YouTuber校長日記

YouTuber校長として、サッカー解説者として日々の生活の中で感じたことや本を読んで学んだことなどを書きます!

お恥ずかしい話 「当選おめでとうございます」の結末…

どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。

さて、今日は「お恥ずかしい話」です。数週間前の夜、こんなことがありました。

その日は、週末でしたのでいつものように早寝をせずに、寝室にてパソコンでGoogle検索をしていました。すると突然、

Googleユーザーのあなた、あめでとうございます!Googleギフトが当選しました!」

という画面が突然パソコンの画面に表示されました。そして、

「毎週金曜日、幸運なユーザーの方10名に最新のiPhoneを格安で購入していただくキャンペーンを実施しています。なお、10名の無作為に抽出されたユーザーにこの招待状が送られており、商品は限られた数のみとなっております。」

「他の幸運なユーザーに商品を受けとる権利が移行するまで3分00秒です!幸運をお祈りします。」

あとで冷静に振り返れば、この文面の中に怪しい仕掛けの匂いがプンプンしているのですが、その時の私は不覚にも

「3分以内に手続しないとせっかくのチャンスを逃してしまう…」

と思いどんどんクリックしてしまい、最新のiPhoneを100円で購入という画面でクレジットカードでの購入手続きをしてしまいました。

その間、3分00秒からカウントダウンタイマーが減り続けていて、手続き完了したのは残り30秒ほどでしたので、わずか2分半ほどの出来事です。

「ふー、間に合った。ラッキー!」と思った次の瞬間に、ようやく私に冷静さが戻りました。

「待てよ。何か怪しくないか?」

と思い、スマホで「Google 当選 詐欺」で検索するとそこで目にしたのは、まさに、たった今、自分が見ていたのと同じ画面でした。

「やられたー」

冷静さを取り戻した私は、すぐに、クレジット会社の「24時間対応ダイヤル」に電話をし、クレジットの停止を依頼。そのクレジットカードを破棄し、新しいクレジットカードを発行してもらいました。

その夜は、久しぶりに自己嫌悪に苛まれ、いつも寝つきの良い私ですが、なかなか寝付けない夜になりました。

それから、

「なぜ、私はあんな手口に騙されたんだろう。」

と考えていました。

その一つは、週末の夜でもあり、晩酌をしたあとだったので、アルコールが判断力を鈍らせていたことです。これは、大いに反省すべき点です。

ただ、「他にもきっとあるよなあ」と考えている時に、昨日読んだ本の知識によりその謎が解けました。

その本は「FREE経済学入門」苫米地英人著(フォレスト出版)です。著者は、この本で「『フリーミアム』の危険」を示唆しています。「フリーミアム」とは「フリー(無料)」と「プレミアム(割り増し)」を掛け合わせた言葉で、基本的な製品やサービスを無料で提供し、一方で高度な機能やサービスを有償で提供する。現在のビジネスの多くがこの形態をとっていて、結局は消費者は「無料につられて、多くの有償のものをつかまされている。」「無料につられると大切なものを失う危険がある」と著者は警鐘をならします。

今回の私は、まさにこのパターンにはまってしまいました。

「『フリーミアム』を生き抜く3つの方法」を著者は次のように提示しています。

① 「無料」の論理にだまされない。

料金が「無料」になった瞬間に、私たちは、自由を奪われることになりかねないからです。

② 人はそれぞれ金銭的なホメオスタシスレベル(自分はいつもこのくらいのお金を保有しているという意識)を持ち、それが人を縛っているという事実を自覚すること。:(  )内は筆者が注釈

金銭的ホメオスタシスレベルの存在によって、私たちは生物学的に「無料」に大変な魅力を感じてしまいます。

③ 「自由(FREE)」の概念からも自由になるという、応用範囲の広い、少し高度な方法

この方法は、あえて自ら束縛を選ぶという形をとります。1つ抽象度の高いところから自分の選択を考え、「フリーミアム」の世界と付き合っていくのです。

この例として、南アフリカの元大統領ネルソンマンデラの逸話が紹介されています。

南アフリカのサッカー代表チームのユニフォームの色は、ゴールドとグリーンです。これはまさに人種隔離政策・アパルトヘイトを象徴する配色で、ユニフォームデザインの変更が盛んに取り沙汰されました。

しかし、マンデラ大統領は「いや、それを続けたいのだ」と主張し、そのユニフォームはいまだに続いています。それが、自ら束縛を選ぶ、ということです。

当時、マンデラ大統領には、黒人の手に南アをうまく取り戻すために国内の白人や欧米を味方につけたい、という考えがありました。その思考とユニフォームの変更を叫ぶ黒人リーダーたちの思考とでは、抽象度の高さに違いがあります。(中略)マンデラ大統領は、「そういうものから自由になりなさい。」「アパルトヘイトの象徴をわざとつづけましょう」と主張したわけです。これが、自由からも自由になるということです。(前掲書p184より引用)

私も今回の失敗から「無料」の怖さを学び、「さらに高い抽象度を身に着けるために学びを深めていかなくては」と決意を新たにしています。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。週の中日の水曜日。素敵な一日をお過ごしください。