BOOK2〈7月~9月〉村上春樹著(新潮社)」が、「161冊目」となります。

3月末日までの1年間で、何とか「200冊」はクリア出来そうなペースです。

また、「読書量」だけではなく、「読書の質」も高まりました。

5年前から主によんでいた「ビジネス書」だけではなく、「純文学小説」や「エッセー」なども読むようになり、「乱読」へとシフトしました。

これも、「脳科学」についての本を読んでいるうちに、思い立って実践しています。

あと一つの理由は「書く」こと。つまり、この「ブログ」を書き始めたことです。

今年の5月17日から書き始めたこのブログ「YouTuber校長日記」の「毎日更新」も今日まで何とか続いてきました。(コロナワクチン副反応のため1日だけ休みましたが…)

もともと、子どもの頃から「書く」ということが苦手だった私にとっては、これは「大偉業」です。

特に苦手だったのが、「日記」です。夏休みの宿題の定番だった「一日一行日記」でさえも、夏休みの最終日に、一気に「まとめ書き」する派でした。

そんな私が、

「自分の成長のために、日記がわりとしてブログを書いてみよう。」

と思い立ったのも、茂木健一郎さんの著書を読んだ時でした。

手前味噌にはなりますが、まさに「継続は力なり」。

5月から半年以上に渡り、このブログを毎朝、書き続けてきたことにより、「校長の仕事」の一つとして度々依頼を受ける様々な出版物の「校長挨拶」の執筆なども、苦にならなくなりました。

今年も残り少なってきましたが、この「YouTuber校長日記」でも、私が「書」から学んだことを少しでも読書の皆さんにお伝えし続けていきたいと思っています。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように。

ロアッソ熊本 2021シーズン振返り(戦術編・後編)

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

今日は、再びロアッソ熊本の話題についてお話しします。

内山圭選手の藤枝MYFC入り、岩下航選手の柏レイソル入り、樋口、田尻両選手のJFL高知ユナイテッドSCへの育成型期限付きレンタル移籍などが報じられていますが、このあたりについては、移籍情報が出そろってからお話しすることにして、今日のブログでは「ロアッソ熊本 2021シーズン振返り(戦術編・後編)」と題し、2021シーズンのロアッソ熊本の「7連勝後から最終節まで」の戦いぶりを振り返ります。

東京オリンピック開催による中断期間を経て再開したJ3リーグで、ロアッソ熊本は、鳥取SCに2-1で勝利し、その後、今治、長野、福島、藤枝、八戸、沼津を相手に勝利を重ねて、「クラブ史上初の7連勝」を飾ります。

しかし、続く讃岐戦を1-1の引き分けに終わると、鹿児島には0-1で惜敗。

岩手、富山との「上位直接対決」でも、0-0、2-2と、ともに引き分けで「勝ち切れない試合」が続きます。

このような状況になった理由は、2つあると思います。

一つ目は、相手チームに研究されて「ロアッソ得意のサイドからの崩し」を封じられるようになったことです。

7連勝を飾った試合では、「4トップの両サイド」には、すべて「右にターレス、左に杉山」を配した布陣で先発を組んでいました。

ターレスの利き足は「右」、杉山の利き足は「左」です。

この2人を両サイドに配置し、2人がサイドから中央へ「カットイン」することによって出来るサイドのスペースを他の選手がうまく使って崩すというのが、ロアッソの攻撃のパターンとして定着していました。

