YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

【千原台】後輩に託し つないだタスキ 涙のタスキリレー(後編)

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

今日のブログのタイトルは、

千原台】後輩に託し つないだタスキ 涙のタスキリレー(後編)

昨日の続きです。よろしくお付き合いください。

昨日のブログでは、チーム唯一の3年生、エースであり大黒柱の本田さんが大会の1週間前に負傷してしまったこと。

そのことを前夜の「同窓会の皆さんとの会食」ではじめて関係者以外にお話しし、スタジアムで一緒に応援したこと。

レースがスタートし、1区では37位、2区では40位という順位で、いよいよ3区の本田さんにタスキが渡ったところまでお話ししました。

私たちは、主会場である「たけびしスタジアム京都」のスタンドで応援していますので、中継所の様子は見えません。

そこで、レースの様子をみられるのは、スタジアムの大型ビジョンに映し出されるNHKの映像と、私のスマホでみるNHKプラスの映像です。

スタジアムの大型ビジョンの映像の方は、次に行われる男子のレースの選手紹介がはじまると途絶えてしまいます。

第2中継所でのタスキリレーの際も、ちょうどそのタイミングでした。

ということで、私はスマホの画面を注視していました。

第2中継所のライン上に本田さんの姿がみえました。

2区を任された1年生・吉原さんの姿が徐々に近づいてきます。

吉原さんからタスキを受けて走り出した本田さんでしたが…、

スマホの小さい画面を通しても、すでに負傷している足を引きずり気味にスタートした様子がみえました。

「大丈夫かなー。」

それからしばらくは、スマホの画面は「トップ争い」の模様を伝えています。

ほどなく、先頭を走る仙台育英の選手が3区から4区へとタスキが渡る第3中継j所に姿を現し、TVのカメラが中継所に切り替わります。

「第2中継所が40位だったから、そこからどのくらいで来てくれるだろうか…。」

40位のチームが第3中継所を通過し、45位、50位のチームも通過しますが、まだ本田さんの姿は見えません。

その時、中継所のラインの上に4区を走る松野さんの姿がみえました。さかんに3区の走路に向かって手を振っています。

4区の松野さんからは、本田さんの姿がみえている証拠です。

そして、ついに本田さんの姿をカメラがとらえました。

本田さんは、負傷した足を引きずるようにしながらも懸命に第3中継所のラインを目指しています。

ついに、3区の本田さんから4区の後輩・松野さんにタスキが渡りました。

3区から4区への涙のタスキリレー(12月25日発行・熊本日日新聞9面より)

本田さんは、タスキを渡すとともに倒れ込み、係員に肩を借りながら画面から消えていきました。

タスキを受けた松野さんの目にも涙が。

その後、タスキを託された後輩たちが、3つ順位をあげて、千原台高校は51位でゴールテープを切りました。

試合後のインタビューで女子陸上部の塚本監督は、

「(3区の本田は)今思えば強がっていたんだと思う。その強がりを見抜けなかったのは、私の判断ミス。意志を尊重しすぎて、無理をさせて申し訳なかった。本人に誤って『たすきをつないでくれたありがとう』と伝えた。」(12月25日発行・熊本日日新聞9面より引用)

常に選手ファースでの生徒たちを指導してくれている塚本先生らしい談話です。

ただ、私は「判断ミス」とは言えないと思っています。

千原台高校のユニフォームを着て都大路を走ることを夢見て、本校への進学を決めた本田さんは、1年生の時には「補助員」としてチームに帯同し、京都にいました。

そして、2年生となり走者の一員として走った昨年度の熊本県大会は、ルーテル学院に敗れ、5年連続の「都大路」への出場を絶たれ、今年も県大会ではルーテルに敗れて号泣していたところから、チームを建て直してやっとつかんだ「都大路」のキップ。

「何としても走らせてやりたい。」という気持ちが勝っても、その判断を誰も責めることは出来ません。

本田さんがつないでくれたタスキへの思いは、きっと後輩たちが受け継いでいってくれると信じています。

女子陸上部の皆さん、皆さんの姿は、本当に「一生懸命で、カッコよかった」です!

大きな感動をありがとう。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。