これを相手チームの研究により封じられ始めました。

あと一つの理由は、「攻撃における『流動性』の欠如」です。

これは、「勝つためには、失点をしたくない。」

だから「バランスを崩したくない。」

という「昇格争い」「優勝争い」が、目の前に迫ってきた時に起こりがちな、選手たちの微妙な心理状態に由来していたと思います。

そんな状況を打破する「転機」となったのが、第27節の富山戦でした。

このゲームに、大木監督は、前線を杉山、高橋、竹本の「3トップ」とし、岡本を「トップ下」に配するという布陣で臨みました。

このことにより、「前線のスペース」が使いやすくなり、「攻撃の流動性」が戻ってきました。

そして、「3試合連続ノーゴール」だった攻撃が活性化し、久しぶりの2ゴールを奪います。

結果的には、2点取り返されて、この試合は2-2の引き分けに終わりますが、続くYS横浜戦に1-0で勝利して久々の勝利につながりました。

そして、いよいよ「引き分け以上でJ2昇格」という「大手」で迎えた首位決戦・宮崎戦。

この試合は、アウエーゲームだったにも関わらず、700名を超えるサポーターが、宮崎へ「参戦」!熱い試合を繰り広げました。

試合は、ロアッソの「前線からの厳しいプレス」が、うまくハマり、ロアッソ熊本ペースで進みます。

みている私たちも「このままで、良い。」「引き分け以上は出来る試合運びだ!」と思っていた矢先の後半39分、相手フリーキックの流れからゴールを奪われてしまい、まさかの敗戦。

つかみかけていた「J2への切符」がするりと手元を離れてしまいました。

そんな中で迎えた最終節・ホーム岐阜戦。

チームの勝利を後押ししようと、11,314人のサポーターが、ホーム・えがお健康スタジアムを埋め尽くし、最高の雰囲気の中で、大卒ルーキー坂本選手の「スーパーミドルシュート」で先制。

そして、大卒2年目で今シーズンの「チームトップスコアラー」となった高橋選手のヘディングシュートが決まり、これが「ダメ押しゴール」となって、見事に2-0と勝利し「J2昇格」と「J3優勝」という栄冠を勝ち取ることになりました。

3回に渡って「振返り」をお話しさせていただいたように、本当に多くの「苦難」がありましたが、それを乗り越えて栄冠をつかみ取り、私たちに「幸せ」を届けてくれたロッソ熊本の選手、スタッフの皆さんに心からの感謝と拍手を送りたいと思います。

ありがとう!ロアッソ熊本

そして、来シーズンの「J2の舞台」でも、さらに「成長し続けるロアッソ熊本」の姿を見せてもらえるこことが楽しみです!

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように。

かわいい、かわいいお客様! 城西小学校3年生の皆さん

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

さて、この2日間は、「ロアッソ熊本 2021シーズンの振返り」をお話ししましたが、今日は、ちょっと閑話休題

昨日、千原台高校を訪れてくれたかわいい、かわいいお客様についてお話しします。

その「お客様」とは、城西小学校3年生の皆さんです。

「総合的な学習」として行っている「住んでる地域の『自慢』を探そう!」という学習で、「自慢」できる場所として、千原台高校を選んでくれた13名の子どもたちが、やってきました!

まずは、教頭先生が校門で出迎えて、校長室まで「お客様」を案内してくれました。

校長室に入った子どもたちは、

「すげえー。」

「広ーい。」

「きれえー。」

などと口々に感想をもらします。

日頃接している高校生とは違って、感じたことを何でも口に出してくれるのが、小学校3年生の可愛いところです(笑)。

「こんにちは。皆さんが来てくれるのを楽しみにお待ちしていました。

ようこそ、千原台高校へいらっしゃいました。

私は、千原台高校の校長をしている南弘一といいます。

よろしくお願いします。」

子どもたちは、一斉に、

「よろしくお願いします!」

と言ってくれました。

「この校長室は、どうですか?」

「広ーい。」

「きれえー。」

「小学校にも校長室はあると思いますが、ここは、ずいぶん広いし、きれいですよね。

ここと同じように高校には、『小学校とは違うなあ』というところがいくつかあると思いますので、あとからご案内しますね。」

「まずは、皆さんからの質問があるとお聞きしています。

お隣の『応接室』に椅子が用意されているので、お隣に移動しましょう。」

と言って、隣の応接室に案内しました。

応接室では、ちょっとした会議をすることもあり、応接用の長テーブルと16脚の椅子が用意されています。

まずは、その椅子に、

「きれーい!」

「大きい!」

と感動。

今度は、壁に掛けられている「歴代校長」の写真を見つけると、そこを指さして、

「あの写真の人たちは、誰?」

「あー、あれは、この学校が出来てからこれまでに、この学校で『校長』を務めた方たちの写真ですよ。

初代から20代の校長先生方の写真がありますね。

ですから、私は、『21代校長』ということになります。

私が、この学校の校長でなくなると私の写真があそこに飾られるはずです。」

「へえー。すげえー。」

ほぼすべてのことに、「すげえー。」と感動してくれます(笑)。

「では、何か質問はありませんか?」

「はい!先生たちは何人いますか?」

引率の先生から、事前に「おもな質問内容」はメールで連絡いただいていましたので、教頭先生が用意してくれていた資料をもとに応えます。

「先生の人数は、全部で63人です。」

「多いー!すげえー。」

「まずは、校長が1人と教頭先生が2人います。」

「2人?すげー。」

「皆さんの小学校では、教頭先生は1人ですよね。生徒の数が多い学校では、2人の教頭先生がいる学校もあって、千原台高校には2人います。

あと、授業を教える先生が、49人います。この中にはALTの先生も含まれています。

そのほかに、保健室の先生が1名。あと、事務長先生が1名と事務室の先生が7名います。

このほかに、スクールカウンセラー、キャリアアドバイザーがいて、これらを合わせると63名になります。」

ここで、あることに気づきました。

子どもたちは、私が答えたことを一生懸命にメモしているのですが、「ALT」が出てきたあたりから。首をひねっている子どもがいます。

そこで、

「教頭先生、そちらのホワイトボードに『ALT』『スクールカウンセラー』『キャリアアドバイザー』と書いてもらっていいですか。」

とお願いし、「板書」してもらうことにしました。

その後も、

「何クラスありますか?」

「生徒は、何人ですか?」

「『千原台高校』という名前なのは、なぜですか?」

「どんな部活動が強いですか?」

「制服は、どんな服ですか?」

などの質問が続きました。

質疑応答を終えたら、「校内見学」に回ります。

まずは、校長室を出たところの廊下に掲示してある「新聞切り抜きコーナー」です。

ここには、陸上部の駅伝大会や自転車部、ハンドボール部などの活躍を伝える新聞記事を紹介されています。

続いて、体育館棟にご案内。

レーニングルームを紹介すると、

「すげえー。」

「今までテレビでしか見たことなかった。」

「写真とっていいですか?」

「どうぞ。」

と応えると、みんな手にしているタブレットで一斉に写真を撮り始めました。

次に、体育館棟の横にずらりと並んでいる「レース用の自転車」をみつけると、またまた、

「すげえー。」

「かっけえー!」

と一斉にタブレットのシャッターが切られました。

このあとは、校舎に戻り、授業の様子を見学。

最後に、エレベーターを使って6階の屋上に案内すると、晴れ渡った空の下、彼らが学ぶ城西小学校、熊本城、遠くには噴煙をあげる阿蘇の姿もみられて、またまた大興奮!

一斉にタブレットのシャッターが切られました。

エレベーターで1階に降りて、「校内見学」も無事に終了。

「17日、今週の金曜日の朝に城西小学校に『挨拶運動』に行きますので、また、そこで会いましょう!」

と約束してお別れしました。

彼らは、ここでメモしたことや撮影した写真をもとにして、この「見学」の様子を「動画」にまとめるそうで、完成したらみせてもらうことになっています。

どんな「動画」にまとめてくれるのか楽しみです。

「心癒されるひととき」を与えてくれた城西小学校3年生の皆さん、ありがとう!

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように。

ロアッソ熊本 2021シーズン振返り(戦術編・中編)

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

さて、昨日のブログでは、「ロアッソ熊本 2021シーズン振返り(戦術編・前編)」と題して、2021シーズンで「J3優勝」を果たしたロアッソ熊本の前半戦・第15節までの戦いぶりを振り返りました。

今日は、「中編」として、第16節以降「破竹の7連勝!」を果たしたときの戦いぶりについて振返ります。

東京オリンピック開催に伴う約1か月半の「中断期間」を終えて、8月28日㈯、ロアッソ熊本は、アウエーで鳥取SCと対戦しました。

その試合の先発は、

GK 内山

DF 黒木、菅田、酒井

MF 上村、河原、岩下

FW 杉山、高橋、伊東、ターレ

の11人。

「前編」でお話しした第6節から続く「4トップ」の布陣です。

ここ数年「後半戦での失速」が続いていたロアッソにとっては、「後半戦のスタートダッシュ」が出来るかどうかを占う大事な一戦でした。

この試合では、前半14分に酒井から岩下とつなぎ、岩下がシュート気味のクロス。そのボールを相手GKが弾いたところを伊東が決めて先制ゴールを奪います。

しかし、後半早々に同点とされ「嫌な雰囲気」が漂う中の後半17分。右サイドからドリブルでペナルティーエリアに侵入した杉山が相手選手に倒されてPKを獲得。

これを杉山が冷静に決めて、2-1と逆転します。

このリードを「固い守備」で最後まで守り切り、2-1で「後半の開幕戦」の勝利を飾りました。

ここから、クラブ史上初の「7連勝」を飾ったロアッソ熊本は、前半戦を終えて「4位」だった順位から、一気に「首位」に躍り出ることになります。

この「7連勝」に結びついた「要因」は、二つあると思っています。

一つ目は、「『後ろから追い越すプレー』による攻撃の『活性化』」です。

このことについては、中断期間にかなり意識してトレーニングを積んできたことを選手たちも語っていました。

このことにより、両サイドを崩すプレーが多くなり、ゴール数の増加につながりました。

ちなみに、7連勝中の第16節から第23節の7試合でロアッソ熊本は、「17得点」を挙げており、1試合平均「2.4点」という得点力を発揮しました。

あと一つは、「全選手の『ハードワーク』による強固な守備」です。

今シーズンから「3バック」の布陣で戦うことにより「中央でDFの裏をとられての失点」が少なくなったことは、「前編」でお話ししましたが、「戦術」には、当然「メリット」もあれば「デメリット」もあります。

その「デメリット」の一つが、「両サイドへの負担」です。

もちろん、全選手が「ハードワーク」をして、「攻撃から守備の切り替え」をスピーディーに行い、「強固な守備」をみせていたのですが、特に、ここで「ハードワーク」を求められたポジションが、上村選手、岩下選手が勤めた「両サイドMF」のポジションでした。

この二人が下がりすぎていると、「5バック」の状態になり、両サイドの攻撃の枚数が不足します。

また、上がり過ぎていると「3バック」だけでは、最終ラインを守れなくなり、自陣の両サイドを崩されてしまいます。

というわけで、この二人には「多大な運動量」が求められました。

もちろん、「守備の仕方」には「スライド」という戦術があり、例えば、右サイドで上村選手が高い位置に残ってしまった時には、河原選手や黒木選手が「スライド」をして、ファーストDF(第一守備者)として、相手のボールを奪いに行きます。

「守備」の局面では、11人の選手全員が、まるで同じ長さのロープでつながれたように前後左右にチームが一体となって動くことが求められます。

だから「全員のハードワーク」が必要なわけです。

特に「負担」のかかる両サイドの二人をはじめとして、全員が「ハードワーク」出来るようになるだけのトレーニングを中断期間にしっかりと積んできたことが、「7連勝」の大きな要因となりました。

ただ、このまますんなり「優勝」とは、行きませんでした。

この続きは、次回の「後編」でお話ししますね。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が皆さんにとって素敵な一日になりますように。

ロアッソ熊本 2021シーズン振返り(戦術編・前編)

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

2021シーズンを劇的な逆転による「J3優勝」で終えたロアッソ熊本

その「優勝報告会」が昨日、熊本市で行われました。

ステージイベントの開始前には、

「南弘一さんですよね? いつも、YouTube、観てます。」

とサポーターの方から声をかけていただき、ひとしきり、今シーズンのロアッソ熊本の戦いぶりを語りあいました。

ということで、今日のブログでは「ロアッソ熊本 2021シーズン振返り(戦術編・前編)」と題して、今シーズンのロアッソ熊本の戦術面での良かったところについてお話しします。

GK 佐藤

DF 黒木、小笠原、酒井

MF 上村、河原、水野、東出

FW 杉山、浅川、北村

これは、2021年3月14日(日)に行われた、2021シーズン開幕戦・今治対熊本戦の先発メンバーです。

DFは「3バック」。中盤は、河原をアンカー、東出をトップ下に配した「ダイヤモンド型」でした。

ここで、注目すべきは、「DFライン」です。

2020シーズンは、DFは「4バック」。「4-3-3」の布陣を基本のフォーメーションとしてロアッソ熊本は戦っていました。

そこで、現れた現象は…

「2人のセンターバックの裏を突かれての失点の多さ」

でした。

そこで、2020シーズン後に「フォーメーションの変更」に着手し、「3バック」にして開幕戦に臨みました。

あと一つ、このメンバーを観たときの「驚き」がありました。

それは、「黒木選手のセンターバックでの起用」と「上村選手のアウトサイドでの起用」です。

これまでにも様々なポジションで起用されて「順応」してきた黒木選手ではありますが、2020シーズンは、おもに「サイドバック」で起用されていました。

上村選手は、中学生の頃からプレーを観ていますが、その主戦場は「ボランチ」。

「アウトサイド」でのプレーをみたことはありませんでした。

この布陣で臨んだロアッソ熊本は、意図したとおりの「DFの固さ」を発揮し、開幕戦を1-0の勝利で飾りました。

その後、5節までを失点「5」で切り抜けます。しかし、得点も「6」しか奪えず、2勝1敗2分と「開幕ダッシュ」とは行きませんでいた。

そこで、ターニングポイントとなったのが、第6節・八戸とのアウエーゲームでした。

この試合の先発は、

GK 佐藤

DF 黒木、菅田、酒井

MF 上村、河原、岩下

FW 杉山、北村、浅川、東出

このあと、今シーズンのロアッソ熊本の「基本フォーメーション」となる「4トップ」になりました。

前線には、右に杉山、左に東出、中央に浅川、北村の2人を配し、2人がセンターフォワードとしてプレーします。

この「新布陣」により、私は「2つのメリット」が産まれたと思っています。

一つ目は、2人の攻撃的な選手が両サイドでプレーすることにより、「サイドからの崩し」が増えたということです。

「サイドからの崩し」は、今シーズンのロアッソ熊本の攻撃の「得意パターン」となり、多くの得点につながりました。

あと一つは、「相手陣内での守備の際に、相手に対して正面からプレスをかけることができた」ということです。

このことにより「前線から相手を『はめる』守備」が今シーズンのロアッソ熊本の一つの「守備の特徴」となりました。

これらのことにより、第6節から第15節までの10試合を「11得点」「7失点」の4勝1敗3分けという好成績で終えて、「シーズンの折り返し」を迎えることが出来ました。

ここまでのことは、下記のYouTubeでも解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。

youtu.be

このあと、中断期間を経て、「シーズン後半」に入り、チーム史上初の「7連勝」を飾るなどの戦いぶりがみられるわけですが、ここまででかなりの字数になりましたので、この続きは後日「後編」としてお話しします。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように。

 

 

GKを子どもたちのあこがれのポジションに! C級コーチライセンス講習会にて

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

そのほかに、20年近く続けている仕事があります。

それは「47FAインストラクター」という仕事です。

「47FA」とは、「47都道府県のサッカー協会」という意味で、各都道府県サッカー協会が主催する「指導者講習会」の「インストラクター(講師)」を務めるのが、「47FAインストラクター」というわけです。

昨日は、その仕事として熊本県サッカー協会が主催する「C級コーチライセンス講習会」で、「GK指導」の「講義」「実技」を担当しました。

今日のブログでは、その様子をお話しします。

「講義」では、「GK指導」のポイントをいくつか伝えますが、その中で、私が重要だと感じているのは、

「GKは、11分の1(8分の1)である」

という考え方です。

「8分の1」を( )で加えているのは、現在、4種年代(小学生年代)では、すべてのサッカーの大会が「8人制」で行われているからです。

GKというポジションは、サッカーの中で1つしかないポジションです。

そして、プレーヤーの中で唯一「手を使ってプレーできる」選手であり、ユニフォームの色も一人だけ違います。

このような「GKの特殊性」から、私が育成年代の選手だった頃(約40年前)は、トレーニングの際、「GKとフィールドプレーヤー(以下FP)のトレーニングは、別々に進行する」というのが、スタンダードな形となっていました。

そして、「シュート」が入るトレーニングになると「キーパー!」と呼ばれて、合流するわけです。

ですから、小学校3年生でサッカーを始めたときから、ずっと「GK」というポジションしか経験してこなかった私は、「ゴールデンエイジ」と言われる小学校高学年の頃から中学・高校時代まで、「パス&コントロール」や「ドリブル」などのトレーニングをほとんど経験していません。

そのために、大学・社会人の選手としてプレーするとき、「足元の技術」が、私の最大のウィークポイントとなっていました。

そんな私自身の経験からも、

「GKは、11分の1(8分の1)である」

というポイントは、しっかりと伝え、小学生・中学生の年代では「パス&コントロール」などのトレーニングは、FPと一緒に行い、「GKであっても『パスの技術』『ボールコントロールの技術』は、FPと変わらない」というGKを育成してほしいということを伝えるように心がけています。

「講義」のあとは、グラウンドに移動して「実技」を行います。

そこでは、「基本姿勢」「キャッチング」「スローイング」「ステッピング」「ローリングダウン」「アングルプレー」などを通して、「GK特有の技術」のポイントを伝えていきます。

すべての「実技」を終了して、「質疑応答」の時間を設けてあります。

そこで、昨日は次のような質問がありました。

「私は、4種(小学生)の指導をしているのですが、子どもたちが、なかなかGKをやりたがりません。どうすれば、その傾向を変えることが出来るでしょうか?」

私は、次のように応えました。

「ご質問ありがとうございます。確かに、日本ではそういう傾向はありますよね。

では、皆さんにお尋ねします。子どもたちは、なぜ、『GKをやりたがらない』のだと思いますか?」

受講生の皆さんから、

「シュートを受けるのが怖い…」

「GKのプレーは痛そう…」

「失点したら責められる…」

などのつぶやきが聞こえました。

「そうですよね。なので、それらを取り除いてあげてほしいと思います。

そのために、私が一番お勧めしたいのは『選手全員にGKを経験させる』ということです。

今、皆さんに『実技』でGKをやってもらいましたが、怖かったですか?

痛かったですか?

そんなことなかったですよね。皆さん笑顔でプレーしてくれましたし、FP出身の受講生の方から『俺、GKやりたい!』という声も上がってましたよね。

こういう経験をぜひ、すべての選手にさせてあげてください。

また、自分自身がGKを経験することによって、『失点でGKを責める』というメンタリティーも変わってくると思います。」

さらに、コースマスターのインストラクターから次の2点が、付け加えられました。

① GKとしての「成功体験」をさせること

② 4種年代(小学生)では、試合でもローテーションですべての選手にGKを体験させてほしいこと

育成年代の多くの指導者の方々に、このような考えが広がっていけば、そう遠くない将来に「ヨーロッパの舞台で活躍する日本人GK」が出現することを信じて、活動を続けていきたいと思います。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように。

オフシーズンの寂しさ ロアッソ熊本を去る選手たちに感謝(後編)

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

さて、今日のタイトルは「オフシーズンの寂しさ ロアッソ熊本を去る選手たちに感謝(後編)」です。

昨日の前編で、今シーズン限りでロアッソ熊本を離れることが決まっている6選手のうち、岡本選手、小笠原選手、浅川選手のことをお話ししました。

今日は、北村選手、水野選手、内山選手のことをお話しします。

まずは、北村知也選手です。

北村選手は、宮崎県の出身。小学校、中学校と地元のクラブチームでプレーし、高校は全国優勝の経験もある地元宮崎の強豪校、鵬翔高校に進みます。さらに、大学時代も宮崎経営大学でプレーするという「宮崎で生まれ育った選手」です。

そこから、ロアッソ熊本に入団し、3年間プレーしました。

入団1年目でセンターフォワードのポジションを獲得し、11ゴールを挙げて「チームトップスコアラー」となります。

この年、彼の母校である宮崎鵬翔高校の後輩たちが熊本のえがお健康スタジアムに応援に来てくれていたことがありました。

試合後、後輩たちに囲まれ、はにかんだ笑顔で質問に答えていた光景を思い出します。

そんな人柄からも、多くのサポーターの「推し」となり、試合前のスタグルでは、彼の背番号である「13」のユニフォームを着たサポーターの姿をたくさん目にしました。

まだ25歳の北村選手、新天地での「再ブレーク」を楽しみしています。

次は、水野泰輔選手です。

水野選手は、1993年生まれの28歳。

若手が多く、そこにベテランが加わるというチーム構成の中で、貴重な「中堅選手」でした。

出身は愛知県。

名古屋グランパスU-15 →名古屋グランパスU-18名古屋グランパスという道を歩んでプロの扉を開いた選手です。

この経歴は、ジュニアユース、ユースと並みいる「好選手」たちの競争を勝ち抜いてきた証です。

このことからもわかるように、水野選手についての私の印象は、

「技術的なスキルがしっかりとしている選手」

「様々なポジション、様々な局面で安心して起用できる選手」

というものでした。

名古屋グランパスFC岐阜藤枝MYFCロアッソ熊本とチームを移りながら、プロの厳しさを体感してきた水野選手。

新天地でのさらなる活躍をお祈りしています。

最後は、内山圭選手です。

彼のポジションは、GK。

私もGKの出身で、同じGKとして、一緒に子どもたちを指導したこともあり、普段は「ウッチー」と呼んでいますので、ここでもそう呼ばせてもらいます。

彼は、神奈川県出身。

川崎フロンターレU-15→川崎フロンターレU-18を経て、東海大学へと進学。

卒業後は、JFL東京武蔵野シティFCでアマチュアのプレーヤーを経験した後にロアッソ熊本に入団します。

一度、社会人のアマチュアチームを経て、プロになるというのは、サッカー界ではまだまだレアケース。

そんな彼の「プロとしてプレーする」という「夢の実現」を支えた人がいます。

それは、当時、ロアッソ熊本のトップチームでGKコーチをしていた澤村公康さんです。

ウッチーは、澤村コーチが川崎フロンターレでアカデミーのGKコーチをしていたころの教え子です。

そんな縁から、ウッチーの「プロ入り」が実現したのだと思います。

澤村コーチが熊本で開催していた小中高校生のためのGKスクール「ゴーリースキーム」で、ウッチーは現役のプロ選手であるにも関わらず、そこに来て、子どもたちを指導してくれました。

私も時々「ゴーリースキーム」にお邪魔して、一緒に指導することがありましたが、そんな時のウッチーは、「時にやさしく、時に厳しいお兄さん的な存在」であり、「子どもたちのあこがれ」でもありました。

澤村コーチは、2018シーズンを最後にロアッソ熊本を去り、サンフレッチェ広島のGKコーチとなったわけですが、澤村コーチが去ったあとの2020年、ウッチーのプロ選手としての活躍が花開きます。

2020年、大木体制となるとともに「キックが得意な攻撃的なGK」として、レギュラーポジションをがっちりとつかみ取り、J3リーグで「34試合フル出場」という素晴らしい活躍をみせてくれました。

今シーズンは、佐藤選手の加入により、J3リーグでの出場は2試合にとどまりましたが、その2試合では、ウッチーらしい素晴らしいプレーをみせてくれていました。

マチュア選手から「プロになる」という夢を叶えて、ロアッソ熊本に力を与えてくれたウッチー。

新天地で、再び夢を実現し、「プロのGK」としての姿をまだまだみせてくれると信じています。

そして、十分な経験を積んだのちに再び「GKコーチ」として、一緒に子どもたちを指導できる日を楽しみしています。

今シーズン限りで、ロアッソ熊本を離れるすべての選手たちに心からの感謝と拍手を送りたいと思います。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日は、土曜日。

このあと、指導者インストラクターとして、熊本県サッカー協会が主催する「C級コーチライセンス講習会」で「GK指導」の講義と実技をしてきます!

今日一日が、皆さんにとって素敵な一日になりますように。